ちいさな恋のほにゃらら(3)
紙飛行機が飛んできた。
それはかわいらしい便箋で折られたものだった。
どっかでみたことあるなあ、この紙……私のだ!
え!なんで!
ランドセルを見る。ふたが開いている。
「うわあああああああ!」
私はその紙飛行機を急いで回収すると丸めてランドセルに入れ、走って帰った。
振り返りざまに、笑っている同級生たちが見えた。
おそらくだが、私はいじめられていたのだろう。小学校のときである。
原因はよくわからない。
たぶん、太っていたとか、勉強ができたとか、そのようなことではないかと思う。
もしかしたら鼻につくような態度があったのかもしれないが、今にしてみればそんなことは些細なことだし、当時私をからかっていた面々は、私が最近なにか目立つことをするたびに連絡をくれたりする。
大人になってしまえばそんなものなのだけど。
その紙飛行機の話は、小学校5年生のときだ。
『マイバースデー』を読んで、好きな男の子と隣の席になるおまじないを試すような、いたって普通の11歳だった。太っていたのをのぞけば。
案の定というかなんというか、そのときにも好きな男の子は存在した。
サッカーの上手な、体育全般得意な男の子だった。
小学生男子というのは、圧倒的に“体育ができるやつがクラスを制する”傾向にある。
『おまじない』の一環で、その男の子に渡すつもりのない手紙を書いていたのだが、同級生のやんちゃな女子に、なぜかそれを持っていかれて本人の手に渡り、その男子が紙飛行機にして私のほうに飛ばし返してきた。
冒頭はそのようなシチュエーションだったのだ。
「うわー、明日学校行きたくないなあ……」
そのあと1週間くらい学校を休んだ記憶がある。
そもそも、給食が苦手で、よく保健室登校になっていたため、親のほうもある程度耐性があったためだろう。
誰から何もいわれないまま、なんとなく学校に行かなくなった。
数日休むともうずっと行きたくなるのは、学校でも会社でもなんでもそうなのだが、私の不登校癖は結構最近まであったのだ。
いつくらいから大丈夫になったのだろう……。
子どもを産んで、他人の感情に振り回されない、ある種のふてぶてしさが身についてからだろうか。
子どもたちが集団生活を経験する中で、そのうち、友達との摩擦は起こるだろう。そんなときにどう見守ったらいいのかな、そんなことを最近考えている。
先日、Facebookの『友達かも?』に、くだんの男子が出てくることがあった。なんだか、ものすごくチャラい、どうにも苦手なタイプに変貌を遂げていた。
もう来年40だぞ、落ち着け。
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