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HHKBのグリスアップ【その5:グリスの除去】


グリスが劣化して再度塗布するときや、グリスを塗ったけど打鍵感が気に入らなくて元に戻したいときなどには、グリスを除去しなければなりません。グリスの除去はHHKBを分解して内側からキー軸を引き抜いて洗います。
従って、HHKBのカバーを外し基板を外す作業が必要です。

HHKBの分解作業をする前にこちらの免責事項を読んでください

この記事は、株式会社PFU製 Happy Hacking Keyboard
「Professional HYBRID Type-s 日本語配列(型式PD-KB820 )」を例に解説しています。他の型式では軸の構造等が異なるかもしれませんので、事前に共通性の確認をしてください。



(1)必要な道具



(2)分解

HHKBのカバー(天板)を開けて内部にアクセスします。
その方法はこちらの記事『HHKB押下圧変更プロジェクト【その4:分解編】』をご覧ください。この方法でHHKBのカバーを外し、キー軸の裏側を露出させます。



(3)軸の抜き取りと清掃

【写真1】天板の裏側から見たキー軸

カバーと基板を取り外すと、天板の裏側からキー軸と軸受けを見ることが出来ます(写真1)。この状態でキー軸を表側から軽く押さえると軸を抜き取ることができます。

スペースキー、左シフトキー、エンターキーを除く全ての軸を抜き取ってください。

軸を抜き取ったらひとつひとつ丁寧にキッチンペーパー等でグリスを拭います。このとき、キッチンペーバーを使い惜しみしないでください。

次に、油汚れ用の洗剤を使います。洗剤の使い方はそれぞれの洗剤の使用方法に従ってください。べたつきがなくなるまで丁寧に洗います。

洗剤でグリスを取り除いたら、今度は軸に付いた洗剤をしっかりと洗い流します。
バケツかタライにぬるま湯を張って軸を入れて洗います。
4~5回お湯を張り替えて洗剤の匂いがしなくなるまでしっかりと洗剤を洗い落とします。
洗剤が僅かでも残っていると摩擦の原因になってしまって打鍵感が悪化します。また軸の寿命も縮めます。洗剤はしつこいくらいしっかりとぬるま湯で洗い流しましょう。手を抜かず、時間を惜しまずに、何度もお湯を替えて丁寧且つ徹底的に洗剤を落としましょう。


【写真2】スタビライザー

スペースキー、左シフトキー、エンターキーにはスタビライザーと呼ばれる金属の棒が取付けてあります。コの字型をしたこの金属棒を外すにはコツが必要です。棒の両端を摘まんで内側(中央側)にたわませるようにして両端の固定穴から棒を抜きます。
スタビライザーを外すのは難しい作業で、乱暴に取り外そうとするとスタビライザーを固定している爪を折ってしまう可能性もあります。どうしても外せないなら、この3つのキー軸は取り外さずに綿法等を使って何度も拭うなどしてグリスを取りましょう。

洗剤を落としたら、最後に徹底的に乾燥させます。軸には小さな穴が空いているので、この穴に水が溜まっているはずです。穴の中の水が抜けるまで、半日から1日ほど乾燥した場所に置きましょう。扇風機などで風を当て続けるのも良いでしょう。



(4)天板の清掃

天板の軸受けも清掃します。
天板は水に濡れても大丈夫なので※、水や洗剤を含んだ綿棒などで軸受けの穴の内部から丁寧にグリスを拭き取ります。
一度では落ちないので、べたつきがなくなるまで繰り返し何度も拭きましょう。
全てのグリスが落ちたら湿度の低い場所に置いてしっかりと乾燥させます。天板には小さなネジ穴が空いているので、この穴に水が溜まっていないか確認します。穴の中の水が抜けるまで、半日から1日ほど乾燥した場所に置きましょう。扇風機などで風を当て続けるのも良いでしょう。
水滴が残ったまま基板に取付けると故障しますよ。

※ 基板は絶対に濡らしてはいけません。
基板は電子機器なので僅かな水滴が付くだけで故障することがあります。



(5)ラバードームにグリスが付着していた場合

ラバードームに洗剤やアルコールを使ってはいけません。もしラバードームにグリスが付着してしまったら、ぬるま湯とキッチンペーパー等で丁寧に拭き取ります。このときには力を入れすぎないようにしてください。



(6)スタビライザーへのグリス塗布

スタビライザの固定部分には出荷時の状態でグリスが塗ってあったはずです(写真1参照)。スタビライザーには新しいグリスを塗布することが望ましいですが、塗らなくても大きな問題はありません。



(7)組み立て

軸と天板をしっかりと乾燥させたら、軸を軸受けに戻して元通り組み立てます。
HHKB押下圧変更プロジェクト【その5: ラバードームの交換編】」の手順でラバードームを載せてHHKBを組み立てます。

以上です