「新人発掘コンテスト」の魅力が半減したわけ。もう絶対的スターはいらない。
新人発掘コンテストのグランプリはどんな種類であれ気が遠くなるような倍率をくぐり抜けた人に贈られるものです。
でも僕の友人は「結局、一人はグランプリを取れるんだから、大したことはない」と言い切った。
それは実は芯をえている。
今の時代、大きなコンテストで優勝しなくとも世に出る可能性は高くなった。自分の努力でどうにかできるようになったのだ。
そんな中で、新人発掘コンテストの魅力は半減した。
そして世間はスターをあまり必要としなくなった。
どういうことか?
コンテストの目的は何か
コンテストをやる目的は今も昔も何一つ変わっていません。
一人のスターを生む
これだけです。
例えば美少女コンテストは大量の時間とお金と人員を割いて新しい才能を発掘します。
このようなコンテストを作ったほうが才能が集まりやすいというのもありますが、「グランプリ受賞!」という売り文句で売ったほうが、何もない人よりも圧倒的に売れます。
グランプリ受賞!はキャラになります。圧倒的な個性と実績なのです。
つまり、コンテストを作り、優勝者を作ることでその人間に箔を持たせるのです。
そして、箔を持った人間はそのまま勢いに乗れればスターになれます。
もちろん、コンテストの優勝者が鳴かず飛ばずになるケースも多くありますが、それは主催者側も織り込み済みです。
何年かに一回にめちゃくちゃ売れるスターが出れば採算は合います。
言い換えれば多くの屍の上に一人のスターを立たせるのがコンテストの仕組みです。
よって、All or Notihng
優勝することができなければ今までの努力は水の泡です。
コンテストを通らないでもスターになれる
さて、そんな中かつてほどコンテストの魅力は薄まってしまいました。
昔は、テレビや雑誌などの限られた媒体でしか人はスターになることができませんでした。
しかしウェブの登場によってコンテストを利用せずとも実力次第でスターになることができます。
その道のりは依然厳しいですが、かつてほど運に左右される要素は減りました。まだ希望がある世の中になったのです。
その状況も相まって、かつてに比べると全てのコンテストにおいてその魅力は半減されてしまいました。
何千人に一人しか通らないコンテストに自分の時間とお金を費やすのは労力が見合わないのです。
そしてもう一つ問題があります。
グランプリを受賞しても売れる可能性が下がってしまったからです。
枠組みの中のスターに飽きだした
この世の中にある多くのコンテストは既に飽和状態にあります。
新人賞ばかりがたくさん存在しています。
しかし、その新人賞を取った人が売れるかといえば先述した通り売れてません。かつてに比べれば売れる確率も少なくなってしまいました。
いくつかの要因はありますが、この人為的にスターを作り出すシステムに人は飽きてしまったのかもしれません。
たくさんの人を集め、その中から一人だけを選別しどんどん露出させていくというスタイルに世間は共感を覚えなくなってしまいました。
それよりも例えばライブ配信で自分の何気ない日常を話している女の子、ウェブ小説に小説を書いている男性、そんな人たちに価値を感じるようになっています。
自分と身近にいるような人に共感を覚える快感を知りました。実はその方が遥かに健全なのです。
作られたスターはいらない
スターを生み出すことができれば、その人に乗っかるだけで成果が出てくるので楽です。
しかし今は人為的に作られたスターが成功できる時代ではありません。
時代はいつも新しい才能や人間を求めています。しかし、今後は「コンテスト」ではなくもっと身近な所から出てきた人が求められる時代になります。
自分の魅力を磨き、努力し続ければコンテスト優勝者を打ち負かすことができるのです。
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