わたしの本棚「指先から旅をする」
以前TVの番組で、この本の作者であるピアニストの藤田真央さんが出演されていて、
番組の中でピアノを弾く場面がありました。
指に風をまとうように、楽しそうに音を奏でるその姿にすっかり魅了されてしまいました。
彼の中にどんな景色が広がっているのだろうと、ちょっとだけ扉を開いて覗いてみたくなり手にした本です。
わたしは音楽に関して全く無知だし、もちろんピアノも弾けません。
ピアノを弾ける人なら、この本に出てくるたくさんの楽曲やオーケストラなどにもっともっと共感できるのだろうな、と、ちょっと羨ましく思いながら読み進めましたが、
何も分からないわたしでも、それぞれの国の音楽の世界に触れられるような、
わたしも旅をしているような、素敵な時間を過ごせる一冊でした。
わたしは長い入院中にこの本を読みました。
病院の窓からしか外の景色を見れない時でしたが、この本のおかげで心は外の未知の
世界に出て、音の世界に触れることができました♪
ひとつの音を奏でるということ、そしてその音を次に繋ぐということ、その一瞬に思える間にある空気の色や信頼の色。音に色がついているように思えてなりません。
『色がなくてどうやって人の話や音楽を聴くことができるの』
という、「未知の贈り物」という本の中に登場する、インドネシアの少女の言葉を思い出しました。
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