ウォーキングデッドに救われた話。


もうなにひとつも奪われない、と決めて

まずしたことは、

自分が好きだったものを
想い出す、ということ。

その頃にはもう、
自分が好きだったものすら、

なぜ好きだったのか?

よくわからなくなってしまっていて。

とりあえず、簡単にできること、、、

大好きだった海外ドラマ

『ウォーキングデッド』
を観ることにした。

大好きで 
何周も観ていたから、
流れはなんとなく覚えていた。

それでも、

この時観た、ウォーキングデッドは、

これまでとは、まるで違う物語だった。

登場人物は、ほぼ全員が
たいせつなひとを、なくしていたから、、、

始まって、

すぐにわかった。

ああ、これは、
わたしの物語だ。

わたしは、たしかに
ウォーキングデッドの、
最後の登場人物だった。

毎夜、
仲間たちと一緒に泣いた。

自分のたいせつな人を奪った奴らを殺せと、一緒に叫んだ。

頭がおかしくなる気持ちを、
許せない気持ちを、
救われない気持ちを、
持って行き場のない気持ちを、
やりきれないさみしさを、
苦しみや、絶望すら

すべてを、共有した。

何時間も
何シーズンも

共に、生きた。

生き抜いた、、、

サバイブした、登場人物たちが、

あたらしい時代のためにしようとしたこと。

赦すこと。

愛すること。

反発する人もいる、
離れるひともいる、

ウォーキングデッドは、
続いてゆく。

おまえは?

おまえはどうする?

問いかけられていた。

地獄をどう生きるのか?

終わりを望むのか?

答えはひとつじゃない。

まだまだ、
答えはみつからないけれど。

ウォーキングデッドの仲間と、
共に苦しみ、悩み、

物語と一緒に、
前に歩いてきた。

気が付けば、
確かな心の拠りどころに、なっていた。


あの日から、この時まで

どうしても、
ちゃんと泣けなかった。

1番の理由は、
いつか話せるときが来たら、、、

とにかく、
わんわん泣けなかったし、

ネガティブな気持ちも、
吐き出せなかった。

もちろん、
なんでも聞くからねと、言ってくれた人はたくさんいた。

でも、
優しくされればされるほど、こんな優しい人に、
迷惑や心配をかけたくないと思ったり。

どれだけ話しても、
この苦しさは共有はできないし、解決もしないと感じていたり。

立ち止まって弱音を吐くことで、
もう立てなくなりそうで怖かったり。


よく、ひとりで抱えずに相談しましょう、とか言うけど、

簡単に相談できないタイプだからこそ、どこまでも追い込まれてしまうし、

追い込まれてしまえば、
誰かに相談する、
そんなエネルギーすら、なくなってしまう。

何が辛いのかも、
わからなくなる。

だから、
今のわたしが言えることがあるとすれば、

なんだっていいんだ、
ってこと。

誰にも言えない悩みでも、苦しみでも、

わかってくれるひとが、実在しなくたっていいんだよ。

実在しない人は、
わたしの苦しみを知っても、
苦しまないし、
誰にも言わないしね。

実在しない人の苦しみについて、わたしは心配しなくてもいい。

すごく楽になれた。

散々観てから、気付いたんだけど、

『ウォーキングデッド』って

どんどんどんどん、
たくさんの人が死んでいくんだけど、

心に残るのは、
生きる、ということのほうなの。

それが、わたしが

ウォーキングデッドを好きな理由だった。

そう、想っていたのだけど、

まさかの最終シーズン11!

今、リアルタイムで観ているんだけど、

いちばん陰湿な感じのシーズンで、わたしの心も沈みがち、、、

でも、大丈夫!
大丈夫なの!

そんなときにはまた!

シーズン1 から、観ればいいの。

途中でね、

花のテーマ曲に使っていた曲が流れるシーンがあって、

なんでもないシーンなのに
いつも号泣してしまう。

弱ったときに、心を休める場所は、

何個あっても、いいもんね。

こんなふうに、ひとつずつ、
すきなものを取り戻していくんだ。

『ウォーキングデッド』

作ってくれて、
本当にありがとう。


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