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シニア、一矢を報いる。


私が通う大学の近くに保育園がある。

改めて言うが、大学へ働きに通っている。
決して、大学生ではない(笑)

大学構内を、
保育士さんが、籐のレトロな乳母車に
6人くらいの園児を乗せて
散歩されているところに通りかかった。

乳母車の中で、
キャッキャッと笑っている園児たちも
いつか大人になり、社会に出る。

その頃、
私の周りにいる働き盛りの、
ピチピチ、ムチムチ、トゲトゲの若者たちは、
白髪が目立ち始め、シワシワ、モヤモヤの
冴えない初老になっている、、、、、よね。

と、つまらない妄想をして
意地悪い笑いをもらしてしまった。

すると、私の笑顔が見えたのか、
保育士さんが軽く頭を下げて
にっこり笑ってくれた。

ごめん。

20年後は大人だよ。

大学の研究室には、院生や留学生が
5、6人所属している。

その中のひとり、
日本人で院生の男子は、性格がマジ悪い。

その一例を挙げるならば、

彼の腰掛けてる場所に、使いたい物があり、
ごめんね、ちょっと取らせてね、、、、と
声をかけたが、
彼は、言葉も発せず、動こうともしなかった。

ところが、研究員たちには、態度が全然違う。

それは、もう笑えるほどというか、180度違う。
宗谷岬と佐多岬くらい違う。
富士山とうちの裏山くらい違う。(どこやねん)

ヘコヘコ&ペコペコwithニコニコ。
「あっ、どーも、あざーすっ」
何がありがたいのか知らないけれど、
頭を下げまくっている。

まるで、歌舞伎役者の早替わりのようだ。

あなたは院生じゃないのか。

いったい誰なんだ!

その彼が卒業を迎えて、

「みんなで彼に一言メッセージを書くのですが、
お願いしますね」と
女子学生に色紙を渡されたが、
思いやりも優しさのかけらもない、
彼に何を書けばいいのだ。

仕方ないので
ひとこと、「あざーす」と書いた(笑)

その彼は、
日本人なら誰でも知ってるであろう
食品系大企業に入社した。

高学歴であることは、こんなにも強い。

その後、
私は、その企業の食品を買うのを辞めた。
エヘ、へ、、、。


私は、仕事の関係上、1日に一回は、
大学の温室へ出入りしている。

ある日、いつものように入って行くと
毛糸の帽子を被り、白衣を着たおばあさんが
ジョーロを持って立っていた。

こんにちは、、と挨拶しても知らん顔された。

彼女は、去り際に、

「必ず、鍵をかけて出て行ってくださいねっ」と
冷たい口調で言い放ち帰って行った。

感じ悪っ。そんなこと、知ってるわっ。
なんやねん。

数日後、
白衣ばあさんが温室から
出て来たであろう場所ですれ違った。

その後、すぐに、温室に行くと鍵はかけてない。
中には、誰もいない。

白衣ばあさんが鍵をかけるのを、忘れている。

そのことを、怒りながら
会社の男性スタッフに話すと、
彼はニンマリしながら、、、

「あ〜〜あの人ね、30年くらい
×××研究室で働いているパートさんだよ」

「あそこの研究室は、教授がめっちゃ怖い。
チクるのは辞めましょ。
ややこしいことになるからね、
また、今度忘れたらね、、、その時はね」

それから、また数日後、
温室に入ると、汚い机の上に、
「毛糸の帽子」がポツンと置かれていた。

忘れている。
クスクス、、、、、(笑)

ちなみに、白衣ばあさんは私より若い。
クスクス、、、、。

お読みいただきありがとうございました。

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