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量子機械学習

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近年期待が高まる量子機械学習関連の記事を書き集める予定です。
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記事一覧

量子アニーリング:D-Waveの挑戦

1999年に創業したD-Wave Systems(以下、D-Wave)は、2011年には世界で初めて量子アニーリングの商業化に成功しました。そして、2022年の8月にはニューヨーク証券取引所(NYSE)にて上場(証券コードQBTS)を果たしています。 しかし、D-Waveの株価は上場して以来、下落の傾向が続いています。 量子アニーリングの将来は絶望的なのでしょうか? この記事では、量子アニーリングの商業化を果たした代表的な会社である D-Wave に焦点を当て、量子アニ

2023年日本の量子コンピュータ関連ニュース

2023年もあと一か月とちょっとになりました。今年は、日本の量子コンピュータの開発に関する発表が相次ぎ出されました。情報の洪水に飲み込まれがちですが、大まかな流れを掴んでおくと今後のニュースを追いやすくなると考え、この記事では、時系列に沿って日本における量子コンピュータ関連のニュースをまとめてみました。 2023年3月24日: 理化学研究所(理研)、産業技術総合研究所、情報通信研究機構、大阪大学、富士通、NTTの共同研究グループが、国産超伝導量子コンピュータ初号機をクラウド

内閣府の量子技術戦略2023と日本企業の動き

本記事では、内閣府の量子技術戦略2023と日本企業の動きについて内閣府のムーンショットや量子技術イノベーション会議の議事録などの情報から量子コンピューティングにおける今年の大まかな流れを考察します。また、量子国際学会「QCE23」に出席した日本企業に関する情報を紹介します。

量子機械学習の期待が高まる理由

ガートナージャパン株式会社 (以下Gartner) が、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年」を発表しています。 これによるとWeb3、メタバース、エッジAI、量子コンピューティングなどは全て幻滅期にあるそうです。そして、生成AIは「過度な期待」のピーク期に位置付けられています。 個人的には、それでも生成AIは実用性は高いので「過度な期待」から安定してさまざまなサービスやプロダクトに組み込まれていくと考えています。 一つ興味深いと感