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HHKBのメンテナンス(番外編:スタビライザーの穴を塞ぐ)


スタビライザーの穴を塞ぐ

【写真1】キーボードの穴

HHKBの天板の穴とその塞ぎ方について解説します。
清掃のときなどにキートップを外すと、天板に3対6個の穴が空いていることに気付くでしょう。
写真1はキートップを外した後のスペースキーの周辺ですが、矢印のところに2つの穴が空いていますね。
左シフトキー、エンターキーにも同様の穴があります。
この穴の下は基盤です。この穴から液体が侵入すると直接基盤を濡らすことになり、故障の原因となります。
今回はこの穴を塞ぐ方法を説明します。といっても、テープを貼るのでも何でもいいので、難しいことなど一切ありません。



この穴は何?

HHKBに空いているこの穴はスタビライザーと呼ばれる金属の棒を固定するツメがある部分に空いています。
掃除をしようとキートップを外して初めてカバーに穴が空いてることに気付く人もいるでしょう。
この穴は放熱用でも空気抜き用でもありません。天板にこの穴が空いていことによるメリットはありません。一方で、液体をこぼしたときに内部に侵入させてしまう欠点になっているので、この穴は塞いでおきましょう。

このスタビライザーの穴を塞いだ方が良いという指摘は、PFUさんの中の人のアドバイスです。私が勝手に推測してお勧めしているわけではありません。その方曰く「塞ぎ方は何でもいいけど、テープでも貼っておけばいいんじゃない?」とのことでした。
そういうことですので、みなさんも身近にある何かで塞いでしまいましょう。
なお、これは個人的な推測ですが、接着剤はやめた方がいいと思います。劣化したときなどに取り除いて付け替えられるものの方が無難でしょう。

【写真2】隙間テープ

私は写真2のような隙間テープを使いました。弾力があって、小さく切れて、防水性がありますのでうってつけです。これならば取り除くことも詰め直すことも簡単です。
要するに、液体の侵入を阻めればなんでも良いので、ビニールテープやゴムなどで塞ぎましょう。



【補足1】スタビライザーとは?

【写真3】スタビライザー

写真3のバーがスタビライザーです。
キーボードの長いキー、例えばシフトキーやスペースキーに付いているバーです。HHKB以外のキーボードでも、キートップを外したときにスペースキーの下のバーを見たことがある人は多いでしょう。このコの字がたの金属の役割は、キーが押されたときに軸が真っ直ぐ下に沈むように左右両端を支えることです。
スペースキーなどの長いキーの場合、キー軸の真上(キートップの真ん中)をタップすることはまれで、多くの人がキートップの端を叩きます。

キーの軸があるのは中央なのに、キーが押される場所が端ではテコの様にキートップが傾いてしまい、軸が斜めに押し下げられることになます。その結果、キーと軸受けが強く擦れてしまい、軸が摩耗したり、雑音が発生する原因になります。
スタビライザーはキーの左右両端に接続されてキーを支えているので、キーの端を押してもキーが傾いたまま下がる事を阻止し、キー軸が真っ直ぐに下がる様になります。



【補足2】雑音

このスタビライザーは、キーボードの雑音発生源のひとつです。しかも、金属とプラスチックかぶつかる甲高くて不快な音を出します。
写真3を見るとスタビライザーの取り付け位置に白いグリスが塗られていますね。これは私が塗布したものではなく、最初からこの状態でした。つまり、この部分にはグリスが必要なのでしょう。
スタビライザーに適切にグリスを塗ることで「少しは」雑音が低下します。
しかしながら、スタビライザーの騒音の大部分は摩擦によるものではなく、金属がぶつかる音、または金属が振動する音なので、グリスによる消音効果は限定的です。
HHKBに限らず、キーボードの静音化を突き詰めている人達は、スタビライザーの問題で苦労しているようです。




【補足3】
当noteでは、株式会社PFU製のHappy Hacking Keyboardの改造方法と、改造のための分解方法等を解説しています。
このnoteに記された改造等を行う前には必ずこちらの免責事項をお読みください。
東プレ株式会社のREALFORCE(リアルフォース) シリーズのキーボードは、HHKBと同じ静電容量無接点方式を採用していますのでリアルフォースの静音化や改造にもこのブログが参考になるかもしれません。

なお、当noteではキートップという表記に統一していますが、キートップとキーキャップは同じでものであり呼び方が異なるだけです。PFUさんがキートップの名称を使っていらっしゃるので当noteでもキーキャップではなくキートップと表記しています。

皆様の快適なキーボードライフに当noteが貢献できたならば幸いです。


このnoteは令和5年10月に書きました。商品や部品の情報などは初回投稿時以降更新していません。