障がいをもつ子どもの障がいの原因,それが治らないのはご本人や家族のせいであるという短絡的な情報発信は危険

最近は,沢山のSNSメディアが登場し,記事以外にも映像メディア,音声メディアを通じて,個人が直接,世界へ情報発信できる時代になっています.

私自身も,昨年は学校での授業が突然のネット配信(zoomやMicrosoft Teamsなど)による講義に切り替わったことで,沢山のメディア媒体に巡り合いました.

このネット環境の中では,これまで移動まで考えた時に参加が難しかった学会や研修会にも,時間的,金銭的な制約が解消することで,受講が簡単になったと思います.

光が進むスピードは,1秒間に地球を7周半回る距離と同程度ですから,この原理を利用したネット社会は,ある意味『どこでもドア』を実現したと思います( ゚Д゚)!

ただ,このことによる欠点は,それは正確な情報なのか?その根拠は?と思えるような発信もあることに,ただただ不安を覚える場面に遭遇する機会が増えたのも事実です.

具体例は避けますが,病気や障がいがおこる過程や,その原因は様々であり,また二つの環境,内的環境(個人が持つ体内環境)と外的環境(個人が暮らす外的環境)が後の発達に影響を及ぼします.

はっきり言いますが,障がいをもつ子どもが生まれてくるというのは本人のせいでも,家族のせいでもありません.

そして,先天性や後天性に関わらず,その障害が治らないのもまた,本人のせいでも,家族のせいでもありません.
*虐待がある場合は別の話です.

以前の記事(リハビリテーションって何?)で記載しましたが,食事療法や運動療法,各種発達に対する支援では,時間的経過の中で,改善できる部分と改善できない部分があります.

どんな原因であろうとも,どんな時期であろうとも,これをやればオールマイティに障害が治りますよ!という発言は危険です.

医療職の私が発言すると,医療ですべて治せるのか!と思われる方が多いと思いますが,私が言いたいのは,そういうことではありません.

「私の知っている人はこれで治りました!」は,確かにそうかもしれません.

でもね,それって,たまたまその人には良かったこともあるのです.原因や経過が全く違う機序で起こっている障がいに対して,まったく関係のない方法でアプローチしても治らないですよね.

私の住む地域の環境条件ではよくなっても,それが遠く他の地域の方がよくなるという保証はどこにもないですよね.

だから,ご自分の周りの人が何人もそれで良かったかもしれませんが,だからと言ってすべての人に良いのかは分からないのですね.

子どもの発達には「敏感期」と「臨界期」がありますし,成人でも同じように,「急性期」と「回復期」があります.

障がいの改善には決定的に大事な時期があり,そのような時期を考えながら,時間の経過とともに,支援内容を変える必要があると思っています.

そして,もう一つ,障がいがある,ないというのは,文化の問題なんですね.

文化は,多数決で出来上がることが多いように思います...
これはあくまでも私が思う見解です.

私は日本語以外話せません.

ですので,私が日本を出たら,私はその地域の言葉を話せないので,その地域の言語で知能検査や,発達検査を受けたら,

・言語障がい
・知的障がい

の診断を受けます.

そのことにより買い物などできない場合は,

・日常生活能力低下

も追加されることになるでしょう.

日本に残存する発達に関連する検査媒体は,原則,言葉が話せる,運動ができるという条件が揃わないと,真のその方の知能指数は測れないのです.

重症心身障がい者施設に入所されている方の中で,明らかに知能指数が高い方はいらっしゃいますが,検査に対して応答する手段がないため,測定不能で療育手帳取得ということになっています.

その方への支援については,言語聴覚士の方と一緒に,以前重症心身障害児療育学会で報告させていただきました.

ちょっと話はそれましたが,
確かに多数決で考えると,障がいをもっている方々は少数派に入るかもしれません.

障がいをもたれている方の 障がい を悪いものとして考えている方も,文化の違う環境に身をおいた場合には,今度はご自分が障がい者としての道を歩むこともあるのだということを是非考えて,言動,行動を行っていただけるといいなと思います.

届け―( ゚Д゚)私の思い(^_-)-☆

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