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外出できない今こそ、試しに読書してみませんか。初心者にもオススメの小説10選[おうちエンタメ]

さて。思うように外出できない日々が続いています。長期戦になりそうな雰囲気もあります。こんな時にこそ、おうちエンタメ。時間を持て余している人たち、NETFLIXもyoutubeも見飽きたという方々。この機会に小説を読んでみるのはいかがでしょうか。

ページ数が少ない、文章が読みやすいなど、初心者にもお勧めの10作品を選んでみました。

[笑える] 恋のゴンドラ 東野圭吾

ガリレオシリーズや加賀恭一郎シリーズで有名な東野圭吾の作品。恋愛の修羅場が詰まった短編集です。浮気相手とのスノボ旅行、山頂に向かうゴンドラに乗り込んだら、なんと同棲相手と相乗りに。ウェアと帽子、ゴーグルのおかげでバレてなさそう。まだまだ続く強制的な密室。声を出したらバレる。浮気相手に名前を呼ばれてもバレる。。。

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行へ。
ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。
ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。

[泣ける] 廃校先生 浜口倫太郎

1年後に廃校が決まった生徒7名の小学校の話。これだけでどんな作品なのか予想つきますよね。その通り、期待を裏切らない展開。ベタかもしれないけどそれでいいんです。それがいいんです。卒業生が7名ではなくて在校生も含めて7名。小さな村だからOB・OGもいる。もちろん卒業生と先生が中心ですが、周りにいるいろんな人の目線も絡めて描かれています。

閉校が決まった小学校には、四人の先生がいる。十津川村に赴任して一年の香澄、頼りないながらも子供たちに慕われるよし太、自ら選んで僻地教育に従事する律子、そして校長の山中。村内に中学校がない十津川では、七人の生徒と子供の親――村の人々の生活の中心には小学校があった。

[超泣ける] その日のまえに 重松清

余命少ない妻(母親)についての短編集。読む人によって泣けるポイントが違ってくるかも。いずれにせよ号泣必須なので周りの目が気にならない場所で読むことをオススメします。個人的には、自宅で父親と息子ふたりきりの会話のシーンが一番良かった。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。

[切ない] ラストナイト 薬丸岳

不器用なおじさんと、不器用なおじさんの、切なさと純粋さと友情、そして先入観。ページ数は少なめながらも重厚な映画を一本観たくらいの読後感は、さすが薬丸岳作品です。

居酒屋「菊屋」に刑務所を出所したばかりの片桐が現れた。顔面に豹柄の刺青を入れた特異な容貌で犯罪を繰り返す友人に、店主の菊池は忸怩たる思いを持っていた。片桐が初めて逮捕されたのは菊屋で傷害事件を起こしたときだったのだ。それは暴力団員から店と菊池の妻を守るための行動だったが、それ以降、片桐は人が変わったように次々と犯罪に手を染めるようになる。男はなぜ、罪を重ねるのか?圧倒的な結末、入魂のミステリ。

[恋愛] 男ともだち 千早茜

男女間で友情は成り立つのか。幾度となく繰り返されてきたこの議論の一つの答えがこの作品なのかもしれません。先輩後輩でも知り合いでもなく、ちゃんと友達。普通に愚痴も溢すし、普通に遊ぶし、異性でも友達。でも異性。好意があるかと聞かれたら、それは、、、

29歳のイラストレーター神名葵は関係の冷めた恋人・彰人と同棲をしながらも、身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねていた。仕事は順調だが、ほんとうに描きたかったことを見失っているところに、大学の先輩だったハセオから電話がかかる。七年ぶりの彼との再会で、停滞していた神名の生活に変化が訪れる―。直木賞候補作。

[仕事/社内政治] 八月の魔法使い 石持浅海

役員会議で報告されていない事故報告書が紛れ込んでいる。すぐに伏せられるも、見せなさいとか見せなくていいとか役員同士が言い争いはじめて、、、たいした議題もなくただ淡々と過ぎていくはずの会議が一転して次期役員人事を左右する事態に。社内政治に振り回されているサラリーマンの皆様にぜひ。

洗剤メーカー・オニセンの役員会議で、報告されていない「工場事故報告書」が提示され、役員同士が熾烈な争いを始めた。同じころ経営管理部員の小林拓真は、総務部の万年係長が部長に同じ報告書を突きつけるのを目撃。たまたま役員会議に出席し騒動に巻き込まれた、恋人の美雪からのSOSも届く。拓真は限られた情報だけで“存在してはいけない文書”の謎に挑む。

[頭脳戦] プロパガンダゲーム 根本聡一郎

4対4に分かれ、演説とSNS投稿を駆使して世論を誘導した方が勝ち。ただし4人の中で1人は敵チームのスパイですけどね。好きな人にはたまらない頭脳戦です。演説だけならそれはディベートですが、そこに一般人に成り済ましてのSNS投稿が加わったことでのマッチポンプ的な目線と、さらにスパイまで。

「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」大手広告代理店・電央堂の就職試験を勝ちあがった大学生8名。彼らに課された最終選考の課題は、宣伝によって仮想国家の国民を戦争に導けるかどうかを争うゲームだった。勝敗の行方やいかに、そしてこの最終選考の真の目的とは?電子書籍で話題の問題作を全面改稿して文庫化!

[どんでん返し] ルビンの壺が割れた 宿野かほる

かつての恋人から28年ぶりにメッセージが届いた。28年ぶり。懐かしさもありつつ、ぎこちなさのあるやりとりが続いていき、それがだんだん違和感に変わって。。。アメトーークの読書芸人でも取り上げられた作品。ページ数も少なく、文章は二人のメッセージのみなので、小説特有の描写もありません。文章が苦手な人にもオススメです。

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」―送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め…。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!

[世界観] コンビニ人間 村田沙耶香

執筆作品の多くが独特の目線で独自の世界を構築することからクレイジー沙耶香と呼ばれる著者が芥川賞を受賞したのがこの作品。比較的クレイジーさは控えめ。個性と呼ぶべきなのか、ただ社会に適合するための手段がこれだった。ページ数も多くないので村田ワールドの入門編としてどうぞ。

「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて…。現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。

[パニック] 首都感染 高嶋哲夫

コロナが猛威を奮っている今の境遇に、小松左京「復活の日」を重ねる意見が多くみられましたが、個人的にはこの「首都感染」の方がより近い気がします。未知のウィルスが発生した時に感染ルートの特定や封鎖がどれだけ重要なのか、専門家がどれだけのことをしているのか。この作品を読んでいるかどうかでその理解度も違ってくるかもしれません。高嶋哲夫のパニック小説にハズレなし。ぜひどうぞ。

二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。しかし、スタジアムから遠く離れた雲南省で致死率六〇%の強毒性インフルエンザが出現!中国当局の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスがついに日本へと向かった。検疫が破られ都内にも患者が発生。生き残りを賭け、空前絶後の“東京封鎖”作戦が始まった。

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