田中「エネルギー発信」

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田中「エネルギー発信」

エネルギーに関する記事を出しています。大学の勉強から脇道に逸れてエネルギーについて勉強した事などを発信してます。

最近の記事

エネルギー価格、この先日本はどうなる?

先週の原油市場 原油相場は先週かなり乱高下していました。 需要国の中心的存在である中国景気の弱さが原油価格を押し下げる一方、イスラエルによるガザ地区への攻撃を背景に始まった「親イラン派フーシ派」によるタンカーへの攻撃やそれに対するアメリカやイギリスの報復攻撃が日に日に増しており、原油価格の押し上げ要因となっているのが原因の様です。 本稿では、原油供給の逼迫リスクが現実味を帯びる現段階において、実際にエネルギー危機が起きた起きたらどうなるかを考察していきます。 読むべき

    • 【悲報】 現実味を帯びるエネルギー危機 2024/02/03

      現在WTI価格は72ドル代を推移している。 ここ最近は原油価格に影響する要因が行き交っている。 中国の経済状況の悪化を受け、原油価格が下落傾向に動いていると同時に、本日のアメリカのイラクとシリア領内に対する報復攻撃により地政学的リスクが意識され上昇した形である。 X(旧Twitter)でもフジテレビの報道が拡散されているようで、「戦争」を意識した投稿が見受けられた。 果たして、アメリカの報復攻撃によって考えるべきことは第三次世界大戦なのだろうか。そのことについても本稿では

      • 西側諸国のジレンマ・ウクライナ支援が滞り原油価格が跳ね上がる可能性

        現在、WTI価格は78ドル近辺で推移している。 親イラン派フーシによる拿捕や攻撃の影響で船舶が紅海を迂回することになり、このところ、価格が上昇しているとみられる。 さて、上昇を続ける原油価格だが、筆者はここにきてウクライナへの支援の減少及び停止が原油市場に大きなダメージがあると考えている。 今月21日、ウクライナがロシアの石油関連施設を無人機ドローンで攻撃したことにより、操業停止に追い込まれた。 今後ウクライナへの支援が減少すれば、筆者は石油関連の施設が危険に晒され、原

        • 今後のガソリン価格と物価の予想

          本稿の目的・読むべき人 今後のガソリン価格がどの様に推移していくのかを予想していく。 本稿は、自動車を頻繁に使用する人・今後の家庭の経済事情に不安がある人・ドライブやツーリングが好きな人に是非ご覧いただきたい。 もちろん、確実に当てられるわけではないので、参考程度にしてほしい。 結論2月前半に上昇 筆者は、2月に入った段階で緩やかな価格の上昇が始まり、場合によっては、数ヶ月以内にガソリン代は跳ね上がると考えている。 また、ガソリン価格の上昇は輸送に影響することから、食品

        エネルギー価格、この先日本はどうなる?

          親イラン派フーシの拠点攻撃の報道を受けて、日本への影響

          現在、WTI価格は73ドル近辺で推移している。 英・米がイエメンの親イラン派フーシの拠点を攻撃したとの報道を受け反発したようだ。 さて、本稿の焦点は今後の日本への影響である。 フーシ拠点攻撃に至るまでの経緯 今回の攻撃の契機は、現在中東で発生しているガザ地区への攻撃に反発したフーシが紅海を航行する商船を拿捕したという事件である。 これを受け、昨年は英大手の船舶会社が紅海の航行を取りやめるなどのニュースがあった。 (しかし、原油市場に対する影響として、ホルムズ海峡を航行

          親イラン派フーシの拠点攻撃の報道を受けて、日本への影響

          金利と原油市場:継続的利上げにより見落としがちな影響とは 2023/07/14

          現在、WTI価格は77ドル台で推移している。 サウジアラビアとロシアによる合計150万バレルの追加減産と米国の消費者物価指数の結果から利上げ停止との見方が濃厚になり、需給逼迫懸念から価格が上昇した状態だ。 7月の0.25%の利上げはほぼ確実しされているとのことだが、米国の持続的な利上げは終局に向かいつつあるという見方がある。 本項を読む意義さて、今回はの継続的利上げで改めて明らかとなった継続的利上げが原油に関わる経済指標に及ぼす影響を確認していく。 意外と見落としがち

          金利と原油市場:継続的利上げにより見落としがちな影響とは 2023/07/14

          今更ながら、自己紹介。

          はじめまして、Energy. Blogです!! 文系ですが、石油が好きで、原油とエネルギー市場の分析をしています。 きっかけエネルギーに興味持ったのは、高校2年生のときです! 当時、バイクに乗り始めたのですが、ガソリン代が高く、少しでも安く出かけたいという重いからガソリン→石油について調べるようになりました! そしたら、いつの間にかバイクよりも石油にハマっている始末。笑 中の人は?現在、大学3年生です! 経済学部、経営学部などのデータを扱う学部ではなく、法学部に在

          今更ながら、自己紹介。

          完全失業者数に潜む罠 2023/07/10

          「失業率」は景気先行指数と知られ、その国の景気の状況を労働力の観点から見るのに優れている。 しかし、失業率の指数には素直に読むことによって分析ミスを起こしてしまう、いわゆる「数値の罠」がある。 今回は、この「数値の罠」について考えていきたい。 完全失業者とは「数値の罠」を知るためには、まず、完全失業者数の定義を知る必要がある。 現在仕事についていないこと 仕事があればすぐ着くことが出来る 仕事を探す活動をしていること 上記3つを達成している一定年齢以上の者が完全

          完全失業者数に潜む罠 2023/07/10

          今回の事件とホルムズ海峡の重要性についてです。 2023/07/06

          現在WTI価格は71ドル近辺で推移しており、サウジアラビアとロシアの減産報道と中国の景気上昇期待の低下という材料から引き続き価格の膠着状態が続いている。 今回のニュースについて本日、「イラン船が石油タンカー二隻の拿捕図る、発砲も 米海軍が阻止」という報道がロイターに流れた。 二隻中一隻に関しては発砲したという。 詳しくは、日経とロイターのリンクを貼るためそこから確認してほしい。 現時点では市場に大きな影響は出ていないが、もちろん今後価格が上昇する可能性がないとは言い切

          今回の事件とホルムズ海峡の重要性についてです。 2023/07/06

          原油価格膠着状態について 2023/07/03

          米国ドライブシーズンにより増加すると予想されるガソリン需要と先月のロシアの政治情勢、及びOPECプラスのサウジアラビアの単独減産という三つの材料により、先月から70〜68ドル(WTI価格)での膠着状態が続いている。 この価格膠着状態を打開するトリガーはあるのだろうか。 状況を打開する材料 【結論:中国の指数】 価格膠着状態が発生する前は主に中国の景況感に係る指数に焦点が当たっていた。 中国の原油消費量は世界2位であり、中国の消費動向から目を離せない。 よって、中国の6

          原油価格膠着状態について 2023/07/03

          石油価格は誰が決めているのか 2023/06/27

          先日、ウイーンで行われた会合でサウジアラビアのみの追加減産が発表されたが、価格の上昇は文字通りの「サプライズ」で終わってしまい、現在のWTI価格は69ドル台で推移している。 さて、昨今減産することによって産油国は1バレル当たりの価格を維持しているようだが、原油の価格決定権は誰にあるのだろうか。 【結論:価格決定権は需要サイドに有り】定義供給サイド 産油国のことであり、OPECプラスなどの枠組みにいるサウジアラビアなどの中東諸国やロシアなどのことを指す。 需要サイド

          石油価格は誰が決めているのか 2023/06/27

          原油需要を中国市場5月のデータから分析2023/06/20

          今朝のモーサテ「イギリスは6日ぶり反落、54ポイントマイナスの7588、中国景気の先行きへの懸念から資源関連株が下落しました。」 本日のテレビ東京、モーニングサテライトのイギリスFTSEに関するキャスターのコメントである。 筆者はヨーロッパの株式市場について門外漢であるため、深く検討することは他に任せるが、モーニングサテライトの情報から、実際に中国景気の先行きに懸念があり、結果的に資源株に影響を及ぼしたのであれば、この点については検討の余地がありそうだ。 原油需要と中国

          原油需要を中国市場5月のデータから分析2023/06/20

          中国鉱工業生産指数と原油価格について 2023/06/15

          先日、OPECプラスの会合により、全体での減産はなかったものの、サウジアラビが単独での日量100バレルの追加減産を発表したことにより、一時74ドル代まで上昇したものの、前回のサプライズ減産と同様に一過性に終わってしまったようである。 現在、WTI価格は68ドル近辺で推移している。 注目を浴びる中国市場 さて、今月はOPECプラスの会合だけではないようだ。 ロイターが原油需要の予想を下方修正したことにより、中国市場に対する注目が集まっている。 筆者は、以前から中国の製造

          中国鉱工業生産指数と原油価格について 2023/06/15

          自動車に係るデータが重要な理由【原油BASIC】2023/06/13

          昨今、電気自動車やEVなどといった言葉が目立つようになった。 時代の変化とともに自動車も様々な進化を遂げているようだが、統計の世界で自動車はどのような役割を果たし、また、どのような性質を有するのか。どれほど重要なのか。 【結論】 需要サイド最重要統計データ 【本題】 自動車に係る統計データは主に需要サイドの将来の状態を分析するのに優れている。 自動車には以下の三つの特徴があることをまずは抑えて頂きたい。 ① 耐久消費財の中でもかなり高額な商品である ②生産のために

          自動車に係るデータが重要な理由【原油BASIC】2023/06/13

          中国と原油市場 【原油BASIC】 2023/06/10

          今回は、「中国と原油価格の関連性」について解説する。 [結論] →「中国経済の影響はとてつもなく大きい」 [本題] 現在の原油価格は需要サイドの影響力が供給サイドよりも大きいため、需要サイドの動向を注視する必要がある。 中国は1日あたりの原油消費量が世界2位であり、需要サイドに大きなウェイトを占めている。 よって、中国の原油に係る経済指標や統計データは無視することができないのだ。 では、「原油に係るデータ」とは、具体的には何を指すのか。 まず、原油が多く使われるの

          中国と原油市場 【原油BASIC】 2023/06/10

          ガソリン価格を予測しよう! 2023/06/08

          6月に入り、いよいよ夏を目前に気温の上昇を肌で感じる季節となった。 さて、夏といえば「夏休み・お盆休み」である。 このような長期休暇では車で旅行に行く方も多いだろう。 そこで今回は「原油価格からガソリン価格を予想する」。 【前提】 日本は、2023年4月時点で、総原油輸入量の96.6%を中東産に依存している状態である。 従って、数ある原油価格指標の中で最も日本のガソリン価格に影響するのはドバイ原油価格である。 次に下のグラフをご覧いただきたい。 これは、2005~2

          ガソリン価格を予測しよう! 2023/06/08