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歌も、謡も

今月のダ・ヴィンチは、短歌特集。
歌人の瀬戸夏子さんと尾崎世界観さんの対談の中で、短歌は下積みの必要なジャンル、というお話が印象的だった。

短歌を続けていって、劇的に変化が生じるには、少なくとも三年はかかるし、十年やるまで分からない。
三年から十年の間に、とても良くなる人が多いのだとか。

ちょうど私が短歌を作りはじめて、三年が過ぎたところ。
短歌も十年か、と思うと、嬉しくなった。

能の謡のお稽古を、今年から始めたのだけれど、こちらも「謡十年」と言われている。
十年やればものになるということではなく、入門程度の謡が謡えるようになるのに十年かかる、ということなのだそう。
本当の楽しみは、そこから始まるらしい。
前にもnoteに書いた、能楽師の安田登さんの著書「能―650年続いた仕掛けとは―」(新潮新書)で知った。

スピードの早い現代では、何かを会得する、というか、その入口に立つだけで十年なんて、それだけで敬遠されてしまうのかもしれないし、私も若いときに聞いたら、ムリムリ!と思ったかもしれない。

でも今は、十年なんてあっという間だろうなと思うし、この先十年の目標ができたのが嬉しい。

たゆまずに、歌と謡に精進したい。

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