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知っておくと為になる「キャリア理論」について

私が所属している田中ゼミはキャリアデザイン学部に属しており、
「キャリアに関する理論」を学ぶ機会に恵まれています。
今回は、その中でも、
私が好きな理論3つをまとめたいと思います。

①計画された偶発性理論
(Planned Happenstance Theory)
  ジョン・D・クランボルツ
②自己効力感(self-efficacy)
  アルバート・バンデューラ
③3つのキャリア資本について(ThreeCareer Capital)

①計画された偶発性理論
(Planned Happenstance Theory)
  ジョン・D・クランボルツ

「個人のキャリアの8割は予想もしていない偶発的なことで決定される」
これを聞くと、偶発的なことで決定するのであるならば、
キャリアを戦略的かつ長期的にプランニングするのは意味がない
と思われてしまうかもしれません。
しかし、クランボルツ教授は、
「その偶発的な出来事に備え、計画的に設計し、個人のキャリアをよりよく形成しましょう」と主張されています。
下記にある5つの行動特性を日頃から心掛けて計画的な行動をすることで、
予想もしない偶然を引き寄せることができるのです。

「計画された偶発性」を引き寄せる5つの行動特性
①好奇心…常日頃から新しい学習の機会を模索し続けること
②持続性…失敗に屈せず、努力し続けること
③楽観性…新しい機会は必ず実現する、とポジティブに考えること
④柔軟性…変化を受容すること
     こだわりを捨て、信念・概念・態度・行動を変えること
⑤冒険性…結果が不確実でも、リスクをとって行動を起こすこと

つまり、意識的に行動し続けることで、結果的に偶発的に望むような
キャリアを形成することができるのです。

参考文献

②自己効力感(self-efficacy)
  アルバート・バンデューラ

バンデューラ教授の社会的認知理論の中核となる概念の1つである。
人は自分の思考、感情、行動を制御しています。
人が自分の行動と環境の制御を行う中で、
自己効力感は人間の行動の最も影響力のある予測因子と言われています。
自己効力感の程度によって、以下の事項が決定されると言います。
①事象に対して、行動をとるかどうか。
②それに対してどれだけの労力を費やすか。
③困難に直面しても、努力を継続できるか。
そして、その自己効力感を生み出す源は
①達成要因:これまでの自分が体験した成功や失敗。
②代理経験:他者への観察やモデリング等からの擬似的体験。
③言語的説得:自分に能力があることを言語的に説明されること。褒められること。
④生理的情緒高揚:生理的な何らかの刺激によって気分が高揚されること。
とされています。
また、近しい意味で使われる言葉で「自尊心」があります。
自尊心は自分を信じていることを意味するのに対し、
自己効力感は自分にある目標を達成する能力があるという認知のことを
指しており、異なる概念であることを留意しておきたいです。
「自分は〇〇を成し遂げることができる」と思える人ほど、
本当に目標を達成することができるのです。

参考文献

③3つのキャリア資本について(Three Career Capital)

キャリアはこれら3つの資本の総体であると考えることができます。
①文化資本(Cultural capital)
→スキル、語学、プログラミング、資格、学歴、職歴などの資本
②社会関係資本(Social capital)
→職場、友人、地域などでの持続的なネットワークによる資本
③経済資本(Economic capital)
→金銭、資産、財産、株式、不動産などの経済的な資本

これまでの経験は長期的な資本として個人に蓄積されます。
これを理解すれば、社会や組織の変化に適応したことで、
何を手に入れることができたのか、よりクリアになります。

お金などに換算される有形資産だけでなく、
「Life Shift」でリンダ・グラットン教授が提唱した
無形資産(intangible asset)」と同様、
「文化資本(cultural capital)」「社会関係資本(social capital)」は
経済的な価値に直接は換算・還元されない継続的な行為です。
文化資本や社会関係資本を蓄積することで、
経済資本も大いに変わってきます。
つまり、相関的に3つの資本は関係しており、
1つの資本の蓄積が、他方に影響を与え、
結果的に、キャリアを豊かにする一助を担います。
参考文献

ここで紹介したキャリア理論加え、そのほかの理論についても
弊ゼミ教授である田中研之輔教授の著書

こちらにまとめられており、
キャリア理論の入門書としてもわかりやすいです。

まとめ

キャリアに関する理論を学ぶことで、
自分自身のキャリアについて考え、
未来をより豊かにする機会になります。
私もこれら3つの理論を中心に有意識的に行動し、
より良いキャリア形成を目指していこうと思います。

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