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中年へ:あなたは病に罹っている。誰であれ、どこであれ、「外の世界」は必ず見るべき

何度かお食事をさせていただいた元業界の大先輩・鎮目さんのコラムがえぐるほど心に刺さった。

テレビ業界以外の仕事もさせてもらうようになってから、テレビ業界がいかに外の世界から乖離(かいり)しているかを初めて知った。やっぱり実際に体験してみないと、本当のところは分からない。

テレビ業界以外の仕事もさせてもらうようになってから、テレビ業界がいかに外の世界から乖離(かいり)しているかを初めて知った。やっぱり実際に体験してみないと、本当のところは分からない。

テレビ用語の基礎知識より

私が知っている業界は「テレビ・ラジオ」だけだった。フリーターバンドマンくずれからNSCに入って放送作家になった28歳は大学進学も就職もせずに業界に飛び込んだ。

業界の常識・慣習・掟・しきたり。どんな時間でも挨拶は「おはようございます」「おつかれさまです」。「こんにちは」と「こんばんは」の回数は日本人平均よりだいぶ少ないはずだ。

年齢や実績に関係なく作家の年数が長い方が先輩。年下の先輩には敬語で、年上の後輩にはタメ口。なんの違和感もない。報道現場にいた頃、派遣社員で来ていた後輩の年上編集者にタメ口でダメ出ししたら秒でブチ切れられた。「年下のくせにタメ口きいてんじゃねぇよ」と言葉を荒げる40代のおっさんに対し、30代後半だった私は「仕事もできねぇくせになに先輩にたてついてんだコノヤロー」とヤクザ映画の主人公ばりにドスをきかせて返したこともあった。

この人は派遣社員としてたまたまネットニュースの編集者の仕事をテレビ局でしているのであって、別に業界人ではない。そりゃあ10歳近く年の離れた私が先輩面で指摘したら怒るよねそりゃあと今ではわかるけど、当時は「なんで俺が怒られないといかんねん」と憤りの塊だった。

仕事の能力は高かったけど、人間力は高くなかった。いや、低かった。人間性を高めるのに有効な手段としてあるのは、雑談をどれだけ面白く仕上げられるかだ。心の師匠・百田尚樹さんがええ事いうてます。

業界を離れてから、それこそいろんなところに行ったし、いろんな人と会ってきた。いかに自分のいた業界が世間の常識と離れていたかを知ることができた。たらればで語るのは良くないけど、いまの価値観で業界に戻って仕事をしたら昔の自分とは全く違う企画を出しているだろう。実際、紙・ウェブの媒体に書く企画も進化を遂げている実感がある。視点が明らかに広くなり、深くなったからだろう。

実際、わたしの周辺では複業だったりプロボノだったりで、組織の外のコミュニティに足をのばし価値観を広げている人がたくさんいる。

きのうの会食で話題に上ったワークデザインラボ。組織の外での活躍する場所をつくるにはもってこいだろう。

先日、クライアントでもある鳥取の企業と話していて、「サラリーマン病」の話になった。弁慶丸では鳥取県が打ち出している副業プロジェクト「週1副社長」を使い、数人の外部アドバイザーを起用している。実はわたしも「週1副社長」である。

この募集をしたときには多くの人を面接したそうで、組織勤めで管理職ポジションの人もけっこういたらしい。しかし、履歴書や略歴を見た上でいろいろと質問や指摘をすると、「いやそれは…」と言い訳や自己防衛モードに入ってしまう。質問にはまともに答えられないし、どうも話のピントがわかっていない。「たぶんこの人は仕事ができない」と分かってしまうらしい。そんな人に限ってプライドが高く、自分が仕事ができると思い込んでいる。これが「サラリーマン病」とのこと。

サラリーマンになったことはないけど、私も似たようなものだった。マスコミ・芸能界にいて、外の世界を知らずに20代後半から40代前半まで過ごした自分も「マスコミ病」に罹っていた。

この類いの病から抜け出すのは大変だろう。なんて罹っていることに気づかない。業界を離れたり外の世界を見たりすることによってしか治らない病なのだから。

治った人は「あ、この人は病に罹っている」と見つけられる。満員電車にはたくさんいます。病に罹っている人。面倒くさかった時期のコロナよりもヤバい病。定年になっても病に気づけず、退職時の肩書で存在感を示そうとする。



「俺は●●の元部長だぞ!文句あるのか!?」なんてことだけにはならないほうがいいですよ。






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