絵を依頼する時の話

みんな、泳いでる?(挨拶)木口ゆらです。

Twitterで「同人誌の表紙を他人に頼む時の話」が話題になってるので、絵を依頼する時に必要な情報の話を書いてみようと思います。私はアマチュアだけど。小説の表紙は描いたことないけど。

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◆依頼する側が考えるといいこと

最初に「絵を何に使うか」と「どんな絵が必要か」を明確にしておくと、絵描きとのやり取りが楽になります。

◆絵を何に使うか

まず「絵を何に使うか」。私が今パッと思いついたものでも、Twitterなどのアイコン、小説の表紙、挿絵、グッズ、スマホのホーム画面、ゲーム、LINEスタンプなど……使い道は山のようにあります。もちろんこれら以外の使い道もあります。

何故、絵の使い道を決めておかないといけないかと言うと、下記の4点を決めるためです。

「絵のサイズと色をどうするか」

「ラフ確認・リテイクは必要か」

「商用利用に該当するか(≒絵を使用したコンテンツで利益が出るか)」

「二次利用料が発生するか」

大切な4点です。

これらはお金が絡む話になってくるので、同人関係だとあまりガチガチに決めてない場合が多いかもしれません。しかし、この4点はイラスト製作前に契約としてハッキリさせておくと後のトラブル防止にも役に立ちます。

「絵のサイズと色をどうするか」

これは使用用途によって、必要な画像サイズとカラーモードが変動するからです。A2ポスター、手のひらサイズのアクリルキーホルダー、文庫本サイズモノクロ挿絵、スマホのホーム画面、これらは全部サイズもカラーモードも違ってきます。

また、サイズやカラーモードが違うと、絵描きの作業時間が大きく変わってきます。依頼料に大きく関わってくる要素です。

「ラフ確認・リテイクは必要か」

「想像していたものと完成したものが違う!」という話はアマチュア同士のやり取りでトラブルに繋がりやすい点かと思います。特に自分の小説の表紙や音楽CDのジャケットなどではイメージに合ったものにしたいですよね。

そんなトラブルを避けるためのラフ確認とリテイクです。

ラフ確認とリテイクをお願いする場合は、描いてもらうラフの枚数やリテイク回数を事前に決めておきましょう。もしもそれ以上の枚数や回数になる時はちゃんと追加料金を渡しましょう。

また、リテイクを行うと取り決めても、「絵の完成後に大きなリテイクを希望する」のは基本的にNGです。何故な絵を全て描き直すことになる可能性が高く、絵描きの労力が二倍以上になるからです。精神的にもつらいやつです。なのでリテイクはラフの段階でお願いしましょう。完成後でも「明らかなミス」はちゃんと指摘して大丈夫です!

「商用利用に該当するか(≒絵を使用したコンテンツで売上が出るか)」

簡単に書くと、販売するか否かです。売上なので、黒字赤字は関係ありません。これについては「同人活動は商業利用に該当しない」と判断する方もいますし、「一定以上の販売数なら同人でも商業利用として扱う」と判断する方もいる……と人によって考え方が違ってきます。依頼時に依頼相手の絵描きにしっかり確認をとっておくとベターです。

「二次利用料が発生するか」

二次利用とは、「二つ目以降の利用方法」のことです。例えば「表紙として依頼した絵」を「ノベルティ」や「告知チラシ」にしようする場合などが該当します。こちらも料金が発生する・しないは人によって違うので要確認です。

◆どんな絵が必要か

さて、描いてもらう絵の内容です。

絵描きも万能超人ではありません。ただ「絵を描いて!」の一言では何を描けばいいのかは伝わりません。「小説の表紙を描いて!」でもまだまだ伝わりません。

そんな時には「言葉」を使いましょう! 意思疎通の基本です。

では、どんな絵が必要なのか、言葉にしてみましょう。

小説の表紙にする為に、可愛い女の子の絵が必要。小説に書いた女の子の見た目は「みつあみにセーラー服」。小説の内容はほのぼのだから、楽しそうな女の子がいい。背景は作品の舞台になっているがいい。

この程度でも、しっかり言葉にできていると絵描きにしっかり伝わります。他のパターンではこんな感じ。

ねこのアクリルキーホルダーを作りたい。パステルカラー、特にピンクを使ったタレ耳のねこがいい。私は香箱座りが好きだから、ポーズもそれにしたい。
着物をテーマにしたイラスト本の表紙を頼みたい。テーマに合わせて着物を着たキャラで、「色んな人が参加してる本」を表すためにカラフルにしてほしい。でも和風で。番傘を持っているポーズがいい。デザイナーに装丁を頼むので、背景は不要

文字にすることにより、より「具体的な完成図」が浮かびやすくなったのではないでしょうか?

もちろん、ラフを描いて「こんな感じでお願いします!」というパターンも大丈夫です。その際も、ラフに表現しきれなかった部分は言葉で補足しましょう。また、絵描きにどうするか聞かれた場合もできるだけ「おまかせ」を避け、具体的に答えましょう。お互いの幸せのためにも。

◆依頼料

同人であまりお金の話をするなという謎ルールがありますが、今回はスルーで。お金は大切。

仲のいい相手に絵を描いてもらう場合、「タダ」「売り子としてサークルチケット入場する権利」「食事を奢る」みたいに適当に終わらせる場合がありますが、依頼ではじめて連絡を取る相手ではそうはいきません。個人的には仲のいい相手でも労働の対価は支払うべきだとは思いますが、今回は置いといて。

依頼料は依頼する側・される側のお互いが納得がいく金額にするのが大切です。そのために上記の「絵を何に使うか」と「どんな絵が必要か」を考えて伝えます。

いくつか依頼を受けたことのある絵描きなら、この2点をしっかり伝えれば見積もりを出してくれるはずです。

もしも絵の依頼の経験の無い方に頼むときは、「時給×絵にかかる時間」で支払い金額を見積もってもらうといいかと思います。絵を描くのも特殊技能なので、対価を渡すことは大切です。

◆最後に

依頼される側として「依頼時に必要な情報」について簡単に書いてみましたが、いかがでしたか? 質問などあればお気軽にコメントしてください。

ちなみに私はメールで一つ一つやりとりするのが面倒くさいので、メールフォームに入力してもらう方法を取っています。このやり方スッゴイ楽。

木口のイラストオーダーフォーム(※依頼受付停止中)https://forms.gle/XP8ZuBMpPapSTSu97

またデジタル環境が整ったら依頼受付再開するかと思うので、その時は改めて告知します。よしなに。

おいしいものたべます。