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スターズオンアース考察 ~名牝への道~




🌟結論

唐突に結論を先出しすると、
私が主張したいのは以下の通り。

スターズオンアースはヴィクトリアマイルで1倍台に推される価値のある馬である


🌟前書き

2023年のヴィクトリアマイル。
前日の段階ではスターズオンアースが一番人気となっている。
単勝オッズは3.0倍程度。前年の勝ち馬ソダシを差し置いて1番人気に支持されている通り、世間的にはこの馬が牝馬マイル路線でも"一番強い"と思われているということを示している。

2021年のグランアレグリアは最終1.3倍、
2020年のアーモンドアイは最終1.4倍のオッズとなり、
圧倒的人気に応える形で圧勝したことは記憶に新しい。

スターズオンアースはこの2頭と比較すると、世間的な支持を得られてはいない。
・相手関係も違う
・血統的な適性も違う
・世代のレベルも違う
などさまざまな要素が複雑に絡み合うため、過去の馬と比較してスターズオンアースが"どの程度強い"のかを推しはかるのは難しい。

そこで、桜花賞の内容やデータを過去の馬たちと比較することで、

スターズオンアースがどの程度強いのか

を判断し、冒頭の結論の根拠をお話ししていきたいと思う。


🌟2022年桜花賞の分析

一般的にスターズオンアースが強いと認知されだしたレース
=G1馬になったレースは桜花賞である。
そして、近年は桜花賞とヴィクトリアマイルはデータ的にも強い結びつきがある。

2022年の桜花賞は、2、3着馬(ナムラクレア、ウォーターナビレラ)が今年の高松宮記念に出てきた短距離馬であったように、マイル以下のスピードが求められたレースだった。
今年になってわかることだが、大阪杯後のルメール騎手のコメントでは、以下のように述べており、スターズオンアース本来の距離適性は中距離以上がベターだということが明確になった。

「良いスタートを切れましたが、後ろになってしまいました。良いレースはできて、ラストは脚を使っていますが、2400mの馬かもしれません。跳びが大きく、直線ももう少し長い方が良いと思います」

つまり、スターズオンアースとしては適性外のレースである阪神1600mで勝利したことになる。
これだけでもスターズオンアースの凄さがわかる。

また、桜花賞で記録したタイム1:32.9という数字は、過去の桜花賞と比較すると歴代4位のもの。

1位:2021年 1:31.1 ソダシ
2位:2023年 1:32.1 リバティアイランド
3位:2019年 1:32.7 グランアレグリア
4位:2022年 1:32.9 スターズオンアース
5位:2018年 1:33.1 アーモンドアイ

近年の馬場の高速化を考慮したとしても素晴らしい数字である。

ラップに着目すると、前半3F 34.6、後半3F 34.1で、実質スローの瞬発力勝負となったレース。実際に2、3着馬は内前にいた馬が直線で残った形となった。
ラスト2Fが11.5-11.5と、坂のある阪神コースにしてはかなり珍しい同速のラップ
(過去10年の桜花賞で11秒台の加速・同速ラップになったのは2022年だけ)
であり、このラップを差して勝ったスターズオンアースの瞬発力は相当なものであることがわかる。
しかも直線で前が壁になり、前が空いて追い出せたのは最後の1F(200m)だけだった。
2着馬との着差は0であるが、桜花賞の内容だけでこの世代で抜けた存在であることは明白だった。


🌟データ面での分析

データという点では、まずは先ほど紹介した桜花賞全体時計上位5位以内の勝ち馬に着目する。
まだ3歳馬であるリバティアイランドと今年初出走となるスターズオンアースを除いた3頭はヴィクトリアマイルを勝っている。

2022年ヴィクトリアマイル1着:ソダシ
2021年ヴィクトリアマイル1着:グランアレグリア
2020年ヴィクトリアマイル1着:アーモンドアイ

それを考えるとスターズオンアースも今年のヴィクトリアマイルで勝ち負けする可能性は非常に高いのではないだろうか。

そして、桜花賞とオークスを勝った2冠牝馬という観点でみてみることにする。
2000年以降で桜花賞とオークスの2冠牝馬となった馬は

2022年:スターズオンアース
2009年:ブエナビスタ

の2頭しかいない。
2000年から2022年の22年の間に2頭しかいないかなりレアなケースであり、
同世代とはいえ1600mと2400mで勝ち切ることはそれだけ価値が高いことだということがわかる。
そして、ブエナビスタは4歳時にヴィクトリアマイルを1番人気で制している。当時のオッズはなんと1.5倍
私は当時の競馬を知らないので1.5倍が妥当だったのかはわからないが、
これだけで判断するならばスターズオンアースはブエナビスタと同じ程度のオッズで評価されるレベルの馬なのではないかと考えている。

(ちなみに個人的にはあまりこの手のデータは好きではないのだが。。。)


🌟最後に

今回はヴィクトリアマイルに合わせてスターズオンアースのマイル実績からその強さを伝えることにフォーカスしてみた。

しかし、この馬が本当に強さを見せるのは中距離以上だと考えている。
(先に述べたルメール騎手のコメントも根拠の一つ)
オークスや秋華賞、大阪杯の内容を精査するとさらにこの馬の強さに確信が持てるのだがそれはまた別のお話で。。。


長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました!
みなさんよいヴィクトリアマイルとなりますように!

おず




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