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いきものと生きる、ひと。

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生物・生態系・資源と繫がる、これからの人の暮らし・ビジネスの在り方を考えています。いきものCo.代表としての備忘録もかねて。
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記事一覧

自然科学と、無神論と。サステナブルなモノゴトの捉え方。

僕は積極的無神論者、だそうです。「背景は様々あれど、神も法も、人間が社会秩序の為に一生懸命考えて生み出した概念や規範でしょ」と言い切ってしまう時点で、そのようなのです。 天国、輪廻転生、運命…全部そう。それら人が作った概念がいつの間にか、人間を超越した存在として支配的になったり、人間自体を生み出したかのように逆転した形で語られ始めると、ゾッとする(拒絶反応がある)側です。 確かに、自然現象などは人の理解や対応力を大きく超えているため、それを擬人化するなりして畏怖・警戒するこ

"らしい"サステナブルから、"できる"サステナブルへ。

サステナブル(持続的)な社会を作ろう…が最重要命題となっている2021年の定点観測に変えて。 皆さんにとって、メディアを通じた知識ではなく、実体験として「何かがサステナブルじゃなくなって、自分が困った」とか「何かがサステナブルではなくなった原因を、自分で確認できている」ことって、ありますでしょうか? どうやら人間が排出するCO2が気候変動の原因らしい、どうやら農薬が原因で生物種が急速に減っているらしい… これらは原因も結果も自分の目で見ているわけではなく、ほぼ全てメディ

生物多様性は、地域を選ぶ「新しい時代の選挙」になる。

今日はある委員会だったのだけど。 生物多様性は、やはり都市部より、海や山や川、野辺や湿地、あるいは田畑など、直接かつ大きなインパクトがあるところから考えるべきでさ。つまり、生産者や農山漁村に暮らす人が"最前線"の守り人、なんだよね。 「社会全体で生物多様性に取り組もう」っていうのは、ほぼ「生物多様性に取り組む生産者や地域の担い手に対して、社会全体がどうコミット(約束)するか」という問いに集約される。 生態系サービスや生物(遺伝的)多様性がなければ僕らの持続的な生活はなく、

次の10年に向けて「プラネタリー・グッド」を提唱する理由。

プラネタリー・グッド(Planetary Good) #プラネタリーグッド #PlanetaryGood って、聞き慣れない言葉だと思います。 そりゃそうです、私達が最近になって造語したもので、今のところgoogle大先生で検索かけても、弊社サイトと私のコメントくらいしかヒットしない、産まれたてのマイナーな言葉ですから。 私達はこの『プラネタリー・グッド』を、これまでの10年の中心的な価値観であった"ソーシャル・グッド"に次ぐ、これからの10年(2021〜2030

「生命・資源に向き合う」という僕の決意と、人間社会の進化について。

ども、キクチです。 夜中に投稿するのは、飲んだあとだからでもなく、もちろんこんな時間まで仕事していたわけでもありません。風呂入るとちょい頭が冴えるので、寝るまでのデトックス代わりに吐き出しております、あしからず。 昨日から、スタートアップ業界を中心にこの↓↓↓素晴らしいnoteがシェアされまくっていて、「これからの10年」について改めて考えるキッカケをもらいました。 お金(投資)の流れを見ることでマクロトレンドを客観視する姿勢も、投資の世界にいた身としてはすごく共感できま

加速する人間社会と、生命資源と、新しい「スマート○○」について。

中途半端なスマート農業や、スマート漁業、スマート○○からは決別した方が良い、と思うようになって暫く経つ。人手不足を補うとか、人がラクするための作業効率化や省力化に注目/注力しているようでは、近視眼的に過ぎるからだ。(それすらも実現は遠い、お粗末なものばかりだが、そのことはここでは触れずに行きますw) 農業や漁業は、まだ解明されていない(そして、完全には解明されることはないであろう)超複雑系の自然環境メカニズムの上に在りながら、部分最適を追求し、自然を越えた速度での効率生産/

新しい取り組みに、デザインが必要な理由。

新しい(今までにはない)仕事、新しい(今までにはない)サービスを作る時には、連想力を超えた想像力が大切だと思うのだ。 ナナメ上でも、かけ合わせでも、なんでも良い。今あるものを連想するだけではなく、先入観や価値観に縛られずに考えられるって、ステキだ。 でもそれは大抵、世の中の多くの人には「何を言ってるのか分からない、こ難しい」「ウケない」「非現実的だ」と、言われるようなことなんだ。 まぁ、そのうち世の中が追いついてくるのだろうから、別にウケなくて良いや、と達観したり、ヒネ

AIの先にある「EI」とは?

以前、 「未知×探求」の10年が来る。|キクチ・シン @Shin_Kikuchi|note(ノート)https://note.mu/kikuchishin/n/n26d1bc25827c という投稿をしたら、キクチの造語で言うところの「EI」ってなんですか?と何人かに聞かれたので、追記します。 EIとは。僕が言うEIとは、 Ecological Intelligence(生態学的知性)、 Experimental Intelligence(実験的知性)、 の略です。

市民研究者や社会実験家が作る「未知×探求」の10年へ。

これからの10年は、「解き明かされていないが、確かに存在するモノゴトに人が惹かれ、向き合う」時代になる。 数式に裏打ちされた合理性から、生態系や霊的なものへ。今は非科学的で証明が難しい「不可視で、複雑なものへの問い」に人が向き合い始めてる。解を出すことに長けたAIではなく、きっとCIやEI(僕の勝手な造語です。こちらをご参考に。)が研究対象になる。 ものづくり全盛期時代に象徴される「機能の獲得」の時代から、この10年は大きく移り変わった。それは、ストーリー・テリングによる