「スルメ曲」という言葉

「スルメ曲」という言葉があります。

最初はそこまでではないが、何回か聴いているうちにその良さが滲み出てくる曲のことらしいです。

これがあてはまる楽曲は個人的にもたくさんあります。
しかし私は「スルメ曲」という言葉は嫌いです。

曲の魅力に気づくまで何回も聴かなければならなかった。変わったのは曲ではなく自分ですよね。
自分を変えてくれた楽曲。素晴らしい体験です。
ならばなぜ素直に「やっぱり名曲だって気づいたわ!」と言わないのでしょう。

そもそも「何回か聴いているうちに」が引っかかりますし。嫌いな曲を何回も聴きますか。
何回か聴くうちに新たな発見があったり新たな思考に耽ったりするのは当然です。
そういう意味では複数回聴くほど好きなものは程度の差はあれど全てスルメ曲なのでは?

スルメ曲だといえば賛同してくれる人には「分かってるね、話が合いそう」、貶す人には「この曲の良さに気づかないなんてまだまだだね」と言い返すことができます。便利な言葉ですよね。
「これってスルメ曲だよね」で盛り上がる人は「やっぱりいい曲だよね!」と言えない人です。
好みや評価なんて違って当然なのに何故このように保険をかけるのでしょう。趣味なのに。
人と違うことがこんなにまで嫌なんですね日本人は。

最後に。自分の作品を名曲ではなくスルメ曲と言われるアーティストの身にもなってください。

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