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自分だけの事業をつくる「つくしの法則」

日本には300万社以上の企業が存在する。

これだけ多くの企業がひしめき合う市場で、
新たに起業し、生き残っていくというのは並大抵のことではない。

生き残るための戦略として、経営学者のマイケル・ポーターは
「差別化戦略」を提唱した。

「差別化」とは、競合他社の製品・商品・サービスとの違いを
打ち出すということだ。

なぜ差別化が必要かというと、お客さんに競合他社ではなく、
あなたから買いたいと思ってもらう必要があるからだ。

では、いったいどうやったら差別化をして「自分だけの色」を
出していけるのだろうか?

教科書どおりに競争戦略を学んで考えるのも一つの手だが、
今日はシンプルな3つの切り口で考えることを紹介したい。

それが「つくしの法則」だ。

この法則は、ビジネスアイデアのブラッシュアップやマーケティング、事業の生存戦略を考えるうえで、大切な「差別化」のポイントを3つに分けて、頭文字をとったものだ。

それぞれ見ていこう。


「つ」突き抜ける

自分の商品・サービスを磨きあげ、他に類を見ないほどの境地に達しているビジネス。それが、「突き抜ける」状態だ。

世の中には、自分のやりがいや関心とことん追究した結果、
たくさんのお客さんに受け入れられ、お金を支払ってもらえるレベルに到達しているビジネスが存在している。

例を挙げると、

・有名ブランドのデザインを手掛けるデザイナー
・オリジナルブレンドの手淹れ珈琲を提供するカフェ
・独自の筋力強化法を使った、会員制のトレーニングジム

などだ。プロのスポーツ選手やアーティストも「突き抜ける」の代表例といえるだろう。

「突き抜ける」がうまくいけば、
「天職」と言えるようなビジネスを展開することができる。

自らの趣味や特技、時を忘れて夢中になれることを生かして商品・サービスを生み出し、それがお客さんの幸せに結びついたらWin-winだ。

もしキミが、特別に思い入れのある「何か」を持っているなら、その分野で「突き抜ける」という起業もあるだろう。


「く」組み合わせる

では、自分の夢中になれることで「突き抜け」、それがお客さんに支持され、ビジネスになっている人は、身の回りにいるだろうか?

実際には、そこまで突き抜けられる人はごくわずかだ。1,000人に1人、いや1万人に1人かもしれない。そのレベルまで到達するのはなかなか難しい。

しかし、諦めるのはまだ早い

一つでは力を発揮できなくても、何かと組み合わせると一つ以上の価値を生み出せることがある。

それが、「組み合わせる」だ。

「10000×1」と「100×100」は、同じ価値ではない。
でも、同じ総量で戦うことができる。

具体的には、複数の強み、持ち味、得意分野を組み合わせて、
利便性独自性をアピールする、

・「FP資格」+「行政書士資格」で
 個人の資産運用から法律相談まで対応できるコンサルタント
・「税理士資格」+「社会保険労務士資格」で
 会社の法人税申告から雇用支援まで対応できるコンサルティングオフィス

など、資格の組み合わせを生かした展開もあるだろう。

・「子育てママ」+「デザイナーとしての経験」で
 着脱が容易かつオシャレなオリジナル子供服のネットショップ
・「ITエンジニアとしての経験」+「家族の介護経験」で
 IT技術を活用した介護支援事業

など、独自の経験を組み合せるといった展開もある。

うまくいけば、自分の持ち味を生かしつつ、
お客さんのニーズにヒットする「あわせ技一本」を狙うことができる。

もしあなたが、いくつか得意技を持っているなら、
それを組み合わせれば新たな付加価値が生まれ、お客さんにとって貴重な事業になるかも知れない。


「し」勝負の土俵を変える

突き抜けることは簡単ではない。組み合わせるにもなかなか手札がない。

そんなときは、最後の切り札「勝負の土俵を変える」だ。

同業種やライバルが物理的に少ないような、例えば郊外や地方、極端な話、海外でビジネスを興すことで、商品・サービスの独自性を手に入れるという考え方だ。

競合他社のいない(少ない)
・地方でリフレクソロジー店を開業
・海外で焼肉食べ放題店を開業

など、物理的な立地を変えるという展開もあれば、

・有人店舗が当たり前の生活雑貨店で、無人店舗を開業
・物理店舗販売が当たり前のオーダーメード靴業界でネットショップを開業

など、業界の常識をズラして勝負するといった展開もあるだろう。

「勝負の土俵」となる立地や環境を変えることで
オリジナリティを発揮しお客さんにアピールする。

なにしろ、競合他社がいない、もしくは少ない場所だから、
競合で溢れているような事業とは違って、お客さんにその存在を認知してもらいやすく、最初の「試し買い」も得やすくなる。


以上が、「つくしの法則」だ。

優れたビジネスには、選ばれる理由がある。差別化は、避けては通れない。

「つ」 突き抜ける。
「く」 組み合わせる。
「し」 勝負の土俵を変える。

どこなら自分の強みを生かせるか、ぜひ考えてみて欲しい。

世の中は生き物のように変わり続けるから、
一度決めた差別化で、一生生き抜くことは難しい。

起業したての時期も、追い風が突然向かい風になったとしても、
起業家として生き残れるように、差別化のヒントとして「つくしの法則」を役立ててもらえたら嬉しい。

■おわり


今回の投稿は、『起業で生き抜く「つくしの法則」』のリバイス版です。


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