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「デジタルと人の架け橋になる人材を育てたい」西九州大学 植田先生に聞く大学でのメタバース活用

佐賀県内唯一の4年制私立大学で、健康と福祉の探求を目指す西九州大学は、全国や海外で活躍するような、可能性豊かな人材を育成しています。

2024年4月には「デジタル社会共創学環」が新設され、木村情報技術が提供するメタバースのトータルコーディネートサービス「KIMULAND+(キムランドプラス)」をご利用いただきました。
西九州大学の植田先生に、その背景や目的についてお話を伺いました。

【お話を伺った方】
学校法人永原学園 西九州大学
デジタル社会共創学環/リハビリテーション学部
准教授 植田 友貴様

専門分野
身体障害作業療法/福祉機器/コミュニケーションエイド・環境制御装置/リハビリテーション工学/摂食嚥下障害の作業療法/神経・筋疾患のリハビリテーション


授業でのメタバース活用の背景

今年4月に新設された「デジタル社会共創学環(※)」では、デジタルを知り人を知る、デジタルと人の架け橋となる人材を育成することを目指しています。
約2年前に木村情報技術のメタバース空間を体験し、大変興味深く感じました。この体験がきっかけとなり、学環の設立に際して、授業にメタバースを取り入れるという構想が生まれました。
早速4月から、学環の約50名の学生と教員が、授業でメタバース空間を活用しはじめています。

(※)「学環」とは、従来の学部・学科と同様に、国が認定した大学教育課程です。幅広い教育課程を含むことから既存の学部・学科の枠には収まらないため「学環」という用語が用いられています。

「KIMULAND+」を利用した理由

木村情報技術は当学と連携協定を結んでおり、デジタル分野での専門知識を持っています。これまで同社のメタバースの取り組みを見てきて、大いに刺激を受けました。
戦略的パートナーだということに加えて、そうした背景や、必要な知識や技術を有していることから、木村情報技術にメタバースの構築を依頼し、「KIMULAND+」を利用しました。

メタバース空間の完成までには、本格的に動き始めてから約半年かかりました。完成したメタバース空間は期待通りの出来で、求めていた要件も満たされており、とても満足しています。

授業で活用できるメタバースの条件とは

世の中には無料のメタバースプラットフォームも多くありますが、将来的に学生が社会に出たときのことも考えると、やはり商用のプラットフォームを体験して欲しいと考えました。

授業で使うには、いくつか必要な要件があります。まずセキュリティ対策が万全であること、学生用と教員用のアカウントが別に管理できること、加えてコンテンツのクオリティが高いこと。
こうした要件をもとに木村情報技術の担当者と検討を重ね、「KIMULAND+」が提携するメタバースプラットフォーム群から「Spatial」を選定しました。

コロナ禍で社会でリモートワークが普及し、場所を問わず働けるようになりました。教育現場も同様で、学びを止めないことが大切だと考えています。
「Spatial」はマルチプラットフォーム対応で、バスの待ち時間などのちょっとした隙間時間でも、学生同士がスマホやタブレットで気軽に使えるところも理想通りでした。

(西九州大学に導入されたメタバース空間)

授業におけるメタバース活用

授業でのメタバースの利用用途は、大きく2つにあります。「メタバースを活用した授業」と「メタバースの使い方を検証する授業」です。これは、メタバースを教材として活用するか、ツールとして活用するかの違いです。

今後は、メタバースをディスカッションでも使いたいと考えています。既存のWeb会議システムも良いのですが、それぞれに異なるメリットがあります。
メタバース空間の中では、移動がシームレスで進行がスムーズです。また、学生の中には”顔出し”に抵抗を感じる人もいますので、アバターで参加できるメタバースはこうした用途にもうってつけです。

来年度以降は、もっと本格的に活用し、将来的には学生のグループワークや「メタバース論」という授業でも活用したいと思っています。
また、卒業論文や研究内容の発表など、情報公開のツールとしてもメタバースの活用を考えています。また、これは先日既に実施したのですが、メタバースでのオープンキャンパスも有効です。加えて、入学前の学生の交流会で活用するという手もあるでしょう。

今後の展望

メタバースは交流や仕事のツールとして、幅広い活用方法が考えられ、これまで対面でしかできなかったことを補完する、様々な可能性があります。
また、SNSでは主にテキストが中心のつながりでしたが、メタバースなら仮想空間の中でリアルタイムにつながることができ、顔を合わせなくても関係性を構築できます。

メタバースの活用によって新しい交流が生まれることで、新しい働き方や雇用も生まれ、新たな才能を発掘・発揮する場としても期待できます。木村情報技術と協力して、これらの可能性を追求していきたいと考えています。

メタバースは、ハイプ・サイクルの過度な期待期を過ぎた段階にあると考えています。あと5~10年ほどでより一般的なものになり、今の私たちが予想していないようなコミュニケーションやローカルルールが、メタバース内で形成されると予測します。メタバース固有のコミュニケーション能力も求められるでしょう。

私は、学生が卒業する際には、自分が望む進路や就職先を選べるようにしたいと考えています。そのためには、1つの武器として、メタバースを含むデジタルコンテンツをある程度使いこなせることが重要だと考えています。人とのつながりを大切にしながら、デジタルコンテンツを有効活用できる、そんな学生を育てたいと思っています。

私たち教員が一方的に教えるのではなく、学生と教員が協力して共にメタバース文化を築いていきたいと考えています。

KIMULAND+について

「KIMULAND+」は、提携する複数のメタバースプラットフォームから、利用者に最適なものを選定し、運営からサポート、カスタムアバターの構築まで幅広くカバーするサービスです。

木村情報技術では過去2年以上にわたり、自社保有メタバースによるイベント運用や、様々なメタバースプラットフォームでの実証実験を続けてきました。これまで培ったノウハウを活かし、「社会の中でメタバースを活用する」をテーマに、お客様にとって最適なメタバースの活用方法をご提案します。

学校法人永原学園 西九州大学について
学長:福元 裕二(ふくもと ゆうじ)
所在地:
〒842-8585 佐賀県神埼市神埼町尾崎4490-9(神埼キャンパス)
〒840-0806 佐賀県佐賀市神園3-18-15(佐賀キャンパス)
〒845-0001 佐賀県小城市小城町176-27(小城キャンパス)
URL :https://www.nisikyu-u.ac.jp/

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