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【クセがすごいんじゃ】通が好む旅館!古さ、きしみ音、傾き。風情満点、お湯と食事が最高!福島県いわき湯本温泉 伊勢屋旅館宿泊記【お一人様女子旅記録】

同じ福島県の飯坂温泉に
同じ名前の有名老舗旅館がありますが  

訪れたのはそちらではなく、
いわき湯本温泉の
「伊勢屋旅館」さん。

上級者向け旅館だとか
クセが強いだとか色々聞いていました。

ただ、
お湯はいわき湯本温泉でも一、二を争う良さと
お刺身の新鮮さ、質、量は素晴らしいとか。

ついに行ってまいりました。
評判通り、強烈でした。

何に価値を見出すかで
評価がガッツリと分かれるお宿だと思います。

私は
大・大・大満足です!!

「美味しい魚と濃厚な温泉。他には何も要りません!」
と言い切れる方以外は
たしかに厳しいと思います。

………

常磐線いわき湯本駅を降りた途端に
鼻をくすぐる温泉の香り。


JR常磐線湯本駅

硫黄の温泉は数あれど
私はいわき湯本温泉の、この個性的な香りが
本当に大好きなんですよね…

思い切り深呼吸すると
幸せすぎて涙が出そうになるほど
愛おしいにおい。

さらに
町の方々の
南福島弁の柔らかいイントネーションに
心をぎゅっと掴まれます。

駅から歩いて五分ほどのところにある
伊勢屋旅館さんは
いわき湯本で夕食付きのプランがある
貴重なお宿です。 

(いわき湯本で、現在夕食付きのプランがあるお宿は少ないと聞きます。)

築70年以上の木造三階建
全11部屋、全て和室の落ち着いた造りです。

外から見ると二階建て!


 
引き戸を開けると
おお、なかなかのゴッチャリ感。

こんにちはー、と声を掛けても
音沙汰なし。

玄関入ってすぐの光景がコレで、結構驚きました、笑。


こうやって写真を撮ると目立ちますが、
無造作に入っていけば玄関の一部なので 
気づかない人もいるかもしれません。
ただ、入り口で待たされると見ちゃいますねー。


ぶっちゃけ温泉目的なので
私にとっては玄関はハッキリ言ってどうでもいいです。
ただ、これをみて不快感覚えるお客さまは沢山いらっしゃるだろうから勿体ないなー、と思います。

宿のご主人は案外若いお兄さん。
何度か声を掛けていたら奥のほうからパタパタ
走っていらっしゃいました。

案内されたお部屋は2階。
なかなか階段は急勾配です。

2階の客室。六畳+三畳+板の間。
広くて清潔でいい感じ。

お部屋はしっかりお掃除されていて綺麗。
畳も新しいようでした。
WiFi繋がります。


田舎のおばあちゃんの家に泊まりに来たみたい。


昔懐かしいこの感じ。


二の間まである!

若旦那が温泉や食事の説明をしてくれるのですが
早くもお湯とお魚への限りない愛情を感じます。

早速、お宿ご自慢のお風呂へ。

階段はとても急勾配です。

たくさんの手書きの注意書きや案内。


至る所に貼ってあります。

建物、設備、とにかく古いです。


男湯入り口。
女湯入り口。

浴室の扉を開けて深呼吸すると
嬉しくて、懐かしくて、ホッとして
何故かまた涙が出そうになります。

大好きな温泉の匂いは数あれど
どういうわけか、いわき湯本温泉の匂いだけは
私の涙腺を緩ませてきます。

ボイラー等の機械を一切通さずに供給される
源泉の新鮮なお湯は最高でした。

女湯。
男湯はもっと大きくて広いらしい。

綺麗なお湯…と思いきや、
実は大量の湯の華が沈殿しておりました。

手のひらサイズの湯葉みたいな湯の華が大量にユラユラひらひら。 

大きな湯の華を撮影しようと頑張りましたが、
上手く撮れません。


真っ白、茶色、ピンク、真っ黒、
色とりどりの湯の華。

震災後、鉄分を含む
色付きの湯の華が増えたそうです。

ピリッとするけど柔らかな肌触りのお湯です。
硫黄の香りはバッチリしっかり。

湯の華を肌に擦り付けるように塗ると
そこだけがずっとポカポカしています。

同じいわき湯本温泉でも、
確かに他のお宿や共同浴場のお湯と
こんなに違うとは!

若旦那のドヤ顔が頭に浮かびました。


レトロなタイルがいい感じ!

アメニティは
「田舎の親戚のお家にお泊まりした」ような感じです。

具体的には、
シャンプーやソープ類は
メーカーが揃ったものではなく
家族各々がドラッグストアで買ってきたような
あらゆるアイテムがゴチャッと置いてあり、 

バスタオルはクリーニング専門業者さんなどを使わず
自宅で何回も洗濯したようなバリバリの古いものです。

古いバスマットなんて実家みたい。


館内。

程なくして夕食の時間です。

食事は部屋出し。
若旦那が配膳してくれます。

お宿がお湯同様に力を入れてる夕食!

これ一人前です。

魚料理が多すぎて美味しくてたまりませんでした!

お刺身の他に鯵フライ、カレイの煮付け、焼きエビ、お鍋にも揚げたお魚が…! そして、存在が謎だけど意外に美味しいメンチカツ。


飛び魚とマグロ


アジ


ドンコのお刺身は初めて食べました。
肝ポン酢で頂きます。

下げ膳に来た若旦那と
一緒にお布団を敷きながら少しお話ししました。

このお宿は
老夫婦(ご両親)と跡取り息子(若旦那)で経営されているとのこと。

お湯に対するこだわりと愛情はやっぱりすごい。

たまに空いた時間は温泉の勉強会に参加したりしているそうです。

常連客には「早く嫁もらえ」って言われているんですって。
激しく同感!

彼は感じは全然悪くないのですが、
跡取りにお嫁さんが来てくれたら
だいぶお宿もいい感じになるだろうと
勝手に想像しました。

お布団は所帯染みた感じの煎餅布団でしたが
シーツは浴衣同様パキッとしていました。

古い建物なので、廊下はミシミシ、障子襖はガタピシャで
他の部屋にお泊まりの皆さまの動向はバレバレ。

お風呂は一晩中入れるので
気の向くままにお布団と浴室の至福の往復。

翌朝はギラギラの朝日で目覚めました。
 

雨予報が外れて
朝日が綺麗。

朝食も部屋出しです。

ほっこりする感じ。特にキャベツの荒刻み。
朝食は普通の量です。


焼き魚は鯛のハラス。
朝からお魚がいただける幸せ。
目玉焼き美味しい。


中庭ジャングル。

チェックアウトの時、
ウワサのネコ様にお会いできました。

いた!

美人の三毛猫さん。

トラちゃん4歳だそうです。


お土産に缶コーヒーとお茶をいただきました。
こういうの、グッときちゃうんですよね。

お宿を出る時に
手渡された飲み物。

震災、コロナとやはり随分と厳しいと仰っていました。

私の場合は自分一人で行くのなら最高、
でも家族を連れてはいけないって感じです、笑。
もちろん友人との宴会旅行なら大アリ!

お宿のホームページには
「コンパニオンプラン」なるものがありましたが
音も振動も筒抜けのお宿。

ひとり旅で宿泊している所に
コンパニオン呼んでドンチャン騒ぎされたらどうなっちゃうのかしら…

まぁ、この値段で文句を言ったらバチがあたりますよね。

このようなお宿、応援したいです!!



福島県 いわき湯本温泉 伊勢屋旅館
泉質 含硫黄ーナトリウムー塩化物・硫酸塩温泉
24時間入浴可
 一泊二食 9,570円+入湯税150円

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