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ただ問われるだけで解決策は浮かんでくる

昨日、ある会社のワークショップで「質問会議」を行った。

「質問会議」とは、問題発見・問題解決の技法の一つで、一人の当事者が出す問題を、複数のメンバーからの質問を通じて解決策を出すというもの。

細かい進行のルールはあるのだが、一番大切なルールは当事者に対して、周りのメンバーは「質問」しか行わないということだ。

当事者が悩んでいる問題について、自分なりの解決策が浮かんだり、励ましたくなったとしてもひたすら「質問」だけする。

問題を聞く質問には2つの種類がある。

ひとつが、当事者が知っている質問である。つまり、簡単に答えられる質問である。周囲のメンバーが問題を詳しく把握するために行う質問だ。

もう一つは当事者に考えて答えてもらう質問だ。「過去に同じ問題はあったのか?」「未来に続くとその問題はどうなるのか?」「具体的に言うと?」「他に連鎖する問題はあるのか?」などなど。


面白いのが、質問を10分ぐらいするだけで、当事者も周囲のメンバーも、最初に出した問題が真の問題ではないことに徐々に気付いてくる。

「あれ?最初は職場の人間関係が問題だと思ってたけど、実は、●●が問題なんじゃないか」と。

そして、「真の問題はこれじゃないか?」と周囲のメンバーは当事者に提示する。当事者はそれを参考にしながらも、自身で考えた問題を再定義する。

当事者が再定義した問題に対して、周囲のメンバーも「たしかにそうだね」と同意して、ようやく解決アイデアを出し合うのだ。

30分もあれば、一人の問題が最初とは全く違う姿になっていて、自分なりに納得のいく解決アイデアを複数持ち帰ることが出来る。そんな時間だ。

質問会議を改めてやったことの気づきは

人は問題を正しく認知できていない(ことが多い)

真の問題は、問われて自問自答していく中で発見していく

真の問題が見つかると、解決策は複数出る

真の問題に納得していると、人は解決策をすんなり受け入れられる


問題解決の9割は、問題発見に費やせ、なんて言葉もある。

人は問題の解決策が見つからないのでなく、納得する真の問題を見つけられないのである。(納得しないと問題を解決したいという気持ちが湧いてこない)

真の問題は、「ただ問われる」という行為で見えてくるのである。

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