見出し画像

VTuberの「作り声」をめぐる小考察

 VTuberについての印象で「でもあれって結局さ~、作り声でしょ?」という意見をよく聞きます。それは半分不正解といったところでしょうか。
 確かに誰しも最初の頃は作り声かもしれません。
 私もVTuberの初配信と現在のものを見比べた時に「全然声が違うやんけ!」と思うことが往々にしてあります。VTuber本人でさえ「昔と今って全然声が違うんだよね~」とケラケラ笑ったりしています。
 ただ、ほとんどのVTuberにとって長時間配信は命。それをほぼ毎日のペースでやっていくことになるので「声を作っている場合じゃなくなる」というのが真相ではないでしょうか。
 テンションのスイッチオンにより通常の声よりはハリがある状態で配信には臨むのであろうとは想像します。妙齢の女性が電話に出る時に声が1オクターブ高くなるように、そんな感じで。「作り」部分ってその程度の色付けなのではないかという気もします。
 そして日々の配信を戦い抜くためには自らの地の声に近いところでやっていくのが戦略として賢く、結局は長続きするのではないかと思います。
 VTuberの魅力は「思わずはみ出る人間性」にこそあると私は提唱しておりますが、その観点から見ても地の声に近くなるのは得策です。キャラクターの設定を完全に壊さない程度に「中の人」の人間性をいかに滲ませていくか、その瀬戸際が勝負なのですから。
 あとちゃぶ台をひっくり返すようですが、たとえ作り声だとしても別にいいしな!(豹変)
 プロの声優だって演じるキャラクターにとってその演技プランが適切だということであればブリブリ作り声しますよ。それがプロということです。
 自らが演じる理想のキャラクターにおいて作り声が有効であるのなら、大いに活用すべきです。それを見て喜ぶ観客がいて、その母数が増えるのであればお互いに最高ではないですか。
 声も作るも作らずも、どっちの道もアリなのです。


【おまけの雑感】
 声を作る作らないの次元とかではなく、単純に声自体が魅力的な人が多い気がします。
 VTuberのトップ集団は、人を惹きつける声の博覧会の様相を呈していますね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?