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シンプル化で失敗するものが多い気がする。

ここ最近、デザインを「シンプル化」したことであまりよくない意味で話題になっているものをよく見かける。車のメーカーのロゴや、フルーツジュースのパッケージ、コンビニのPBブランド商品のパッケージなど。


そもそも私はデザインができないから、偉そうなことは言えないんだけれども、色を仕事としている身としては、「やっぱりシンプルって難しい」と思う。


Apple社の影響なのか、ミニマル化の流れなのか、「シンプルなデザイン」が良しとされている昨今。確かにシンプルは素敵だし、私個人としても好みである。


けれどももう一度言うけれども、シンプルって難しい。


まず、デザインをシンプルにするためには、多くの場合、白の分量を増やす。白は清潔感のイメージもあり、デザイン全体に爽やかな雰囲気も生まれる。うまく使えば洗練された雰囲気も演出できる。けれども、白は扱いを間違えると、安っぽくなる。白は色の心理効果として軽く見える色であり、食品の場合は、味気なさにつながる。

「おしゃれ」とか「無駄をなくす」という観点はとても大切だけれども、一方で、装飾感や重量感は「高級感」や「美味しそう」といった雰囲気と結構イコールになる。だから、「高級感があって素敵」「美味しそうだから食べたい」といった気持ちを促して購入してもらうならば、充実した雰囲気が欲しい。


シンプルなデザインというと、無印良品が例に上がることも多いけれども、無印のお菓子やカレーのパッケージも、よく見るとお菓子が見える部分やカレーの写真が半分以上を占めている。シンプルに見えて、意外とシンプルすぎないのが無印デザインの素敵なポイント。

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ただ、新しくなった車のメーカーのロゴも、フルーツジュースのパッケージもコンビニのPBブランドのパッケージも、デザインとしてはおしゃれで素敵だと思う。

「本当にシンプルが求められているのか?」ということは、今の時代だからこそ意識したほうが良いことなのかもしれない。






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