今後のガソリン価格と物価の予想
本稿の目的・読むべき人
今後のガソリン価格がどの様に推移していくのかを予想していく。
本稿は、自動車を頻繁に使用する人・今後の家庭の経済事情に不安がある人・ドライブやツーリングが好きな人に是非ご覧いただきたい。
もちろん、確実に当てられるわけではないので、参考程度にしてほしい。
結論
2月前半に上昇
筆者は、2月に入った段階で緩やかな価格の上昇が始まり、場合によっては、数ヶ月以内にガソリン代は跳ね上がると考えている。
また、ガソリン価格の上昇は輸送に影響することから、食品などの価格も上昇するのでは無いかと考えている。
理由:なぜ物価とガソリン価格が上がるのか
米軍などによるフーシへの攻撃に対するフーシ側の報復が原油供給の逼迫につながるから。
イスラエルによるガザ地区での有事を背景に、イエメン国内の新イラン派フーシが重要な運送ルートである紅海で商船を拿捕している状況を受け、昨日、米・英の連合軍はイエメン国内にあるフーシの拠点を攻撃した。
筆者はこれによるフーシ側の報復が日本のガソリン価格と物価に大きな影響を及ぼすと考えている。
フーシは昨年12月19日時点で攻撃された際は報復すると宣言している。
根拠:原油依存率90%以上の中東
フーシの報復が日本のガソリン価格と物価に影響を及ぼす根拠については、まずは以下の資料を見てほしい。
この資料は昨年11月の原油輸入の明細であり、日本がどこからどの程度原油を輸入しているかがわかる(現時点での最新データである)。
整理すると、中東産の原油は全体の94.6%を占めており、特にサウジアラビアは全体の42.7%、UAEは全体の37.6%とかなり多くの割合を占めている状況だ。
従って、中東依存度が高いと言うこともあり、数ある原油価格指標の中で最も日本のガソリン価格に影響するのはドバイ原油価格である。
これは、2005~2018までの資料だが、ドバイ原油とガソリン小売価格の相関性が分かるグラフである。
現段階では、ドバイ原油は大きく上昇してはいないが油断は禁物だ。
11日から始まった米・英によるイエメン国内のフーシへの攻撃の影響を受け、WTI原油価格やブレント原油価格などの他の指標は大きく上昇している。
今後、フーシへの攻撃が続けば、今よりもさらにフーシ側の報復措置が大きくなるリスクがある。そうなると、ドバイ原油価格にも上昇の波が押し寄せることになる。
今後の展開について
石油設備が攻撃される可能性…
筆者は、今後も米側の攻撃は継続され、フーシの報復措置も本格的になると考えている。
しかし、今回の攻撃がヨーロッパや中東地域が一枚岩ではなく、賛同しなかった国があったのも事実である。
特に、今回筆者が気になったのは、米軍の攻撃にサウジアラビアが反対していると言うことである。
本来であれば、米側であるはずのサウジアラビアが、12日、米英軍が攻撃をした後に自制を求める声明を出した。
サウジアラビアには、2019年にフーシにより石油設備を攻撃された苦い記憶がある。
当時、無人機ドローンによる2つの石油施設に対する攻撃は日量約570万バレルの生産が停止したと言い、これは生産能力の半分に相当すると言う。
もし、サウジアラビアが危惧するように、2019に発生した事態が再び発生したらどうなるのだろうか。
石油供給の途絶
一番最初の資料にある通り、日本のサウジアラビアへの原油依存率は40%以上である。
生産が止まれば、約40%分の供給懸念が発生する。
また、報復の応酬が続き、中東全体に戦火が広がれば、中東諸国の原油生産が停止する可能性もある。
そのような事態が発生すれば約95%のエネルギーが日本に届かなくなる可能性もある。
さらに、それだけでなく、市場での原油価格も上昇することから、原油のほぼ全てを海外に依存する日本はかなり大きな経済的ダメージを受けることが予想できる。
筆者が予想する事態が発生した場合、ガソリンだけでなく、輸送コストのかかる食品価格なども全て上昇してしまうだろう。
かなり現実可能なシナリオであることから、相対的に安い現段階で、個人でできる対策をすべきだと筆者は考える。
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