「そんなの無理ですよぉ」

その無謀な計画を聞いて思わず本音が出る。

猫を集めて、うちの事務所からアイドルグループ「ネコクインテット」として売り出すというのだ。

不運にも、僕はその猫たちのスカウト担当になってしまった。

メンバーの条件は、何かしらの楽器が弾けること。

あてもないが、とりあえず猫が集まりそうな場所を目指す。

何日も歩いてようやくたどり着いた公園には、一匹の不思議な猫がいた。
二足歩行をする黄色い猫。

「わ、タヌキみたい」という心の声をグッと我慢して、近づいてみる。

その三角形の耳は、空腹の僕にはチーズに見えてきた。

「そういえば、ここ何日もなにも食べてないな・・・」

理性ではいけないと分かりつつ、どうしても衝動が抑えられない。

もう我慢の限界だ！

ガブリ！

斯かくして、国民的ネコ型ロボットの誕生となった。

目的のネコクインテットは結成できなかったが、僕たちの事務所チューvexでは、一番の人気キャラとなったことは言うまでもない。

今週も、たらはかに様企画の『毎週ショートショートnote』に参加させていただきました！

今回のお題は、私にとってはなんだか難しく、
「これだ！」というアイデアが、なかなか浮かびませんでした。

設定がしっかりしていないと、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしてしまいますね。

しかもネコクインテット結成されてないし（笑）

でもその分、皆さんの作品をいつも以上に楽しめそうです！