すずめの戸締まり 2022.11.27
2回目を観てきたのでようやく感想を書くことにしました!感想というか思ったことをつらつら書くだけですが、内容に触れるので観終わった人だけに読んでほしいな。
入場者特典の「新海誠本」は2回目はもらえなかったけど終わっちゃったのかな。
ざっくり感想まではあまりネタバレはないので参考までに。
◆ざっくり感想
さて新海誠の新作ということでとりあえず公開直後にワクワクで行ったのですが、実は1回目はそんなでもなかったんですよね。1回目のときはどうしても色々引っかかってしまう箇所があってあれこれ気になりすぎたせいで、正直話やテーマがスッと入ってこなかった。
ストーリーが分かりにくかったのかなあ。伏線とかを気にしてしまうので、あれ?と思うセリフや行動があると気が散ってしまって本来の主旨に気付けないまま終わってしまって不完全燃焼になる、みたいな。
ところが、観終わった後で解説サイトで疑問や引っ掛かりを回収したおかげか、2回目は余計なことを気にせず主題だけを追えたのでめちゃくちゃ良かった!!
違和感を拭えた分、1回目で泣かなかったところでガン泣きしたり、とにかく観やすかった。
2回目を見てからだと「君の名は。」に並ぶくらい好きになったかも。最近の2作だと「君の名は。」派なんだけど自分の中ではいい勝負になったなあ。
1回目は絶対にネタバレ無しで観たいからどうしても2回観る羽目にはなるけど、新海誠作品は自分にはこの見方が良さそう。
1回目で引っかかったところは基本的にYouTubeで解説動画を見ちゃってある程度解消できたので、そんなにストーリーで気になってる点はあまりないんだけど、演出的に不自然なセリフとか表現はどうしても気になっちゃうなあ。
笑いを狙いにいってる場面とか、笑えるのもあるんだけど合わないジョークはそこで一気に冷めちゃうのでいっそストーリーに集中してくれた方が見やすいと個人的には思っちゃう。老若男女を意識した映画だとどうしてもそこは入れざるを得ないのかねえ……。
音楽に関しては新海誠といえばRADWIMPSって感じになってきたけど、今回は歌詞付きの歌の主張が激しくなくて良かった。主題歌の「カナタハルカ」も「すずめ」は好きなんだけど、最後の最後のいいところで流してくれるのが素敵。
別に主張が強いのが悪いわけではないんだけど、ストーリーの雰囲気に合っていたという意味で違和感なく音楽を聴けたのが気持ち良かったなあ。
という感じで一応あまりないように触れずに全体の感想でした。
以下は具体的にどこが引っかかってたのか、どう納得したのか、好きシーンとか列挙していきます。
◆引っかかってたところ
すずめの一目惚れから草太を好きになるまでの過程が急すぎる
これは2回目を観ても納得しなかった部分。一目惚れするのは分かるけど、死ぬのが怖くないと思ってたすずめが怖いと思うようになるくらいの何かが草太にあっただろうか……とモヤモヤしてしまって納得できなかった……。ただ、2回目の視聴ではその点を無視することにしたら他の部分が一気にスッキリ観れた。無闇に恋愛要素を入れない方が個人的には好きなのかも。ダイジンは何がしたかったのか
1回目ではダイジンがただのよく分からない悪役みたいに見えていて、草太を椅子に(要石に)変えた理由とか、本当の正体とか、結局味方だったのかとか、自分の中で整理できなかったのが引っかかった要因。
ネットで調べてもいまいちピンとくる答えが得られなかったんだけど、2回目を観る前に「ダイジン可哀想。ダイジンは事実を話してるだけで何も悪いことしてないよね」って話を聞いて、「んんんまぁ確かに!!!」となった。ダイジンは味方という心持ちで見てたら全然違和感なく見れたのでその視点は偉大。ひぐらしやうみねこで学んだことを全くもって活かせなかったのが悔しい。
ただまあ要石の役目を草太に移したところはまだ少し謎だけど、うーん、世代交代ってことなのかなあ……。そこだけまだちょっと疑問。声優
やっぱここは大きな問題だと思うんだけど、草太の声、最終的には悪くはなかったんだけど、一番最初のセリフがちょっと棒だったのもあってその後も気になり続けてしまった。もう新海誠監督に限らず映画作品全部そうなんだけど、普通にプロの声優さんに頼みませんか……?違和感のある声でアニメを見たくない。何のために声優さんがいるのかと。
でも、たまきさんはめっちゃ上手かったよね深津絵里さん。全員そのくらいのレベルでお願いしたいな……。それで本当にいいの?ってレベルの声だと、現場が妥協してる感が伝わってきちゃって嫌なんだよなぁ。
こうしてみると実は大きく引っかかってたところはそんなに多くなかったんだなあ。1回目でこれらを上手く処理する能力があればいいんだけど、なかなか難しい。
内容と関係ないところで言うと、1回目の時に、常世ですずめが4歳の自分に語りかけるおそらく劇中で一番いいシーンであろうタイミングでまさかのリアル地震が発生した。これには劇場内のお客さんもざわつく。地震をテーマにした映画でマジの地震はさすがにビックリしたし、一瞬これは映画の演出?とも疑った。(そんなわけない)
そのせいで重要シーンに集中できなかったのが心残りだったんだよね。2回目はちゃんと観れたし、がっつり泣いてしまった。
過去の自分を救う話って好きなのかもしれない。
◆好きなシーン
最初の戸締まりをしてタイトル出るとこ
ここ好きにならない人おる???たまきさんの自転車シーン
ここは1回目でも泣いたし2回目もより泣いたので本当に好きなシーン。この映画、たまきさんにめっちゃ感情移入できちゃうんだよな。千果との夜の会話
千果ちゃんめっちゃいい子〜〜〜!ってなるので好き。ルミさんとの別れ
昔は自分も家出少女だったけど今は二児の母で親御さんの気持ちもすずめの気持ちも察して行動できるルミさんの優しさが感じられて好き。最後の「いってきます」と「おかえり」
2回目で言葉の意味が腹落ちしたのでめちゃくちゃ泣けた。エンディングでルミさんと千果に会いに行ってるとこ
いいよね。東京上空のミミズが出てる時の音楽
とんでもなく不穏で不気味で怖いけど好き。天才だと思う。草太が電車に乗るとこ
ドアが開く(閉まる?)ところで、おそらくこの映画中、唯一「君の名は。」と同じ構図で描かれていた気がする。「君の名は。」だ!!!って思ったから間違いない。
音楽も「君の名は。」の「糸森高校」がどこかで流れてたらしいけど気付けなかった。なんとなくこう、過去の作品の痕跡を残すの好きなんだよね。
そういえばすずめがお世話になった宿とバーがその日だけ忙しくなったのには何か理由があるんだろうか?ダイジンの力か何かかな。
3.11をテーマにした映画ということだけど、1回目は実際にあの黒塗り日記が出てくるまで処理が追いついてなくて置いてけぼりになっちゃったけど、2回目は背景を知った上でポイントを抑えながら観れたのが良かったなあ。
1回目で、あれ?と思った人はもしかしたら2回目で別の視点に気付けるかもなので、嫌いでなければ是非。
という感じでした。
個人的には「言の葉の庭」大好き人間なので、ファンタジー要素をなくした人間ドラマだけの新海誠もまた見てみたいなあと思ったりする。
ここまで大きくなっちゃったら好き勝手できないのかもしれないけど。
パンフもしっかり読むと作品を作るまでの経緯や監督の意図が分かって面白い。
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