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ジャルジャルから学ぶ「量は質に転化する」論

 僕はかつて新宿にあるルミネthe吉本の雑用係をしていた。特殊な仕事ばかりでルミネに行く日はいつも大変だった。1日があっという間に終わってしまう。中でも僕の任務の一つに芸人さんがネタで使う衣装を楽屋に用意するというものがあった。前日までに芸人さんがどのネタをやるか劇場に連絡があり、それに合わせて衣装部屋から衣装を持ってこないといけない。ネタ終了後は楽屋に散らかっている衣装を整理してハンガーにかけ、部屋に戻す。これが重要な仕事の一つ。

どの芸人さんも大体衣装は脱ぎっぱなしで楽屋に散らかっている。しかしジャルジャルさんだけは違った。ちゃんと自分でハンガーに衣装をかけて棚に戻してくれる。僕がいた時は一礼して渡してくれたこともあった。だから、ジャルジャルさんがm-1かキングオブコントなんでもいいから優勝すればいいのになと思った。その年、ジャルジャルさんはmー1ラストイヤーで優勝できなかった。それで今年ようやくキングオブコントで優勝できた。とても嬉しかった。

ジャルジャルさんは今も年間ネタを300本作っている。8000本近くのストックがあり、youtubeの方でも毎日のようにネタが上がっている。芸人の中でもこの量のネタを作り続けている人はそうそういない。圧倒的な量の中から質が生まれてくることをまざまざまと見せつけられた気がする。質か量か、なんて結論は出ている。ある地点にいくには絶対的に量をこなすしかないのだ。

しかしジャルジャルさんでもキングオブコントを制覇するのに13年かかった。13年かかったからここまでストイックにネタを作ることができたのかもしれない。人は決勝点がないと動き出すことができない。TOIECの参考書の一番最初のページに書かれていることは「まず、試験に申し込みましょう」ということ。じゃないと勉強を開始することができない。

僕たちは「いつ何をするのか」を決めればそこに向かっていくことができる。想いが強ければ量をこなすことができる。最初はダメでも続けていけばものになる。ジャルジャルさんは重要なことを教えてくれた気がする。

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