満腹時と空腹時、どちらが騙されやすいでしょう?

 答えは分からない、もしくは騙し方に寄ると言えるだろう。
 満腹時の方が騙されやすいとされるが満腹・空腹の程度にもよる。一般的に空腹というと文字通り胃の中に新たに消化する必要のあるものがない状態のことだ。その空腹の中でもただ空腹な「単空腹」な状態と栄養が身体に足りていない「失調空腹」と異なる空腹の状態があり、失調空腹の場合は満腹時より騙されやすいと考えている。あくまで推測だけれども多分そう、騙されやすい。
 さて、単空腹が満腹時より脳が活発に動くと書いたが様々な条件によって満腹と単空腹の脳の活性率は変わるだろう。例えば腹の減りを感じて集中力が途切れやすい人物ならば単空腹でさえ思考の邪魔をする。失調空腹に近づけば近づく程にグラデーションのように思考の単純化は進んでいき生存に不必要な思考をできなくなっていくだろうと考えられる。空腹になれば副交感神経の動きが活発になりリラックス状態になるはずだが、どうやら空腹による低血糖で脳機能が低下し苛立ちやすくなるとも報告されている。失調空腹のレベルになればそれはもう著しい脳機能の低下が起こることが考えられ嘘に対応するための思考力は持ち合わせていない状態になるだろう。
 さて、空腹の対になる満腹状態時であるがこれも実は二種に分けた方が良いかもしれない。満腹になるまで食べた直後、満腹になってから数時間後、そもそも腹八分目で終わらせた後、
一番前を「直後満腹」真ん中を「経過満腹」一番最後を「腹八分目」と呼ぶとしよう、これらはかなり状態が異なる。直後満腹の状態は身体がかなり消化に力をいれるために思考力はかなり持っていかれることになる。力を入れるというのは胃の消化液を強力にしようとするということでそこにエネルギーを割くために脳へのエネルギー分配が少なくなるだろうということだ。また、必要以上の量が胃に入っている場合は逆流しそうになる可能性があり、それに耐えるための行動をするために思考を割く場合もある。
 経過満腹は消化が落ち着き始めた頃で思考力の回復としばらくは食料を必要としないためエネルギー消費を抑える必要がない一方で消化にエネルギーを使った後であるから消化疲れを起こしている状態となり、腹八分目の状態とは消化疲れによる回復にエネルギーを割くか否かで思考力に差が出るだろう。一番思考力が高い状態にあるのが腹八分目である。
 と、このように説明に説明を重ねてエネルギーと満腹・空腹状態の身体の動きに関して論じてきたわけだがまとめると
 腹八分目>経過満腹>単空腹>直後満腹>失調空腹
 といった順の思考力になるだろう。
 結論としてはどちらかというと空腹状態の方が騙されやすさは上がりそうだ。

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