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みそづくりと田舎の人の生きる力

お友だちのお家で味噌作りをした。
麹屋さんから買った麹を手で細かくして、そこに塩を混ぜ、茹でて潰した大豆を入れて混ぜる。大豆の茹で汁で粘り気を調整し、団子状に丸めて、空気を抜いて漬け物袋を敷いた味噌桶へ。しっかり空気を抜いて漬け物袋の口を閉め、重しを乗せて、あとは涼しいところで発酵させて出来上がり。秋頃には味噌になっている。
たくさん仕込んだので、結構時間がかかった。出来上がりが楽しみ。

もう何度目かになるが、初めて作ったときは、味噌って家で作れるの?!と思った。
私の実家は農家ではなかったことや、両親の性格?も相まって、「自分で何かを作ること、壊れたら自分で修理すること」の感覚が全くなかった。
しかし嫁にきたのはド田舎の農家。夫をはじめ、義父など、とにかくなんでも自分でやる。なければ作る、壊れたらとりあえず修理してみる。
こういった姿勢に、私はいたく感動した。田舎の人ってなんてたくましいんだろう。それは、そうせざるを得なかったからだ。何もないから、自分たちで作るしかなかった、直すしかなかった。その感覚が、今でもしっかり受け継がれていると思う。

よく思うのは、災害が起きたときは田舎の方が強いということ。
今年の冬も、大雪による倒木で、集落の孤立や数日間にも及ぶ停電の被害が出た。そんなときでも、みんな大騒ぎすることもなく、落ち着いて乗り切った。
元々近くにお店もない田舎だ、普段から食料の備蓄はある。電気が止まっても、灯油のストーブや薪ストーブがある。田舎の人間関係があるから、お互い声をかけ合って助け合える。
災害が怖い人は、田舎に住んだ方が絶対にいい。
都会のマンションの高層階に住んでいる人は、停電したら家に帰るだけで大変だろう。
物流が止まってお店に商品が入荷しなくなったら、すぐに食べ物もなくなってしまう。
自給自足の暮らしはほぼ不可能に近いとは思うが、そこそこ近いことは田舎ならできる。

田舎にいて実感するのは、田舎の人は生きる力が強いということだ。
実家にいた頃はわからなかった。お金を出して、専門業者を呼べばいいと思っていた。
味噌も、米も、野菜も、作ることは命に繋がる。シンプルに力強く、安心感がある。

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