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ヒトでの治験の3ステップ(臨床試験)|クスリのアウトプット#10

きむっちです。

前回の記事では動物を使った非臨床試験を行うことを紹介しました。動物での実験で安全性が確認されてから人での体で治験していくことになります。

今回の記事では、クスリの効果を調べるための3ステップについて解説していきます。

この記事を読むことで、どのように治験(ちけん)を行っているのか、わかるようになりますよ。

【この記事を読んでいただく前に】

この記事を読んでいただく前に非臨床試験のことを知っておくとさらにわかりやすくなります。

非臨床試験について紹介した記事はこちら

治験を受ける前に大切なこと

治験を受ける前に大切なことがあります。

それがインフォームドコンセント(informed consent)です。
日本語ぽく表すと「事前説明を受けた元での合意」になります。

治験のクスリは非臨床試験を終えているものの、ヒトに対する影響度が正しく評価されていません。

そのため、治験を受ける患者は医師から十分に説明を受け、内容をを理解した上で治験への参加を判断します。

つまり、未知の医薬品を治験するためには十分な説明責任を果たさなければならないのです。

治験の方法

治験(ちけん)での安全性の確認として、
次のようなことを調べることになります。

● 安全性(副作用の程度)
● 有効性(効果、最適な投与量、投与方法)

治験を「臨床試験」とも言います。

厚生労働省に承認・許可してもううためには必要です。

新しい医薬品が承認されるまでの3ステップ

ここからは、
新しい医薬品が承認されるまでの3ステップについて解説していきます。

承認されるステップとして、次のようになります。

① 健康な人での治験(少人数)
② 患者(比較的少数)
③ 患者(多数)

ここから詳しくみていきましょう。

① 健康な人での治験
  フェーズⅠ

まずは少人数の健康な大人から治験を始めます。
次のようなことを評価します。

● クスリの安全性
● 体に入ったクスリが
  どのように化学変化したのか
● どのように排出されるか

② クスリの効果があるとされる患者
  フェーズⅡ

①をクリアーした場合、
クスリの効果を発揮しやすい患者を対象に治験を行います。

具体的には、次の評価を行います。

● 安全性
● 効き目
● クスリの使い方
 ・量
 ・使う時間
 ・使う間隔 など

③ 数多くの患者
  フェーズⅢ

②をクリアーした場合、
検査の母数を多くして、より多くの患者を対象に治験を行います。

安全性・効き目・使い方の最終確認をすることになります。

3ステップを満たすと承認される

ここまで書いてきた治験の3ステップをクリアすると、厚生労働省の承認をへて医薬品としての製造販売を許可されることになります。

ここまで文章だけで見ると簡単そうに見えるかもしれないですね。
実際にはクスリが市場に出回ってしまうと予期せぬ副作用が起こることもあります。

そのため、1つの新薬が承認されるまで決して短い道のりではありません。

最後に

クスリは一旦市場に出回るとストップすることができなくなることも。特にクスリは体の中で消化される上、部品製品として正しく評価できないことにも。

そのためにも、できるだけ母数を多くした治験を行うことが大切です。

今のクスリも何度となく治験をされてきたと思うと、クスリの開発者と患者の皆様に頭が上がりません。

次回のお知らせ

次回はクスリの観点で「病は気から」をテーマに書いていきます。

意外に感じるかもしれないですが、クスリにおいても「病は気から」の意味が込められているんですよ。

クスリの観点での「病は気から」とはどういう意味か。

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最後までお読みいただきありがとうございます。

もっと詳しく知りたい方はこちらの本を参考にしてみてください。

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<きむっちの自己紹介の記事はこちら>


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