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知っておくと為になる「デザイン思考」について


私が所属している田中ゼミで学んでいる理論の一つに
「デザイン思考」があります。
今回は、この理論についてまとめます。
まだデザイン思考を知らない方々に届いたらと思います。

デザイン思考とは、
アメリカのデザインコンサルティングファームIDEOの創設者である
デイヴィッド・ケリーによって提唱された
ビジネスにおけるイノベーション創出手法のことである。
現在は、スタンフォード大学の「d.school」を中心に実践されている理論です。

Process

Empathize(共感)→Define(問題定義)→Ideate(創造)
→ Prototype(プロトタイプ)→Test(テスト)

Empathize(共感)

「有意義な革新を起こす為のフィールドワーク」
デザインするに当たって、
当事者が物事を行う背景や身体的または感情的な需要、
そして、彼らが何に意味を見出し、どう捉えているのかを知るための段階です。
「なぜ共感が必要なのか」
それは、解決しようと考えている問題は、
私自身のものではなく、他の特定の人のものであるからです。
余計なバイアスを省いて、問題に向き合い、
実際にその立場の人間の気持ちを知ることでこそ、
本当のニーズに気づくことができるのです。
その為に行う「フィールドワーク」であり、
当事者の価値観に立脚せず、問題を解決していくことは、
最適な解決方法ではないということを覚えておきたい。

Define(問題定義)

「問題を適切に定義づけすることが、適切な解決策に導く唯一の方法」
共感のプロセスで得た全ての「共感」にある、
広範囲の情報を理解し、そこから解決策を探ります。
適切な定義無くして、問題解決は成し得ません。
散々する情報をつなぎ合わせ、統合していく過程です。
「これから何をしていくべきなのか」
問題意識を定義していきます。
時には、初期に予想していた仮説から軌道修正を求められることもありますが、
それを受け入れなかったら優れたデザインはできません。

Ideate(創造)

「正しいアイデアを思いつくのではなく、幅広い可能性を生み出す」
この過程では、解決策の作成に移行します。
問題と当事者についての理解と想像力を組み合わせて、
解決策を生み出すチャンスです。
「どんなアイデアが当事者に求められるのか」
現実性の有無問わず、思いつくだけ書き出していきます。
ex.ブレインストーミング・マインドマッピングなど
アイデアの生成とアイデアに対する評価は
切り離して考えなくてはなりません。
最適な解決策は、この後の過程を通して発見されるものです。

Prototype(プロトタイプ)

「繰り返し行い、解像度を上げていく」
「喜ばれる可能性が高い」、「合理的な選択」、「前例がない」などの
判断基準から創造されたアイデアを精査します。
反復的にプロトタイプを生成し、
次第に解像度を上げていく作業になります。
具体化することで実現可能性をはかり、
問題解決の程度を測定していきます。
試行錯誤することで、解決策をより成長させます。

Test(テスト)

「テストは、解決策や当事者をより学ぶ機会です」
作成したプロトタイプに対しての
フィードバックを得て、当事者をより理解します。
「なぜ?」
という問いかけを疎かにせず、潜在的な解決策を導きだします。
なるべく、リアルな環境で試すと効果的です。
当事者と共に、手を取り、同じ目線で見極めることで、
より深い共感を得ることができます。
この過程から予期せぬ洞察を得ることができるかもしれません。
そこで、仮設の根幹が覆されることもあるかもしれませんが、
素直に受け入れて、また最初の段階に立ち戻る必要があります。

まとめ

デザイン思考のプロセスにおける大切なことは

①当事者目線に立つ
②コミュニケーションを充実させる
③固定観念を排除する
④一つのアイデアに縛られない
⑤立ち戻ることを厭わない

であると私は考えました。
また、上記の5つのプロセスは
「段階的な一方通行ではなく、相互的に関係し、回帰可能なもの」
ということは留意しておいてください。

デザイン思考は、AppleやGoogle、サムスンやGEなど、
世界を先導する企業のアプローチ方法としても採用されています。
AppleのiPodが生み出されたのも、
競合他社の製品分析と
音楽を聴く人たちへのフィールドワークから
「音楽を持ち運んで、いつでもどこでも聞きたい」
という潜在ニーズを見出したことから生まれた
革新的発明であると言われています。
その当時の日本企業では、新たな技術を次々に盛り込み、
その結果使いにくくなる・わかりにくくなるというジレンマにはまっていました。
例えばテレビのリモコン。
購入後一度も押すことのないようなボタンが乱立し、複雑化しました。
この考え方の違いが現在の社会で大きな差を生むこととなりました。

このように、
デザイン思考は、技術者主導や技術オリエントではなく、
当事者目線で、潜在的なニーズに向き合い、
試行錯誤しながら生み出していく方法であります。

最後に

デザイン思考が私に教えてくれた一番大事なことは、
「当事者目線に立ち、徹底的に寄り添っていくことの大切さ」です。
優れたデザインを生み出すためには、
相互的にコミュニケーションをとることが
必要であるということです。
違う目線からみていては、わからない世界がある。
これは、幅広く応用すべき知見だと思いました。

参考文献

デザイン思考を学ぶために参考になる書籍


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