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日本沈没ー希望のひとー 鑑賞記録。

このご時世に配慮した中での仕上がりに拍手を送りたい。

まず今のこの世界の雰囲気があり、悲劇よりもハッピーエンドが望まれる今、悲しみを最小限に抑えた作品だったと思う。
タイトルからしてどうしても避けてしまった人もいるだろう。
もう10年か、まだ10年かはその人によって違う。
だから沈んでいくシーンは、津波のようなシーンは描かれていなかったように感じたし、生々しいものではなかった。
亡くなる人も最小限に…タイトル通り希望を持たせてくれる人が誕生した最期だった。

本当に良く働く天海啓示。

官僚とはこんなに働いているのだろうか?
国会議員なんか必要ないのではないかという程フットワークも軽く、どこの国にでも飛んでいくし必ず結果を残している。
後々、天海と常盤は総理の右腕になっていたし、最初は敵対していた副総理にも頼りにされるようになっていった。
これに近い、これ以上の働きなら官僚の方をかなり尊敬する。

啓示の父、衛の存在?

だいたい毎話、すこーしだけ回想シーンで出てくる啓示の父。
多くの説明はなく、なんとなく亡くなっているのだろう…とか
「役人に任せておけん」といったような発言をしていたので
行政に任せていては遅くなってしまうから何か手を打とうとして亡くなってしまった…そんな想像しか出来ないほどの情報量。
なんとなくもったいないような?
きっと啓示が役人になったのは父の影響なので、そこは丁寧に一話くらい使っても良かったかもなぁと勝手に不完全燃焼。

存在感を示す主役を支える脇役たち。

豪華なキャストは最初から話題ではあったが、ネームバリューだけではなく、実際にいい仕事を皆さんされていたと感じた。
特にウエンツさんはバラエティのイメージしかなく、役者としてはあまり何も期待していなかったが、回を増すごとに「あぁ、やっぱりお芝居の勉強をしてきたんだな」なんて感じさせられた。

そして松山さん演じる常盤の、若干熱くなりすぎる天海の熱を冷まさせてくれる2人の関係性が素晴らしかった。信頼関係が強固なものでちょっとやそっとのことでは崩れない絆がそこにはあるのだと感じさせられた。

主役の小栗さんはもちろんだが、個人的には杏さんの魅力に惹き込まれた。
どんどんお美しく綺麗なかっこいい女性になっていって、この調子でいけばどれだけ素敵になるのだろうと思ってしまうほどだ。
小栗さんとともに英語でのセリフも完璧〔らしい〕
これからの活躍が本当に楽しみな方。
涙を流すシーンが自然でキレイだったなぁと印象に残った。

どうしても比べてしまう草彅剛さん主演の映画版。

自宅のWOWOWでなんとなく、ながら見をした程度だが、素晴らしい映画だったと私は思っている。
きっとこれから先も、「日本沈没」と言われて最初に思い出すのは草彅さんの映画の方だろう。

映画の方は紆余曲折あった末に日本は沈没を免れ、今回のドラマのように日本人が移民したりはしていない。
もちろん、主役の草彅さんと小栗さんの役も違う。
草彅さんは優秀な潜水艇パイロットで、ヒロインの柴咲コウさんはハイパーレスキューの隊員だ。
草彅さんは柴咲さんとともに国外に逃げることを提案していたが
ここにいる人達を助けるのが自分の仕事で、目の前にある出来ることをするという彼女の姿勢に草彅さんも自分に今出来ることをする覚悟を決めたように思う。
ながら見から気づいたら映画の方に夢中になっていて、なんできちんと最初から見ていないのだろうと後悔した。
彼の最後の姿は本当にかっこよく潔かった。

原作が発表されたのは1973年。

二度の映画化、ドラマも今回で二度目。
漫画版やラジオ版も入れると結構な数だ。

原作が大好きな方もいるだろう。
いや、私は最初の映画の方が…という方
私は今回のドラマが良かった、という方も。
作品の数だけ個人の評価も分かれていいし
他の方が良かったからといって他の作品が良くなかったわけではない。

私は今回のドラマは素晴らしかったと思っている。

未曽有のパンデミック。
東日本大震災。
度重なる自然の猛威による災害。

ドラマの中ではなく、そんな世界を生きている。

私たちは今、傷つき、疲れ、苦しんでいる。
だから出来ればドラマの中でもあまり亡くなってほしくない。
特に思い入れのある登場人物には…。
でも、そんな都合のいい話をドラマにするとリアリティーがないとか批判を受ける時代。
見事な采配だったと思う。
亡くなる人もいたし、日本も沈んだ。
けど、残ってくれた。
絶望の先に希望が待っていた。

私もドラマと同じように
これらの言葉で締めたい。
これはドラマからとび出して現実を生きている私たちへのメッセージであり、警鐘でもあるだろう。

「温暖化の被災国である日本の1人として地球の危機を世界に訴えていかなければならない」
「それが出来なければ間違いなく地球は終わる」
「そのカウントダウンはもう始まっている」
「その未来は僕ら一人一人の手にかかっている」

私たちの手で出来ることを考える機会になれば。


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