見出し画像

名前【エッセイ】九〇〇字

日本は名前のバリエーションが豊富な国として有名だ。私の名前など平凡だがなかなかステキな名前をつけてもらっている方がたくさんいる。

これは偏見だが。「悟」って名のやつは大体バカだ(読んでくださってるサトルさん、すみません)。

今朝、インスタのテレビのバラエティのショート動画を眺めていたら、日本に住む外国人の日本と自国の違いを面白おかしくテンポよくインタビューで回しているものを見てなかなか興味深かった。中東の国(どこだったか失念した)と日本のハーフの青年ふたりの話がおもしろかった。

イスラム圏の国ではイスラム教の教祖であり最後の預言者ムハンマドとその正統後継者(カリフ)のアリーの名が男性ならほとんどを占めるそうだ。そういえば、イスラム圏のインドネシアから来た勤め先の技能実習生はほとんどムハンマドが名のどこかに入っている。アリさんもいた。

そのショート動画の中で彼らのひとりがアリが友達に6人いるから、自分が友達の間でなんと呼ばれているかというのを披露していた。日本人とのハーフだから「ジャポネアリ」と呼ばれているとのことだった。思わず笑ってしまった。なにか新種の昆虫みたいだ。

ちなみに、キリスト教の教祖イエスとはヘブル語ではヨシュアと発音する(イエスは新約聖書が記述されたギリシャ語の発音だ。ヨシュアはヘブル語)。ヨシュアはユダヤ人の祖先たちがエジプトで奴隷だった時に、エジプトから脱出するのを指導したモーセの従者でのちにカナン(パレスチナ)占領時のリーダーである。日本で言うなら「家康」くらいの名前だ。ユダヤ人たちはこぞってそんな英雄の名を子につけたようだ。イエスというのは主が生まれた時、ごくありふれた名前だったようだ。

諸外国はそうやって日本人ならなかなか恐れ多くてつけるのを憚るような歴史上のヒーローの名を付けたがる傾向にあるようだ。日本で「信長」とか「秀吉」とか「家康」とか名付けようものなら、間違いなく小学校の高学年で習う歴史の授業でそれらの人物のことが教科書に出て来た時に揶揄われるだろう。

諸外国ではそんなことが起きないのだろうな。そういうところに日本人の内面の陰湿さを強く感じる。ウンザリだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?