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  • NOIZSTOCK マガジン

    日常のノイズをストックする「STOCKNOIZ」をまとめたマガジン

最近の記事

黄泉路 −中−

− 来世の友 − 「ん? …何か話し声がして騒がしい…」栞は意識が戻りゆっくりと目を開けた。  栞は記憶をたどり、川に流されたことは悪い夢で実は家のベッドで眠っていたと思いたかったが、目の前には大きな川が流れていて、茜色の大きな橋が架かっていた。 栞は立ち上がり、辺りの人にここがどこか訪ねようとしたが、皆、見慣れない格好をした人達ばかりで話し掛けられずにいると、「どうしたの?…」と後ろから女の子が声を掛けてきた。 栞が振り返ると、そこには同い歳くらいの話がしやすそうな女の子が

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    • 黄泉路 −上−

      黄泉(よみ)とは死後、その魂が行くとされている地下の世界。 − 婆さんとの思い出 −  幼い頃、婆さんに連れられてよくお墓掃除に付き合わされた。僕の家のお墓は山のお寺に在って、家から大人でも自転車で30分掛かる。  夏の猛暑に小学校低学年で、ようやく自転車に乗れるようになった僕にとってはなかなか大変な行事だった。 「ハァ、ハァ、ハァ … ねえ婆ちゃん、疲れたぁ… ジュース飲みたい~」 「お寺には山の冷たい湧き水があるで、もう少しの辛抱だで・・」僕と婆さんはこんな押し問答を繰

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      • STOCKNOIZ Jazzの扉

        最近流行りのポップスに少し飽き、マンネリ化した日常を変えたいと思っていると、なぜか無性にアップテンポのピアノ曲が聴きたくなった。 一概にピアノ曲と言ってもジャンルや曲調、テイストなど色々あり、カオス状態である。こうなると心の声を少しずつ辿るしかない。クラシック音楽は素晴らしいが、緊張感があって少し退屈に感じてしまい、自分の性には合わないようだ。その点ジャズは気軽に聴きやすく、リラックスできて好きなジャンルだ。 ジャズといえば「In The Mood」「TAKE FIVE」

        • STOCKNOIZ 渡り鳥

          休日、お気に入りの森林公園で池を眺めていると、つがいのカモが泳いで寄ってきた。 そのカモは周りにいるカルガモと違い、首から上が鮮やかなメタリックの緑色で首元の白いライン柄がまるでネクタイを締めているようなダンディな装いをしている。 調べてみると「マガモ」のオスで渡り鳥の冬鳥とあり、越冬するためにロシアや中国、遠くは北極圏から約4,000kmの距離を飛んで日本に訪れ、春になると繁殖のためにシベリア方面へ帰るという。(ガンや白鳥なども冬鳥) 渡り鳥が長距離を旅することは知っ

        黄泉路 −中−

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        • NOIZSTOCK マガジン
          11本

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          STOCKNOIZ どんだけー

          テレビを観ていたらIKKOさんのお馴染みのフレーズ「どんだけ~」「背負い投げ~」が聞こえてきた。 この人、このフレーズで「どんだけ~」稼いだのだろう。 今さらながらよく考えてみると強烈に耳に残るパワーワードで、これは研究するに値するのではと思い立った。 そこでIKKOさんが言ったらハマリそうなパワーワードを考えてみようと思う。 まず、IKKO語録はどんなものがあるのか調べてみた。 「どんだけ~!」 「背負い投げ~!」 「まぼろし~!」 「羽交い絞め~!」 「生き写し~!」

          STOCKNOIZ どんだけー

          STOCKNOIZ 卵サラダ

          最近、何かと忙しい毎日で、効率よく生活するために時短・節約家事を心掛けるようになった。 ネットで時短レシピを調べると、ベーコンエッグはフライパンを使わずに電子レンジ(500W)で1分20秒程でできると知ってからは、頻繁に作るようになり重宝していたが、これでは野菜不足になると思い、キャベツも加えて食パンに乗せて食べたらボリュームもあって、外食のハンバーガーより経済的で結構旨い。 そんなある日、テレビを観ているとタレントさんが「朝は電子レンジで卵サラダを作ってサンドイッチを食

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          STOCKNOIZ 犬焦る

          犬、それは意外と不思議な存在である。 人と言葉を話せる訳ではないが、言いつけを守ったり、交通ルールの信号や道路、線路を我が物顔で走ってくるデカい箱がなんとなくヤバい奴というのも分かってるし、ここで用を足したらアカンだろうなと最低限の世の中のルールは知っている。 先日、近所の小さなスーパーに行ったときのことである。入口自動ドアのド真ん中にトイプードルがちょこんと座り、プルプル震えながら買い主を待っていた。近寄ってもじっとして動かないため、来店客はその上を跨ぎながら愛くるしい

          STOCKNOIZ 犬焦る

          STOCKNOIZ 続・奇跡の地球

          なにげなく暮らしているこの世界は奇跡の地球だ。 恐竜が絶滅したのは、6600万年前の白亜紀の終わりに直径10km級の巨大隕石がメキシコのユカタン半島に落ちたことが原因という説が有力で、その後、生き延びた哺乳類が長い年月を経て進化し初期人類が誕生したとされている。 その初期人類が誕生した約700万年前から現代に至るまで、巨大隕石は衝突していない。まるで地球が「恐竜の時代を1億6000万年も続けてみたけど、弱肉強食を繰り返すばかりで進歩がないなぁ。一回リセットして次に繁殖する生

          STOCKNOIZ 続・奇跡の地球

          STOCKNOIZ 奇跡の地球

          なにげなく暮らしているこの世界は奇跡の地球だ。 この広い宇宙で生命が誕生した星は、地球以外に未だ確認されていない。 地球に生命が誕生した大きな要因は「地球に海があること」と「太陽の存在」だ。 地球のような海がある天体は激レアで、その理由は太陽に近すぎると海が蒸発し、遠すぎると氷になるためで、地球は絶妙な位置にあるのだという。(サイト参考) この時から地球上の生命にとって太陽は無くてはならない存在であり、多くの恩恵を受けてきた。太陽光によって海の中で生物が誕生し、藻や植物が光

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          STOCKNOIZ 食事制限

          犬や猫はほぼ毎日決められたペットフードを食べる。 昔は人のご飯の残りものを与えることが多かったが、今やペットはとても大事にされ、健康で長生きできるように飼い主がしっかり管理している。 しかし、毎日決められた量を決められた時間に同じブランドのペットフードをよく飽きもせずに食べられたものだ。今日は特別というわけでなく、いつものペットフードが出てくるだけなのに「待ってました!」とソワソワして幸せそうに食べる。 その点人はどうだろう。 ラーメン、寿司、ピザ、パスタ、牛肉、豚肉、鶏肉、

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          STOCKNOIZ 鳩

          最近気づいたことがある。 もしかして人間ってオレたちハトを捕まえようと思っていないのかもしれない。というかまったく興味なくない? 前から薄々感じてはいたが、歩道の真ん中で菓子クズを突いていても人間たちは気にせず通り過ぎていく。この前は駅のホームで人間と鉢合わせてお互いにうろたえてしまったが、捕まえる素振りは全くなかったし、こっちが近づいていくと「ギャー!」と小走りで逃げて行ってしまった。もしかしてオレたちハトは嫌われているのかもしれない。なんかムカつく。 だが子供だけは例外

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