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水溜りボンドの毎日投稿6年間を振り返る【最大級のありがとう】

「はいどうも~水溜りボンドですお願いしま~す、ね、毎日動画頑張っていきましょう」
「頑張っていきましょう」
「トミーです」
「カンタです」
「お願いしま~す」

この挨拶を聴くのが日々のルーティンでなくなるときが近いと思うと一抹の寂しさに襲われるのは、一部のYouTubeファンにとっては当然のことだ。

2015年1月1日からちょうど6年間。YouTuber水溜りボンドの2人はいっときも休まず走り続けた。はじめしゃちょー、Fischer's、スカイピース…2人と一緒に走ってきた毎日投稿組が少しずつ休みを取り入れていく中、2人は「楽しいからやっている」と言ってひたすらに毎日動画を撮影し、編集し、投稿し続けた。

彼らが動画を始めた年に小学校に入学した1年生がもうすぐ卒業し、中学生になろうというタイミングで、いったん彼らの活動にはピリオドがつく。もちろん、活動を休止したり終えたりするわけではなく、前向きなリスタートではあるが、2人にとってアイデンティティである毎日投稿の終了は本人にとってもファンにとっても一大事だ。

あと5日というこのタイミングで、ただのひとりのファンとして、忖度なく感情を吐露しながら彼らが走ってきた道のりを振り返りたい。完全なる自己満足で。

※長いです。ここから筆者の個人的感情が多くなるので、マジで6年間の振り返りとか過去の動画だけ観たいという人は下記目次で次の項まで飛ばしてください

テレビ、ラジオ、本音、批判。激動の2020年

「水溜りハウス」とまで称されたお決まりのシェアハウスでの同居を解消し、『オールナイトニッポン0』のレギュラーが決まり、カンタが初めて週刊誌にスクープされ、テレビ番組の冠レギュラーが決まり、毎日投稿終了を決断し、2人の本音が物議を醸し、トミーが丸坊主になった。

アップダウンの激しい年だった。これまで以上に色々なことが変化して、私たちファンも、本人たちも、ポジティブにもネガティブにも大きく感情が振れた年だったと推測する。

楽しかっただろう、

そして、つらかっただろう。

彼らは動画でも取材でもよく「今も昔も変わらない価値観・スタンスでやっている」と話す。
今も昔も変わらないスタンスで、価値観で続けているのに、反して自分たちの存在は猛スピードで大きくなっていった1年。自らの存在感や影響力が強大化していくことに、楽しみながらも食らいついていくのは、大変なことだっただろう。

ただひとりの青年として生きてきた人が、女性と会うと議論を呼び、面白がられ、批判され、それについて信頼する視聴者に自分の口で何も話せないストレスは、相当なものだっただろう。

無邪気さや素直さは変わらないのに、彼らの中から出てくる言葉が、企画が、少しずつ視聴者やファンの気持ちから離れていく。
それが事実かどうかは別として、ずっと応援してきたという視聴者たちからのそうした率直なフィードバックと向き合うのには、私には想像できないほどの勇気と覚悟が要っただろう。

大人とはいえ弱冠20代。常に冷静であろうとする彼らが直面してきたこの1年の出来事は、大人として振る舞うにはあまりにも、良くも悪くもストレスフルだった。

自分勝手に視聴しはじめ、勝手に影響を受け、勝手に応援してきたファンとしても、勝手にいろいろな感情を抱く年だった。

正直、彼らの動画を観て、爆笑することが少なくなっていた。
2、3年前は毎日ワクワクしながらチャンネルを開いて、最新動画を観て、声を出して笑っていたのが、寝る前に「あ、そういえば」となんとなく観るような日も多くなった。

悩んだ。こんなことは自分の勝手な気持ちの変化であって、彼らは変わらずに走り続けているのだから、悩む必要はないはずなのに。
それでも、これまで彼らから受け取ってきたものが多すぎて、応援したい気持ちが強くて、勝手に悩んだ。

このまま自分は観なくなるのだろうか。どう応援し続ければいいんだろう。水溜りボンドらしさって、いったいなんなんだろう、YouTubeらしさってなんなんだろう。自分なんかが考えても無意味なことは十分わかっているのに、そんな難しいことを考える瞬間もあった。

きっと、二人が心の底から楽しんでいるように見えない日が、少しずつ増えてきたからなんだろう。
そのことに気づいたのは、11月25日の動画を観てからだった。


ぶはははは、と声を出して笑った。動画を観て爆笑したのは久しぶりのことだった。手を叩いて、涙を滲ませながら笑った。

普通に面白かった、というと薄っぺらいが、普通に面白かった。

なにより、2人が心から楽しそうで、自分たちのことを面白がっていて、それがよかった。二人の会話が、笑い声が、2,3年前に戻ったみたいな感じがして、観ていて心地が良かった。

それからの動画の中で彼らは、今日にいたるまでずっと、「なんか変なことやっててよくわかんないけど楽しそうにしている2人組」だ。数年前、彼らの動画を観始めたときの感覚と同じ。そう、ずっと、これを待っていたのだ。ただただ素直に楽しそうな、なにも考えずに何かを面白がっている無邪気な青年ふたりを。

今年、たまになんとなく観ていてしんどかったのは、きっと2人が大きなストレスの中で、悩みながら、苦しみながら、それでも楽しめることは何だろう、面白い企画は何だろう、と必死に考えているのが画面から伝わってきていたから。

何かが吹っ切れたように見える金髪と坊主は、今日も画面の中でよくわからないことを楽しそうにしてくれる気がしている。

2015年~2019年。毎日投稿の日々を振り返る

2015年、青山学院大学の会議室で、今より痩せてあか抜けない青年2人がぎゃあぎゃあ言いながらトランプできゅうりを切っていた。
当初は自分たちで何十回と再生していたという学生たちは、「逆メントスコーラ」がバズったとき、さぞ嬉しかったことだろう。(当時はまだ、バズるなんて言葉もなかったかもしれない)

iPhoneの新機能や都市伝説をわくわくしながら試してみる様子は、今見返してみても5年後、現在のふたりとあまり変わらない。

大晦日に特に総集編などを投稿せず、10分置いたどん兵衛をだらだら食べているところが若くてかわいい。(私見)

【2015年の再生回数ベスト3動画】
1.iPhoneのロックを間違え続けると42.5年待ちになるらしい【都市伝説】
2.逆メントスコーラで大惨事
3.絶対に追加してはいけないLINE IDを追加してみた【都市伝説】

2年目の2016年。コピー機で偽札を印刷してみたり、当時YouTubeで流行していた架空請求業者をいじって遊んでみたり……もっと面白いことをしてやるぞ!という気概が見えた1年だった。今や懐かしい、マンションの一室らしき白い部屋で、わるそうに笑いながらいたずらをしている2人が印象的だった。

元気先生とコラボして実験を始めたのも、本格的な心霊・都市伝説系の動画が増えてきたのも、24時間生配信に挑戦したのも、そして初めてパオパオチャンネルとコラボしたのもこの年である。

私事極まりないが、個人的には、この年にスライムでひたすら遊んでいた2人が面白くて毎日投稿を追い始めたので、2016年には思い入れが深い。


この年も大晦日の動画は特に総集編ではなく、素直に実験をしている。とにかく大規模なことをしたい、という勢いのいい欲求が見えてかわいい。(私見)

【2016年の再生回数ベスト3動画】
1.架空請求業者同士を会話させたら喧嘩がはじまった!?
2.コピー機で偽札を印刷したら警報なった【検証】
3.こっくりさんふざけてやったら本当に出ました

初代「水溜りハウス」が登場したのが2017年。まんず、Pさん、キイチが頻繁に出演し始めたのがこの頃だ。学生らしく、他の後輩メンバー(さぶ、佐々木、ひっしーなど)もシェアハウス同居人や仲良しグループとしてたまに登場していた。


家の構造を活かした「階段から○○落とすドッキリ」が定番になり、以前はコラボ依頼メールを緊張して送れなかった東海オンエアと敬語禁止でコラボし出したのもこの年。
ガリガリ君イッキ食いでトミーの驚異的な早食いの才が世に知れ渡り始め、テレビで共演したさまぁ~ずと一緒に早食いできたことも思い出深い。
個人的には、鳥取砂丘でかくれんぼしてたら本当に帰っちゃうドッキリや、逆立ちして牛乳飲んでたら家の窓割ってたのがあまりに面白くて爆笑していた覚えがある。

この年の12月30日には1年の総集編を投稿しており、その概要欄でカンタは「ようやく僕ららしさが出てきたなと思っております」と書いている。
さらに規模を拡大した実験や心霊検証、そして”ドッキリ”が板についてきており、まさに「水溜りボンドってこんな2人組」が確立された年だったように思う。

【2017年の再生回数ベスト3動画】
1.シャンプー中に血のり垂らしたらとんでもないパニックになったwww
2.【8秒】ガリガリ君早食いでギネス記録が本当に出ましたwww
3.帰宅した瞬間10万粒のぷよぷよボール風呂を落としてみた【ドッキリ】 

2018年はチーム戦の年だった。後輩であるPさん、キイチとの4人、またはまんずを含めた5人で活動することが多くなり、水溜りボンドというよりは水溜りファミリーとしての企画や動画が増えてきたように思う。

赤・青に分かれた対決企画に本気になって盛り上がり、竪穴式住居もみんなでつくり、もはや定例になった無人島にも5人で行った。
「全員つまらなくなるドッキリ」と、テロップ全て手作りした動画が個人的なお気に入りだった(もはや躊躇なく私見をはさむ)

【2018年の再生回数ベスト3動画】
1.相方が逮捕されたドッキリがヤバい展開になったww
2.【奇跡の確率】どれを選んでも絶対に超酸っぱいガム引いちゃうドッキリww
3.録音した音声だけで人狼ゲームしたら心理戦すぎたww

巨大チャーハンがバズった去年、2019年。なんでバズったのかいまだによくわからないし、本人たちも予想していなかった動画がバズることがあるとはよく言っている。

水溜りハウスもグレードアップし、引き続きファミリーでの動画が多く投稿されていた。同時に、新しい家を使った斬新なドッキリ(パソコン爆破水没、エアコンからぷよぷよボール、相方が3階から落ちてるなどなど)も増えた。
キイチの黒子感、Pさんのゲームマスター感が板につきすぎていたのと、2人に比べると若干頻度の低いまんずが出てきたときに異常に嬉しかったのをこのタイミングで思い出した。

雑誌の表紙、テレビ出演、ラジオ出演が次々と重なり、YouTubeの外への認知度が圧倒的に高まった年でもあった。

【2019年の再生回数ベスト3動画】
1.本気でチャーハン作るドッキリwwwwww
2.本当に相方が逮捕されるドッキリww【前編】
3.相方が計算中に電卓で米津玄師のLemon弾きはじめるドッキリwww

そして、後輩たちが自分たちの道を歩みだし、2人が別居生活を始めた2020年。前項に書いた通り、彼らは自分たちと環境の大きな変化のうねりのなかで、試行錯誤を繰り返し、そして一気に進化を遂げた。

それは前に進むことであり、まったく同時に、「初心に帰る」という言葉ではあまりに浅薄だけれども、初心に帰るということでもあった。YouTubeを始めたころの勢いと無邪気さが、ベテランYouTuberたる貫禄と融合したということだと思う。

【2020年の再生回数ベスト3動画】
1.【MV】ハッピー毎日投稿終了前ソング【4K】
2.ありえないサイズの魚マジで釣りあげるドッキリwwww【どうぶつの森】
3.エレベーターの底が抜けて落下するドッキリwww

きみたちには笑っていてほしい

6年間の軌跡を勝手に振り返ってみれば、2人がところどころで語っているように、水溜りボンドにとって「この動画がきっかけで」「この活動がきっかけで」という”売れたきっかけ”みたいなものがないことがよくわかる。

2人は何も変わらないまま、一日一日、こつこつと着実に面白いことをやり続け、それが一月また一月、一年また一年と重なった結果、ここまできたのだ。そんな二人の活動は、わたしたちの人生を、確実にポジティブな方向に変えている。

上述した通り、私自身は、彼らから受け取ってきたものが多すぎる。
本人たちは自分が楽しくてやっていると言うが、2人には、「あなたたちが楽しくやってきたことによって、勝手に影響を受けた視聴者がここにいる」と伝えたい。

「継続は力なり」を教えてくれた。身をもって、だ。
ひとつまたひとつと動画を投稿していき、ふつうの大学生からトップ、ベテランYouTuberに変わった彼らの姿は、視聴者が「自分も何かに挑戦してみよう」と意気込むきっかけになったに違いない。

少なくとも私にとっては彼らの存在が、自分も書くことに挑戦してみよう、とりあえず何かアウトプットしてみよう、と意気込むきっかけになった。結果、YouTubeコラムニストという世にも珍しい肩書きでいっちょ前にライター活動をするまでに至った。驚くことに水溜りボンド本人を取材する経験までした。

泣きたいとき、少しも動きたくないとき、彼らは学生時代の同級生のように心の支えになった。

こちらが彼らを学生時代の同級生のように思うのはあまりにも自分勝手なことだ。あまりにも自分勝手なことだが、そのくらい、毎日2人がバカみたいに楽しそうにふざけてくれていることは、しんどいときの支柱になっていた。

仕事で、勉強で、家庭のことで、人間関係で。心が折れかけていた時に、「帰る場所」としての水溜りボンドチャンネルが存在したことで折れなかった人も、たくさんいるのではないだろうか。 

誰が何と言おうと、2人は動画投稿によって、他人の人生を、少なくとも、ここにいる一人の人生を少しだけ変えている。

学びになった、支えになった毎日投稿に、心から最大級のありがとうを贈りたい。

2人の新しいスタートをともに喜び、全力で期待したい。


そして何よりも、きみたちには笑っていてほしい。難しいことは考えなくてもいいから、楽しくやってほしい。それが2人の魅力だから。

毎日投稿最後の一か月に、ふたり本人の力で、ファンにそれを思い出させてくれて、ありがとう。


――ああだこうだ言ったけれども、言いたいことはこれだけ。


6年間ありがとう。これからもよろしく。

少年のようなカンタとトミーを、いつまでも応援しています。

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