雪解けアルペジオ【毎週ショートショートnote】
「ローカルワインをお願いするわ」
「かしこまりました。アルペジオをご用意します」
「アルペジオ?聞いたことないわ」
「他の地方ではロゼと呼ばれております」
ウーべハイム地方はライナー川を挟んで東西の争いが絶えることがなかった。ここはライナー川の東側にあるウーベハイム城を改造した古城ホテルだ。
東西のどちらが勝利したのか?結果はどちらでもない。南方からきたマーロ帝国に征服されてしまったからだ。
マーロ帝王は酒豪であり、征服した土地の酒を取り寄せた。ウーベハイム地方は東側が白ワイン、西側が赤ワインの産地で有名だった。ブドウを取り寄せてワインを作らせた際、両方のブドウが混ざったワインを飲んだところ、この上なく美味でとても気に入った。
ウーベハイム地方では永年のいざこざが雪解けたように協力してワインを作り、音楽を奏でながら飲み明かすようになった。繰り返し演奏されるアルペジオの美しい旋律にあやかってワインの名をアルペジオと名付けた。
(410文字)
アルペジオ?聞いたことなぁ。調べてみても自分の言葉として使うのが難しい。今回はパスしようかなぁ。でもなぁ。ということで、『なんのはなしですか』を通り越して『しらんけど』の話になってしまいました😓
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