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レゴ®︎シリアスプレイ®︎で「まなざし」の切り替えをトレーニングする

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎をしていて、私が感じる一番面白い瞬間は、自分の作った作品とその意味が大きく切り替わる感覚になるときである。

 作品の意味は、自分でつけるのだが、それは自分自身の「まなざし」に支配されている部分がある。いわゆるわたしたちは客観的に「見えている」というものの裏にはしばしば「こう見る」という前提が隠れていて(時には社会から刷り込まれていて)、それに気づかず結論をだしてしまうのだ。

 例えば「死」は「怖い」ものなのだろうか。怖いとしたら、それはそのような「死生観」で「死」を見ているからである。人や文化によっては「死」は新たな世界への旅立ちであり、より良い世界への扉をあける「楽しみ」なことなのである。

※「まなざし」という表現(それまで私は「めがね」を使っていたが、「まなざし」のほうが洗練されている!)は、以下の本を読んでより意識するようになった。つい最近、同著者の新刊が出たので読むのが楽しみだ。

 「まなざし」の切り替えは、そうは簡単ではない。ただ、自分の「まなざし」を意識することをしていけば、少しずつ気づく可能性が高まる。上記の本にもそのヒントや著者が行なっているワークが紹介されているが、私はレゴ®︎シリアスプレイ®︎を使って生まれるブロック作品でもできると考えている。

 現実世界の多くは存在感が強力すぎるため、なかなか自分の見方(まなざし)の意識ができないが、ブロック作品の場合、表現のポイントがデフォルメされていることもあって、より意識しやすく、トレーニングには向いていると感じている。

例えば、以下の写真。これを「頼りになる同僚」として観る(意味付ける)。

いろいろな方面を見てまわり尖った部分で、仕事をするときの環境を整える、といった具合にイメージができる。

リーダー

 もう一度、上の写真を見直してみる。今度は「迷惑な同僚」として観なおす。

 視点が一つに定まらず、落ち着かない。他の人が育ててきた仕事を自分の周りのものとして刈り取ったり都合の悪いものは潰して回っているという具合にイメージができる。

 どうだろう。同じ作品だが、自分の「まなざし」を変えることによって感じ方が変わることが少しでも体験できただろうか。

 より強くトレーニングするなら自分自身で強く「これは頼りになる!」と感じる同僚を作り、その後、「こいつは本当に迷惑なやつだ!」というものとして再解釈してみるのがよいだろう。

 そのとき、一人でやってもうまくいかない(「まなざし」が固着されすぎていて切り替えられない)のであれば、複数で集まり、お互いに作品を交換したりしてチャレンジするなどの方法がある。

 ただ、レゴ®︎シリアスプレイ®︎が未経験な人たちだけだと、ファシリテーターがいないと上手く体験の場は作れないので、そのときは探すことをお勧めします!


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