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オペラにおける専門職人:ピアノ弾きのお仕事 コレペティトール

こんにちは。
ドイツ在住ピアノ弾き
管楽器コレペティトールのきもらです。

本日のお題

は私のお仕事

コレペティトール

についてお話ししたいと思います。
といいつつ
実際私がやっている
コレペティトールのお話は
また次回になるとおもいます
(また先延ばしーーーー)
今日はまず
コレペティトールとは一体
なんなのかということを
順を追ってお話ししたいと思います。

Korrepetitor
コレペティトゥア
コレペティトゥール
コレペティトール

Repetitor
レペティトゥア
レペティトゥール

と書かれることが多いです
日本では

コレペティ

と呼ばれることが多いので
コレペティと書いていきますね。

始まりはオペラ

コレペティとは
もともとオペラの劇場から
生まれた職業です。

そもそもオペラとは?
オペラはいわゆる“総合芸術“
ざっくり言うと
演劇+音楽
セリフに全てリズムと音譜がつきます。
伴奏は贅沢にも
オーケストラの生伴奏!

歌手+オーケストラ+合唱
(演目によっては+ダンサー)

で基本的に成り立っています。
演目によっては
100人をゆうに超える
超大所帯で公演しています。
そんな大所帯の
音楽部分の大事なまとめ役がそう

指揮者

なのです。
ちなみに指揮者とは別に
演劇部分のまとめ役で
演出家もいます。

指揮者の負担

さて音楽面の責任者の指揮者さん
100人以上をまとめる…
それだけでも大変な労力です。
オーケストラのリハーサルもあるし、
演出家との打ち合わせもあるし、
劇場によっては
毎日違う演目だし!!!
でもオペラの花形である
歌手達と意思疎通しないといけない!
あーーーどうしよう!

そこで出てくるのが 

コレペティトールなのです。

歌手とのリハーサル

ここでの歌手とは
オペラの中で役が決まっている歌手。
(他にも合唱の人がいます)

オーケストラと歌手の人は
最初から一緒に
リハーサルをするわけではなく、
大工さんが家を建てるときのように
土台づくりをそれぞれ
きちんとしたうえで
最後に一緒にリハーサルをします。

別々にリハーサルするなら
じゃあ歌手とのリハーサルって
いったいどうやるの?
という疑問が湧くわけです。

そこで登場するのが
我らが万能楽器 ピアノ なのです。
ピアノはそれ一台でオーケストラ
と言われる楽器です。
もちろんオーケストラの全ての音が
弾けるわけではありませんが、
ハーモニーや
音楽の流れを表現するには充分。
なので歌い手さん達は
ピアノでリハーサルをします。
そして歌手のために
ピアノでリハーサルをする人を

コレペティトール

というのです。
劇場でのコレペティのお仕事は
多岐に渡ります。

コレペティのお仕事

ピアノ伴奏をしながら
•楽曲分析
•歌手への音楽指導
•発音指導
•プロンプター*(劇場によります)
•時には指揮者の意向を伝えたり
•重唱のリハーサルでは
弾き歌いをしたり、
指揮者の代わりに指揮をすることも*
なのでパティトゥア(オーケストラ譜)
も読み込まなければなりません。

※プロンプター: 上演中に歌手に歌詞や歌い出しを指示したりする補助人

※ただし劇場のシステムによって
指揮をしないコレペティもいます。
また指揮者自身がコレペティをすることもあります。

そして演目によっては
オーケストラと共に
チェンバロ、ピアノやチェレスタを
弾かなければならないことも
多々あります。

まさに聖徳太子!!!

時には歌手に寄り添い
悩みを聞くことも。

専門知識でアドバイス!

もちろん歌手の意見も聞きますヨ!

道から外れたら修正します!

個人的にはコレペティとは

ティーチング
コーチング
コンサルティング

が一緒くたになっている
と思っています。
(急にビジネス色が出ちゃった笑)
そこにもちろん
ピアノの演奏技術もプラスされます。

オペラにおける
歌手のために細分化された、
まさに専門職人ですね。

そしてコレペティをすることで
オペラをより深く研究し、
指揮者になっていくことも。
オペラの指揮者の
登竜門的な職業でもあります。

まさにコレペティは
オペラマニアのピアノ弾きにとって
夢の職業 なのです。

日本でコレペティという言葉は
ただ単にオペラや歌の稽古伴奏者
という意味で使われることが
多いと思いますが、
大学によっては
声楽科の授業時間に
コレペティの時間があったり、
海外でコレペティの勉強をして
帰国した人が増えたりと
これからもっと
認知されていく職業でしょう。

オペラが好き!
人と一緒に音楽をするのがすき!
語学に興味あり!
メロドラマ大好き!

というピアノ弾きさんにおすすめです♪

コレペティの発展

さて、コレペティは
もともとオペラという総合芸術の元
生まれた職業だというのは
お分かりいただけたでしょうか。

しかし今現在
コレペティと言われるのは
オペラ業界のピアノ弾きだけでは
ありません。

次回はコレペティという職業が
オペラ以外の分野でも
特にドイツで発展していることに
焦点を当てていきたいと思います。
ようやく私のお仕事

器楽コレペティトール

をご紹介いたします!

それではまた次回♪

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