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握手を求めるタイプ。

この世界には一定数「興奮すると握手を求める」タイプの人が存在する。

なにかしらの物事を達成したときに握手をしたくなるのはなんだかわかる。最近でいえばWBCの優勝直後に大谷くんと栗山監督が握手をしていた。

これは記憶にある人もいるだろうし、仮に記憶にない人も、その姿を想像するのは難しくないはずだ。

うぇい!


一蓮托生で挑むなんらかのプロジェクト。見事に目標を達成して喜び爆発。お互いを讃える意味での握手である。もう一度書くがこれはわかる。思わず握手しちゃうのは理解ができる。


しかし、個人的におもしろいと思うのは「え? 別にここで握手する必要はないのでは?」というシーンで握手を求めてくる人が存在するということである。


なんらかの理由で興奮し、
思わず握手を求めちゃうパターンのやつだ。

5年前にこんなことがあった。


2019年の初夏、私は結婚した。それまで生命保険には加入していなかったのだけど、一家の大黒柱となったとき、自分に不測の自体が起きた場合の妻の生活を案じた。おもしろいもので、そういうタイミングで巡りあう人がいる。

私は2020年に生命保険の営業マンになったのだが、2019年当時は生命保険に興味も関心もなかった。だからこの話は私が生命保険の営業マンだったときより前の話である。


たまたまた巡りあった生命保険の営業マンは男性だった。私よりも年齢は少し上で、外資系保険会社で勤務してます(キリッ)みたいな出立ち。お話を聞いてみようということで話を聞くことになった。そしてとてもわかりやすかった。

「イトーさん、奥さんをお守りするための保険が必要ですね」

「ええ、そのようですな(スチャッ)」

なんて会話を札幌駅となりのJRタワー日航ホテルのティーラウンジでする。その方は続けてこう質問してきた。


「イトーさん、保険設計には生年月日が必要です。何年生まれですか?」

「1990年です」

「はい、では何月生まれですか?」

「10月生まれです」

「10月ですか! 私も10月生まれなんですよ!」

「おぉ、そうですかそうですか、ちなみに私は10月23日の生まれですよ」


こう伝えると、
彼は目を\クワッ!/とかっぴらいて言うのである。


「わ、わ、私もです! 10月23日!!!!!」

「お、そうなんですね、ぐう〜ぜ〜ん」

「イトーさん......いいですか」

「?」

彼は身を乗り出し、次の瞬間、握手を求めてきた。


興奮すると握手を求めるタイプの人なんだなぁと思ったものである。しっかりと握手をかわし、というかなぜ握手をするんだろう、とは思ったのだけど、それはもうガッチリと固い握手をかわした。そうして後日、保険契約を結んだものである。ガッチリと。



ここで疑問に思うのは、人はなぜ握手をするのだろうか、ということで。別にWBCの大谷くんでも、誕生日が同じだったときの私でも、極論をいえば握手などする必要はないはずである。

でも人は握手をする。

なぜだろうか。

う〜ん。


魂の交換......?


おそらく、仲が良くなると人は人を触りたくなるんだろうなぁ。


<あとがき>
私が過去に東京海上に入社することが決まったときも、採用面接をおこなってくれた北海道支社長は握手を求めてきました。「あ、ここで握手するんだ」と思って握手をしたものです。きっと文化人類学あたりでこの「握手」の効能は研究済みだとは思うのですが、なぜ人は握手をするのかについてちょっと調べてみようかなと思います(どうせ調べない)。今日も最後までありがとうございました。

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