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「天使の涙」との出会いで少し人生が面白くなった話

今日は「て」の日。
写真は「手!」です。

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「天使の涙」との出会いで少し人生が面白くなった話

です。

「天使の涙」は香港映画の巨匠王家衛監督の映画のタイトルで1995年に公開されています。

出会いは上映から数年経ったある日の深夜、テレビで放映されていたその映画の醸す世界観があまりにも好み過ぎて、翌日からビデオショップで片っ端から王家衛作品を借りて観ました。

金城武、フェイ・ウォン、トニー・レオンといった、俳優の瑞々しさも然ることながら、香港の灯りや色、喧騒、食べ物など、パワー溢れる街並みの中で営まれる人々の生活感や、気だるさなど、映し出されているもの全てが私にはとても魅力的でした。

王家衛映画との出会いは天使の涙でしたが、一番好きな映画は恋する惑星です。
フェイ・ウォンになりた過ぎて、何度観たか分かりません。主題歌夢中人を自分の結婚式の入場の曲にしたぐらい大好きです。

香港映画を次々に観るようになり、映画の中で話される広東語がわかるようになりたいと憧れたのですが、探してみると広東語の先生というのはなかなか見つけるのが難しく、じゃあ仕方ない中国語でも良いか。

と、唐突に中国語を習い始めたのが1999年。
そして、習い始めた1ヶ月後には、人生初のひとり旅(三泊四日)で北京へと向かっていました。

中国語は1ヶ月毎日勉強していたのではなく、週に一度か二度ぐらい。個人レッスンで一回につき1時間程度です。

全くの初心者から始めた中国語です。たったの1ヶ月では、自分の言いたいことも思うように言えず、相手の話す早口の中国語はなかなか聞き取れませんでした。

さらに無謀にも、航空券だけを取り、あとは全てを現地手配で出発したので、空港に着いたらホテルも、その後のスケジュールも全部自分で決めなくてはなりません。

飛行機が到着すると、すぐさま空港の案内所へと向かい、北京っぽい雰囲気のあるホテルに泊まりたいという要望を伝えました。30分ぐらいかけて。

担当してくれた女性は、無愛想ながらも、私の下手すぎる中国語と筆談、英語全てを駆使して伝えた要望を総合し、私が求めているのは「四合院」という建築様式だということを突き止め、その要望を充たすホテルを手配してくれたのです。

さらに、本当に何の計画もなく来た私にバスツアーを勧めてくれたので、北京での観光も手配できました。

無愛想とか思って悪かったです。めちゃくちゃ仕事の出来るいい人でした。

ホテルに向かう時のタクシーの運転手さんには、若者が遊ぶような所に案内して欲しいと頼んで、昭和の香り漂うディスコに連れていって貰ったり、バスツアーがない日には、映画の撮影所を案内して貰ったり、北京っ子が普通に食べているような食堂でご馳走して貰ったり、最終日空港への送迎を予約し、空港に向かう前にファンキー末吉さんが経営されているバーに連れていって貰ったりもしました。

また空港でお姉さんが勧めてくれたバスツアーに参加したおかげで、私同様1人で参加していた台湾のお医者さんに、滞在中京劇や北京ダックを食べに連れていって貰ったりもしました。

4日間の旅行は充実しすぎてあっという間に終わりました。
1人での旅行は何でも自分で決められるので自由だし、周りの人からは声をかけやすいのか、それともかわいそうに見えたのか分かりませんが、バスツアー中のランチタイムでも、女の子のグループが一緒に食べようと仲間にいれてくれたりして、全く寂しいと思う暇はありませんでした。

あの日あの時あの場所だったからこその出会いの数々。

深夜の映画で出会った天使の涙が、なぜか香港ではなく北京でのワクワクする体験に私を導いてくれたことを懐かしい気持ちで思い出したのでした。

それではまた明日。

いただいたサポートを何に使ったか詳細なレポートします。