見出し画像

killdisco exhibition 「Happenstance」 代官山 Lurf MUSEUM

「どこにでもいる平凡な男に,不思議のひと触れが加わると,ほら,見てごらん。ほんのちょっとしたことでいい。たった一度でもいい。なにかするとか、手に入れるとか、降りかかってくるとか。そしたら,そこから先,彼の人生は死ぬまでずっと本物なんだよ」

不思議のひと触れ / シオドア・スタージョン 著

2022年12月14日から代官山のLurf MUSEUMさんで「Happenstance」という個展を開催します。今回の展示は今年一年間いろいろなところで展示をしてたくさんの方と会話をしてきた中で感じたことや今までの活動方針のようなものをもう一度考えてみたときに感じたことなどをテーマにした展示になっています。

今回の展示では約40点ほどの作品を展示しています。いままでの展示では全て新作を展示していたのですが今回はいくつかの作品は今年開催した別の展示での作品を展示しています。このあたりも今回のテーマと関わってくる話なので追々。

まずは展示の日程などの情報こちらです。

killdisco 個展「Happenstance」
会期|2022年12月14日(水) ー 2023年2月6日(月)
会場|Lurf MUSEUM / ルーフミュージアム 1F
住所|150-0033 東京都渋谷区猿楽町28-13 Roob1
入場|無料
https://lurfmuseum.art/blogs/news/0022

今回の展示は、偶然の巡り合わせを意味する「Happenstance」というタイトルになっています。

展示のステートメントを引用すると

記号的な目的をもって繋がることとは違うたまたまその場所に居合わせることや偶然目や耳にすることで生まれる緩やかな繋がりから生まれる豊かさをテーマにしています。
SNSなどを通して人や物事を記号的に判断できてしまうが故に発生するワンイシューでの連帯のようなものから距離を置き、共通性がなくてもコミュニケーションをとることはできてそれはすごく当たり前に人間的なことであると感じていることからこのテーマを設定しました。

と書いてあるのですがこのあたりについてもう少し書くと、ここ数年SNSを通じて全てにおいて立場を白黒はっきりさせるというかそれは自分にとって敵か味方かみたいな判断をインスタントにできるように思えてしまい様々な場面場面でその判断が行われて、本来だれもが持っている(そのトピック以外の)余白の部分が失われていくような感覚を覚えていて、今年は自分の中でそれが特に顕著に感じられるような出来事があったこともありそのことについて考える時間が増えていました。

自分としてはその余白の部分があるからこそ人間なわけだしその部分をお互いにゆるやかに共有しながら時には寄り添い、時には意見を交わし交流していくことに豊かさがあると思っているのですが、それをいまうまく外に出す形はどういうことがあるのかなとそんなことを考えながら今年はいろいろな場所で展示を開催してきました。

夏にSUNNY BOY BOOKSさんで開催させていただいた「konstellation」という展示が自分の中では大きな転機になっていて、会場のSUNNY BOY BOOKSさんは書店さんなのでたくさんの本に囲まれての展示なのですが、本棚に並ぶ本は全て同じ作者の連作という訳では当然なくてそこにある本は絵本も人文書も写真集もとたくさんの作者による様々なジャンルの本でそれらが書店のもつ方向性の元で選書されて本棚に並べられていて、そこに来たお客さんは絵本を買うつもりだったけれどたまたま隣においてあった写真集に手を伸ばすこともあってそこに自分の絵も飾ってあって偶然みてもらうことで会話が始まって…ということを通じて、それまで現状をどう変えるかの方に向いていた気持ちがこういう場所を作っていくことに力を使っていくことが楽しそうだし大事だなという方向に変わっていきました。

そしてちょうどそのタイミングで今回の展示の企画が立ち上がったこともあって今回の大きなテーマは「偶然の巡り合わせ」になりました。

人と人が接する時にその人がどういう立場(ジェンダーや政治的なものや趣味嗜好なども含めて)かが全てはっきりとした状態で接する態度を変えていくということができてしまう現在のSNS発祥のノリみたいなものに対してそれをすべて否定する訳ではないけれど少なくとも自分にとってはnot for meであるということ、偶然出会いたまたま向かう方向が一緒であれば途中まで一緒に話をしながら歩いて一度道が別れてもまたどこかで会った時には自然と挨拶を交わしてお互いの見てきたものの話をすること、記号的なステータスではなくその人やものが持っている背景を含んだ大きな余白部分に豊かさを感じているということ、そういったことを今回の展示では大きなテーマにしています。

それぞれの展示作品についてはまたもう少し日程が進んでから細かく紹介できればと思っているので今回はざっくりとしたお話しだけになってしまいますが最初の方にも書いた通り全部で約40点ほどの作品があって今年別の場所で別の展示で飾られていた作品も少し展示されています。これは今まであまりしていなかったのですが違う場所では違う意味を持っていた作品が新しい場所で他の作品と並んだ時にまた違う意味が生まれてそれはすごくいまの気持ちに近いものがあるなと思って選んで展示しています。

また今までの作品でテーマにしていた形遊びのようなことを入り口にしてそれぞれの持つ個性や境界について考えてみるような製作方法はそのままなのですが一枚の中にふたつ並んでいるような作品は少し減っています。会場全体の中にばらばらに設置された作品同士をそれぞれ見た方の持っている背景で結びつけてそれを会場で居合わせた方やお友達、ご家族などで会話していただいて会場に作品を展示して終わるのではなくそこから広がる余白を作っていっていただけたらと思いそういった形になっています。会場のLurf MUSEUMさんはカフェとしても営業していますのでゆっくりお茶をしながら作品見ていただけますのでそういった楽しみ方もしていただけたら嬉しいです。

という感じでこのまま書いていくとそれこそ一晩でも収まりきらないような相当な量になってしまうので今回はざっくりまとめてしまいますがテーマ自体は今までの活動方針をもう一回ちゃんとやろう的な感じなのと人が人である所以みたいなところをきちんと見つめていきたいみたいな感じになっています。あとはできるだけこまめに在廊したいなと思っていますので会場でお会いできたらいろいろお話しできたら嬉しいです。

ではではまた今度会場で。

今回の展示では展示作品の他にアパレルやクッション、お皿やマグカップ、スケートデッキ、zineなどのグッズももりだくさんで販売しています。どれもめちゃくちゃかわいいのでそちらもぜひチェックしてみてくださいね。

killdisco 個展「Happenstance」
会期|2022年12月14日(水) ー 2023年2月6日(月)
会場|Lurf MUSEUM / ルーフミュージアム 1F
住所|150-0033 東京都渋谷区猿楽町28-13 Roob1
入場|無料
https://lurfmuseum.art/blogs/news/0022

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?