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タダノセンデン

CHARGE というブランドをはじめます。
どうぞよろしくお願いします。



と、これでは終われない。

だれかへ



モノ作りを商いにしていると、作ったモノがどんな人の手に届くかわからない。分からないというのはそれはそれでロマンがあって、いい。

Journey の 『Don’t Stop Believing 』を傍で流しながら想像すると


安物の香水を纏った美女かもしれないし、生意気に紫煙をくゆらす都会のミュージシャンかもしれない。

彼らは仲間と思っていた友人に裏切られるかもしれないけど、いい歳になって新たに親友ができるかもしれない。頑張りすぎて体調を崩してしまうかもしれないけど、病院でお世話になった看護師さんと恋に落ちるかもしれない。夢も希望もなく暗澹としているかもしれないけど、手を差し伸べてくれる人が突然現れるかもしれない。慣れない仕事だけど、愛する家族のために頑張っているかもしれない。

夢を叶えるかもしれない。

知らない人の人生に少しでも関われるのが、僕は好きすぎる。

タダノセンデンをきっかけに、この新しいブランドが誰かに気に入ってもらえるかもしれないし、看護師さんと恋に落ちるかもしれない。


はじめての相棒


小学校に上がる前、僕はありがちだけどプロ野球選手になるつもりだった。
毎日、坊主頭に野球キャップをかぶって夏ならタンクトップに短パンという、ザ・昭和少年コーディネートだ。そんな僕は友だちよりちょっと早く、ちゃんとした " 革製の " 野球グローブを買ってもらった。
僕がすぐ大きくなることを見越して買われたせいでブカブカだったことを除けば、完璧だった。
グローブの手首あたりに『内山』と油性ペンで書いてもらい、そのグローブはめでたく僕の相棒になった。
ひらがなではなく漢字にしてもらったのは、友だちの前でカッコつけるためだった。

その週末、父親とキャッチボールをした。
野良猫に石ころをぶつけて遊んでいた僕は、はじめから投げるのも取るのも超絶上手かった(反省してます。僕は地獄に落ちるでしょう。)。
父親のいつもと違う喜びようはガキでも気付くことができた。大人になってはじめて呑みに行ったときと同じだったから間違いない。
ちなみに母親の投球フォームは女子のそれで、そのときは「下手くそー」なんて笑ってしまったけど、ぎこちなくてかわいかった。

あのときあのグローブに、僕ら親子の思い出は染みついた。

それだけじゃない。

あれはカムリだったか、車にボールをぶつけてしまって友だちと猛ダッシュで逃げたり、『たたいてかぶってじゃんけんぽん!』したり、虫を捕まえたりもした。ずっと後ろをついて離れない仔猫をそっと包むようにグローブに入れてやり、上からキャップを被せて連れ帰ったこともあった(優しい男の子ですね。僕は極楽浄土に行けるかもしれません。)。

次第にグローブに通す手には、隙間がなくなった。

きっとこんな感じで、毎日、世界中で、みんなのモノに思い出が宿っているんだろう。
それってとても幸せなことで、素敵だと思う。

でもカタチあるものがいつもそうであるように、思い出がいっぱいになると、ゆっくりその役割を終えていく。

僕のはじめての相棒は、はじめて僕の元を去った相棒になった。


CHARGE


主に "40〜60年代にアメリカで製造され愛用された" ヴィンテージのグローブを集め、それらをリブートする。
そんなブランドを始める。

メジャーリーグでは観客が

「Charge!!」

と選手たちに声援を送るそうだが、僕は

“CHARGE”

と銘を刻んで
皆さんに、レザーグッズを届ける。

いいロゴでしょ。


40〜60年代のグローブ

この年代以外は絶対に使わないというわけではないが、とりわけこの年代のモノを選ぶのには、理由がある。

1941年から1960年まで大戦をはさんで活躍した名捕手Jim Hegan シグネチャーモデル

ひとつは、まだ Made in USA であること。米国で流通するグローブはこれ以後、米国製を手本にして作られた日本製のものが増え始める。続いて韓国製などと変遷する。不思議なことに米国製ではなくなったグローブには、どうも楽しさが感じられない。メーカーがグローブ作りを楽しむのをやめたのかと疑ってしまうほどだ。金儲けが過ぎると、デザインから無邪気さがなくなるのかもしれない。

2つ目は、革の質。
これは専門的でちょっとした違いではあるのだけど、やはり違う。どちらかというと雑なイメージが強い米国製レザーだが、必要十分な仕事をしているのだろう。世界には洗練されたレザーはたくさんあれど、勝るとも劣らない。まだ使える。

3つめは、とっても単純。
年代が新しくなるにつれ、グローブはリブートしにくいデザインへと変遷する。
特に最近のグローブは進化していてパーツひとつひとつが細かく、もう一度レザーグッズにリブートするのは現実的ではない。


だれかのグローブ


古いグローブたちがどんな相棒と野球を楽しんだのか分からないけれど、分からないというのはそれはそれでロマンがある。

間違いなくメジャーリーガーに憧れただろう。
アメリカンドリームをつかもうと、頑張ったはずだ。
順調にいかなくて、夢やぶれて悔しい思いをしたかもしれない。だけど、彼らはそんなことをものともしないタフなナイスガイだったに決まってる。

いや、ガールかも。

きっと土埃と声援をあびて、たくさん野球を楽しんだはずだ。

全米各地から集めたヴィンテージのグローブは、もちろんどれも汚れている。でもそれらの全てにドラマが詰まっていて、僕の目には眩しく美しいグローブたちだ。

Leeさんを訪ねたくなります。



中にはプレゼントのように丁寧に梱包し、 “Thank you” とメッセージを添えて届けられたものもあった。
あるものはサインペンで名前が何人分も書かれては消されていたりする。当時もそれなりに高価だったのだろう、チーム内で引き継いだりガレージセールで手に入れたのかもしれない。

なぜか送り主は女性が多いが、絶対に皆んな美人だ。

彼ら彼女たちが染み込ませた思い出に、今度は皆さんの思い出を重ねてみてはどうだろう。


グローブだけに


僕らはCHARGEをつくって、皆さんに届ける。
皆さんは、この世にひとつとして同じものがないCHARGEを愛用する。
なんだかキャッチボールみたいで、よいではないですか。

あなたがどこの誰かしらないし
あなたの夢だってしらない。
何をしている人なのかだってしらないし
歌の好みだってしらない。
それでも僕は、あなたにエールをおくりたい。

CHARGEと、よい思い出をつくってください。
思い出をたくさん詰め込めるレザーグッズって
やっぱりいいです。

CHARGE ですよ。
覚えましたね。

いいブランドが、できました。
その、タダノセンデンです。



CHARGE 内山

まあ、見るだけ見てってください 。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ウェブサイト:CHARGE


ウェブストアでの販売に先立って、横浜のイベントで販売を開始します。
皆様のご来場をお待ちしてます。


P.S. もう曲は終わりました?
歌詞と稚拙な和訳を置いときます。
この曲好きなんです。

Journey - Don’t Stop Believin’

Just a small-town girl, livin’ in a lonely world
She took the midnight train goin’ anywhere
Just a city boy, born and raised in South Detroit
He took the midnight train goin’ anywhere

小さな町に住む孤独な少女は
夜行列車でどこかを目指し
南デトロイトで生まれ育った都会の少年は
夜行列車でどこかを目指す

A singer in a smoky room
The smell of wine and cheap perfume
For a smile, they can share the night
It goes on and on and on and on

紫煙立ち込める部屋に歌手がひとり
ワインと安っぽい香水の香りが漂う
笑顔ひとつで、彼らは夜を共にする
そんな事がずっと繰り返される

Strangers waitin’
Up and down the boulevard
Their shadows searchin’ in the night
Streetlights, people
Livin’ just to find emotion
Hidin’ somewhere in the night

巷の人々は
大通りを行き交いながら期待している
彼らの影は夜を探し求めている
街灯にてらされた人々は
心躍らせるためだけに生き
夜のどこかへ消えていく

Workin’ hard to get my fill
Everybody wants a thrill
Payin’ anything to roll the dice
Just one more time

満たされるまで努力を厭わない
皆んながスリルを求めているから
どんな賭けでもしてやる
もう一度やるだけだ

Some will win, some will lose
Some are born to sing the blues
Oh, the movie never ends
It goes on and on and on and on

勝者がいれば、夢敗れる者だっている
ブルースを歌うために生まれてきた奴もいる
あぁ、終わりの無い映画だ
ずっとずっと続いていく

Strangers waitin’
Up and down the boulevard
Their shadows searchin’ in the night
Streetlights, people
Livin’ just to find emotion
Hidin’ somewhere in the night

Don’t stop believin’
Hold on to that feelin’
Streetlights, people
Don’t stop believin’
Hold on
Streetlights, people
Don’t stop believin’
Hold on to that feelin’
Streetlights, people

諦めるな!信じ続けろ!

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