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成人編

中学生編から20年。

結婚と出産を経て、更に月日が経ち。

2019年のある日。

夫から真剣に
「安田くんに全てを背負わせるのは荷が重すぎるから、もうひとり好きな人がいるといいと思うんだけど」
と提案された。

色んな事があったのだ。

「この子、好きそうじゃない?歯、可愛いよ。」

私のフェチを知り尽くしている夫がテレビを見ながらおもむろに勧めてくる。

彼こそが。

高橋恭平だった。

そりゃあ私だって可愛いなって思ってた。

繊細そうで顎が小さくてスラッとしていて、恥ずかしそうに笑う。

だけれど、とにもかくにも若すぎる。
さすがにそれは無理だよ。

って3年近く悪足掻きしたけれど。

章ちゃんの作ったマイドリを大切そうに歌う線の細い彼から目が離せなくなって。

気が付いたら転がり落ちるようになにわ男子にはまってしまったのだ。

そんなある日のこと。

保護者会で、カバンにそっと忍ばせたなにわ男子のクリアファイルにプリントをしまっていたら、ママグループから声をかけられた。

「ねえ、なにわ男子好きなの??」

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

こ、こ、これは、、、!!!!!!

そう。

私が30年以上前、保育園時代に思い描いていた理想の展開が長い長い時を経て、ついに紛れもない現実となったのだ。

「はい!高橋恭平が好きです!メンバーカラーは紫です!」

ねえ、私、気持ち悪いよ。

本当に気持ち悪いよ。

でも。

「バリキャリの怖い人かと思ってたけど、普通の人なんだね〜」

と笑ってくれた。

40年近く生きてきて、普通の人、と言われたことがなかったから嬉しくて嬉しくて泣きそうになった。

個性的ねと言われることは、とても苦しいことだった。

良い意味で言われているのか悪い意味で言われているかの判断も出来なかったし、一生懸命人と同じことしようとしても出来なかった。

同じ趣味の人と出会って、好きなものの話をすることがこんなに楽しい事だなんて知らなかった。

思い切って初めてのSNSにも手を出してみた。

出会った同担さんがみんな優しくて、面白い人ばかりだった。
こんなに世の中は素敵な人で溢れているのか!と驚きの連続だった。

ありがとうなにわ男子。

ありがとう高橋恭平。

好きを話すのは楽しい。

なんでこんなに簡単なことが分からなかったのだろう。

やっと手に入れた【みんなとおんなじ】は。

とても楽しくて。
とても嬉しくて。
とても幸せで。

毎日がきらんきらんに見える魔法みたいだった。


ところで、高校大学編が無いのは書けないことしかないからだよ。



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