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ビールで旅するチェコ その7 「Rodnný pivovar Chodovar」〜 小さな町の、古い醸造所

チェコで初バス

海外旅行で自力で移動するのは慣れないうちは大変、というか「ほんとにあってるのか?」という不安が常につきまといますね
そもそも時間通りに来るのか、似たような行き先を間違わないか、降り損ねないか…

以前、フィンランドで作曲家シベリウスの住まいであった「アイノラ」を訪れた際には、あらかじめ乗り込む際に「アイノラに行きますか?」と運転士に確認したためか、停留所で「おい、ここだぞ」と目配せしてくれました。フィンランドの人、だいたい親切です

さて、今回の旅の三カ所目の目的地は、「何もなかった駅」マーリエンスケー・ラーズニェ(Mariánské Lázně)駅でバスへ乗り換えて向かった、Chodová Planá(ホドヴァー・プラナー)という小さな町です。Wikipediaによると住民は1,900ほどだそう
位置はチェコの西端に近く、かつてはドイツ語でズデーテンラントと呼ばれたエリアにあり、オーストリア帝国の統治時代にはドイツ系住民が数で勝っていた土地でもあります

この建物を目指して

で、問題は降りるバス停です
マリアーンスケー・ラーズニェの駅をででかた15分ほどの乗車なのですが、はじめ三つのバス停がいずれも出発地と同じく「Mariánské Lázně」で始まり、しかもつぎの二つが「Chotěnov-Skáře」、最後の3つが全部行き先の町名である「Chodová Planá」で始まるんですよ。いったいいまどこにいるのか、アナウンスでも表示板でもよくわからない。字面が違うじゃないかといわれそうですが、慣れない外国語のアナウンスでは「ホチェノフ・スカージェ」と「ホドヴァー・プラナー」って、聞き取りにくいですよ
かろうじて「これが宿泊するホテルではないか」と思われる建物が見えたのでえいっと降りました。あってました、良かった

乗ってきたバス

醸造所とビールスパを求めて

おそらく日本人観光客など年に数十組ではないかと思われるこの町を訪れた理由、それは、西ボヘミア地区最古のビール醸造所である「Chodovar(町の名前と微妙に綴りが違います。Chodová Planáのpivovarだから?)」の存在です
チェコはビールの大消費地ということもあって、ビールスパがいたるところにありますが、ここがその元祖なのだという記述を見つけ(真偽のほどは未確認)、矢も楯もたまらずに訪問地に選んだ、というわけです。どうせなら元祖がいい

13時前に到着して宿泊予約をしたホテルに荷物を預けようとしたら、なんと「荷物は預かれないし、部屋の準備もできてないので持って歩け」とのお達し。いやあの重たいんですけど…
同じ時間帯にロビーにいたロシア人観光客の団体も同じように断られていたので、私の言葉が通じなかったせいではないでしょう(ただ面倒だったから断った可能性もあります)

しかたありませんので、大きなリュックを背負ったまま、醸造所見学を申し込みに併設レストランの受付へ。ここでも誤算があり、「英語/ドイツ語/ロシア語」を順番に回す本日の見学ツアー、次はドイツ語で英語は終了したとのこと
英語でさえ怪しいのに、挨拶くらいしかままならないドイツ語ではいささか不安ではありましたが、醸造所までやってきて見学しないという選択肢はあり得ません。不安だらけのドイツ語ツアーは14時開始です

見学そして試飲

とはいえ、ビール醸造の原材料や手順などはそう大きく変わるものではありません
細かくは聞き取れずとも、なんとなくいってることはわかりますし、さすがに情けをかけられたのか英語の案内書きを渡してくれました。まず麦芽を発芽させるための部屋から銅製の煮沸釜へ、瓶詰め機のある部屋を通って酵母の管理室(もちろん外から)と発酵槽などを経て最後は中庭に

途中、昔使われていた木樽やらキャッシュレジスターなんかも飾ってあり、短時間でさほど凝ってはいないものの、気軽で楽しいツアーは40分ほどで終了、いよいよお楽しみの試飲です

このツアーでの試飲で気が利いていたのは、何と試飲用のタップが中庭の噴水脇に置かれていることでした(じつは「あれ、まさか試飲なしで終わり?」と不安になっていました)
ガイドの女性が次々に琥珀色のビールをカップに(残念ながらプラカップ)注いでは渡してくれます(ツアー客は全部で10人ほどでした)

ずっと曇りがちでしたがこの時間から青空も出てきて、屋外の噴水横で飲む、少しコクのあるビールのうまさといったら…あっという間になくなりました
工場見学とは試飲であることがさすがによくわかっていて、「ビールのおかわりほしい人は?」とのうれしいお言葉も
ドイツ語ツアーだけあって他のゲストはドイツ系のようでしたが、なんとほとんどおかわり希望者がいません。大喜びで受け取り2杯目はじっくりと

15時前には現地解散となり(その場で「じゃあねえ」という感じ、緩いなあ)、われわれもようやくホテルへチェックイン、重い荷物を下ろして一息つけました

さて、この後は、この街でのメインイベント、ビールスパですが…さて、出せるような写真あったかな

データ

旅の日程:2015年4月28日〜5月6日(7泊9日)
旅の行き先:チェコ共和国(プラハ、プルゼニ、ホドヴァー)
撮影した機材:Olympus E-M5 markII, 12-40mm/F2.8, SONY RX100 M3, TX-300V今回のお店:Rodinný pivovar Chodovar( https://www.chodovar.cz/ )


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