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パチンコ存続危機(2023年以降)

・パチンコなんて大嫌い!!でも当たると超気持ちいい!!
・パチンコ店は無くなってほしいけど、無くなったら嫌!

そんなパチンコ依存症の私が、愛憎入り混じりつつも冷静にこれからのパチンコ店の暗い未来を紹介したいと思います。
2023年以降、パチンコが打ちたくても打ちに行けない未来がやってくるかもしれません。

パチンコ業界(特にパチンコ店)は逆風にさらされています。
というか逆風しか吹いていません。
業界歴の長い人の動画やニュース記事を読むと、どんな厳しかった時期よりも今が厳しいと口をそろえておりますね。
近年はシャレにならないスピードでお店がつぶれております。
特に多かった2022年は1日2店舗以上のペースで閉店しており、約1割のお店がつぶれました。とんでもない状況ですね。
しかしそれはまだ始まりにすぎず、2023年以降も閉店は続くとみられています。

今回は現在パチンコ店を襲っている逆風と、これからの見通しについて紹介できればと思います。

電気代の高騰

パチンコ店への逆風の中で、現在最も厳しいのがこれだと思います。
2022年の末あたりから電気代が一気に値上がった気がしますよね。
しかし2021年から電気代は値上がりしているのです。

最近あるパチンコ店の店長さんが、ユーチューブで毎月の電気代の推移について発表されており、大きな話題となりました。
300台程度の規模としては小さめのお店ですが、

2021年1月分
61万2千円

2022年1月分
79万1千円

2023年1月分
111万5千円

なんと2年間で1ヶ月の電気代が82%もアップしています。というかこんなに電気代かかるのかよ!と思いますよね。

実はビカビカ光っているパチンコ台はそれほど電力を使わないといいます。
もっとも電気を食うのが冷暖房設備。さらに換気や店内店外の装飾です。
パチンコ店は夏は涼しいし、冬はあったかいです。大型店になると学校の体育館よりも大きな空間を開店前から閉店まで常に適温にしつつフル換気をしなければならないので、とんでもないお金が必要になります。

余談ですが、友人が「●●の店、そろそろつぶれるぞ」と言ってきたことがありました。
理由を尋ねると「夏なのに客がパンフレットで顔を扇がなきゃいけないくらい冷房代をケチってた。そこまで削るようになったらもう終わりだよ。」とのこと。
友人のいう通り、その店はほどなく潰れました。
つぶれる店の前兆として、客が感じる部分でも経費を削っていきます。
冷暖房の温度をケチったり、使い捨てのお手拭きがなくなったり、コーヒーレディと呼ばれる外部スタッフを削ったりするのが個人的な潰れる前兆予告ですね。

人件費の高騰

お客さんからクレームや騒音の我慢料が上乗せされてされているからでしょうか、パチンコ屋は伝統的にお給料がいいですね。
アルバイトでとにかく時給がいいところ!と探してみると地方だと上位はほとんどパチンコ店になるでしょう。
しかし今では全国的に最低賃金が引き上げられており、コンビニやファミレスの時給もかなり上がってきております。
パチンコ屋も負けてはおれませんので人件費を上げます。上げなきゃパチンコ屋で働く人はいなくなるわけですからしょうがないですね。
というわけで人件費がかなり高騰しております。

設備費と高騰

新しくて便利なものを導入しないと、パチンコ店にお客はやってきません。
2022~23年にかけてスマートパチンコ・スマートスロットという新システムが登場しました。
デジタルで出玉を管理するため、メダルやパチンコ玉に触れることなく遊ぶことができ、ドル箱の上げ下ろしや計測するためのスタッフを減らすことが可能になるというメリットが喧伝されています。

しかしスマートパチンコ・スマートスロットを店に置くためには台はもちろん、専用のユニットを買う必要があり、台のデータを送信するための費用やホールコンピューターとよばれる機械の更新も必要になります。スマートスロット1台+ユニットを合わせると100万円ほどになると言われています。

そしてこれから待ち受けるイベントで厳しいとされるのが、新紙幣の発行。
福沢諭吉から渋沢栄一にバトンタッチされますが、それに合わせて店内のお金を扱う設備を更新しなくてはいけません。
台の横にはお金を入れるサンドという機械がありますが、それも新紙幣に合わせて全台更新です。
サンドがひとついくらするか不明ですが、5~10万円だったとすれば大型店ではそれだけで5千万~1億円規模の出費です。

パチンコ台の値段も、当然のように高騰しています。
昔は新台が20~30万程度の価格帯でしたが、今は40~60万くらいになっています。
しかも新台入れ替えサイクルが早くなっているので、買う頻度と台数は今のほうが多いんじゃないでしょうか。
当然この費用は巨額なものになります。

お金は誰が負担する?

当たり前ですが、パチンコ店は慈善事業じゃないので、儲けを出さないといけません。
これまで紹介したものを含めると、支出はこれだけあります。

家賃・固定資産税 ←都市部は高騰
電気ガス水道代 ←高騰
人件費 ←高騰
新台購入費用 ←高騰
新設備導入費用 ←高騰
機器メンテナンス費用
広告費
通信費
その他・雑費

これらを支払ったうえで利益を出さなければ経営を続けられません。
では、この必要経費と利益分を誰が支払うかといえば、パチンコを打つお客さんに他なりません。
パチンコ店が使う金額は多岐にわたりますが、収入はお客さんの遊技代のみです。

パチンコ店の運営は、
お客が使った遊技代ー(店の諸経費+利益)=お客に還元
という図式です。お客の還元部分をお客同士が奪い合うわけです。
そしてこの図式が破綻すると、その店はつぶれることになります。

客のお金も続かない

しかし頼みの綱であるお客の遊技代も昔のようには期待できません。
早い話、金がないんです。

20年ほど前ならば、サラ金でジャンジャン金を借りてガンガン打つ!みたいなパチンコ店からすれば超上客みたいな人たちがいたんですが、サラ金の規制強化で、自分の年収に見合った額までしか借りることができなくなりました。

それに一般人の自由に使える可処分所得は年々減っています。
税金と社会保険料が増え続けているからです。
だから30年前と今の同年収の人がいた場合、30年前のほうがはるかに豊かな生活ができるんですね。
人は生活が苦しくなった時、どこからお金を節約するかといえば娯楽費です。
かなり早い段階でパチンコ代は削られることになります。

ユーザーの高齢化

パチンコはすでにおじいさん、おばあさんの娯楽と化しています。
地方の中規模店にいくと、レートの高い4円パチンコにはほとんどお客がおらず、レートの低い1円以下のコーナーに高齢者のお客だけがいるいうことも珍しくありません。
パチンコ店ほど高齢化を感じる場所はないでしょう。
高齢者は年金暮らしなので、それほどお金を使ってくれません。だからレートの低いコーナーに集まるんですね。当然ですが低レートコーナーではお店の利益も少なくなります。

まれにタクシーでパチンコ屋通いをしている豊かな(?)高齢者のお客さんを見かけることがありますが、そんな人はごくごく一部。
免許返納したり病気になるとパチンコ店には来なくなります。
あと10~20年もすれば、パチンコ店のメイン客層が来店できなくなると考えられています。

依存症から搾り取る

興味深いデータがあります。
年々パチンコ―ユーザーは減っているのですが、パチンコ業界全体の売り上げはそれほど落ち込んでいません。
これ、どういうことかというと、お客一人から搾り取る金額は増えているというわけです。

ライトなお客は離れ、依存症レベルのヘビーユーザーが使うお金が増えているというわけです。
これまで1000人のお客で支えていた店を500人で支えるわけですから、一人当たりの出費が増えて還元される金額は減ることはわかりますよね。

パチンコ業界はすでに新規客を増やして拡大していこうというフェーズを通過して、今いるパチンコ依存症からの絞れるだけ絞ろうという段階にきているのです。
「昔に比べて勝てなくなった」「最近全然パチンコが回らない」なんて声が依存症の友人からも聞こえてきますし、私もそう思います。

まとめと今後の見通し

私は2025年までに小規模パチンコ店(パチ・スロ合わせて300台未満の規模の店)は殆ど姿を消すと思っています。
閉店情報を眺めていると、体力がない小規模な店が脱落していってる状況です。
町で唯一残っていたパチンコ店が姿を消すことも珍しくありません。

現実として、生活圏内にパチンコ店がなくなりつつある自治体も出てきています。
冒頭に触れたとおり、打ちたくても打ちに行けない現象が起こりつつあるのです。
自動車を持っていたとしても、よほどの依存症でなければ半径20キロ圏内にパチンコ店が存在しなければ習慣的に行かなくなってしまいますよね。
東京も例外ではなく、実は文京区にはパチンコ屋は1店舗もありません。東京の場合は客が減ったというよりも家賃の高騰も原因なんでしょうが、パチンコ店が割に合わない商売になってしまったのは間違いありません。
数十年後には「その昔、パチンコというものがあってなぁ」という昔話がされる日が来るかもしれませんね。