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レシピコラム〜新ショウガの寒天

新ショウガの寒天


夏 十節気 夏至(げし)の献立より。

蒸し暑い日が続く中、レストランにきて最初に口にするもの、いや最初に口にしたいものは何か?と考え試行錯誤した結果、出来たもの。
それが今が旬の新しょうがを使ったアミューズです。

作り方はすごく簡単です。
しかし、この食感にたどりつくまで、何度も何度も試行を重ねました。
豆乳に寒天を溶かし、沸かして、火からはずして、ゼラチンを入れて新しょうがのすりおろしをいれ、塩で味を調えてショットグラスに注ぎ入れて冷蔵庫で冷やします。
難しくないのですが、寒天だけだと固く口どけも良くないです。
かといってゼラチンだけだと、ここボウデパールの料理は器をキンキンに冷やして提供することはしていないので固まりが弱くなってしまいます。

では、冷蔵庫から出したてを提供すればいいのでは?そう思った方もいると思います。でも、それはしません。なぜならば、器が水滴まみれになるからです。

ですからこの料理は常温なんです。結果その方が美味しいのです。
なので寒天とゼラチンを入れて驚きの食感にしました。
その上からは、甘夏とレモンで作った自家製ポン酢のソースをかけて、仕上げにシブレットをのせて完成です。

もう気づいた方もいると思います。
そうです!フレンチ版の冷やっこの完成です。

豆乳を使い、絹ごし豆腐のような味、食感、それにしょうがをきかせ、ポン酢をかけてねぎをちらす、まさにこの時期にふさわしいアミューズです。

フランス料理人が日本人のために考えた一皿です。
食事のスタートにどうぞ。

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