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小説:ペクトラジなど

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記事一覧

柚子野亜里沙物語3「なんてことなの」

わたくし、関東観光大使 柚子野亜里沙なの。 それでね、25歳になったの。   35歳の散歩…

柚子野亜里沙物語2「人気キャスター」

わたくしの名前は 柚子野亜里沙ですわ。 23歳になったの。 行く先々の観光地で凄い人気な…

柚子野亜里沙物語1「キャスターへの道」

あたいの名前は 柚子野亜里沙。 20歳になったの。 入間郡毛呂山町に日本最古の柚子の産地…

貧乏草

あたいの名前は、柚子野亜里沙。 散歩の妾なの。 散歩は年収1億のリッチな年金生活者だけど…

避暑地の恋

高度成長期、一大別荘ブームに湧きたった時期である。 大金持ちは、株に走り、不動産は特に別…

オカマのしんちゃん

武家社会の男色は、それまでの公家の美少年趣味とは異なり、女人禁制の戦場で武将に仕える「お…

隣の土田さん

昭和40年代の初期 東京都板橋区に、大山建設が施工した、小さな住宅街があった。 2階建て3DKの小さな建て売り住宅街である。 軽自動車がようやく入れる程度の狭い駐車場付きだが、隣の家屋とはフェンスから境界条件の50cmしか離れていない密集住宅街であった。 その建て売り住宅は、五百万円で取り引きされていた。 住宅街に真っ先に入ったのは 70歳近くのお婆さんで、ご主人の遺産で購入したようである。 夫の遺族年金と自分の年金でかなり裕福な暮らしらしく、株を運用していた。 一人

赤羽線の痴女

現在は埼京線に組み込まれているが、 昭和40年代 赤羽駅〜池袋駅を結ぶ、全長 5.5kmと極…

ネコのミーコとイタチのタッちゃん

ミーコ「ねえ、タッちゃん、まだ、たつの?」 タッちゃん「勿論だよ、試してみる?」 ミーコ…

ネコのユリとタチの麗子

レズビアンの用語で 「ネコ」は受けで女役を示す。 「プッシーキャット」に由来するが 「猫車…

弓子物語⑨夫の死から終章

夫の真一は、82歳から大腸がんに侵されていた。 真一は高度医療を拒んでいたため、放射線療…

弓子物語⑧父母の死

2038年。 父の誠死亡。行年92歳。 男としては長寿であった。 死因は脳梗塞であっけない…

弓子物語⑦夫の定年退職

2034年。 誠88歳。米寿の祝い。 真一65歳。停年退職。 弓子60歳。還暦の祝い。 トリ…

弓子物語⑥子たちの独立〜真弓の死

2013年。勇太は夫と同じ早稲田大学理工学部に入学。 2017年(平成29年) 勇太は大学卒業後、東京大手町の一流企業に就職。 杉並のアパート住まいとなる。 同年、真貴子は20歳で、東京六本木の建設会社在勤の坂田と2年の交際後、結婚。 新居は中野に構えた。 次の年の2018年(平成70年)。勇太(23歳)は早稲田大学時代からの知り合いの女性と結婚。 真弓84歳。誠72歳。弥生63歳。真一49歳。弓子44歳である。 真弓はすでに80を過ぎていたが、そこはお目出度い席であ