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『君たちはどう生きるか』の「インコマン」と「トトロ」の共通点

 『君たちはどう生きるか』には、「インコマン」というキャラクターが登場します。大伯父が持ち込んだセキセイインコが、何らかの形でインコマンに変化(進化?)したことで生まれたようです。

 「インコマン」には、「トトロ」と共通している部分があります。それは、目が離れていることです。

 この動画は、コロナ禍において、鈴木プロデューサーがトトロを上手に描く方法を披露したものです。その中で、「目を離して描く」ことが一番大事であると説明しています。

 トトロというキャラクターは、人と目が合わないように描かれています。それによって、何を考えているのか分からなくさせる、という狙いがあったようです。目を離して描くことは、その狙いを実現するために必要な要素だと言えます。

 2001年5月15日の「ジブリ美術館日誌」を読むと、宮﨑監督がセキセイインコにどのような印象を抱いていたのかがわかります。

 ちょうどその最中、常設展示室に置く翼長2mのプテラノドン模型が二馬力に届けられた。「悪の使者のように」とか「目はセキセイインコみたいに何考えてるかわからない目で」といった宮崎監督のややこしい指示に応えて作り上げられた「怪鳥」は、リアルで不気味で迫力がある。早速渡り廊下からぶら下げられていた。

ジブリ美術館日誌より

 「インコマン」は一見捉え所のないキャラクターのように思えますが、不気味さと愛嬌が同居しているような魅力があります。いずれ「トトロ」のように、長く愛されるキャラクターになっていくのかもしれません。

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