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読書感想文「赤目四十八瀧心中未遂」

写真家の星野藍さんが影響を受けた本として挙げられていたことから、興味を持って読んでみた。
星野さんは旧共産圏の写真をたくさん撮られていて、好きなんです…よかったら皆さんぜひ…

純文学でした。
モヤモヤした主人公がモヤモヤ過ごして、恋に落ちて…
舞台となる尼崎の、雑然として治安の悪い感じがなんとも言えず。
アヤちゃんの背負った刺青の、毒々しさと美しさ。
赤目四十八滝の清らかさ。
ぼんやりとグレースケールで描かれていた前半から、恋に落ちてからの凄烈な色彩のコントラスト。

映画になっているようなので、見てみたいけれど、サブスクでなさそうなのが残念…
近くにレンタル屋さんももうないよぉ

赤目四十八滝という場所があるのも知らなかったんですが、とても素敵なところみたいなので、行ってみたくなりました。
赤目四十八瀧心中未遂というタイトルがすごくいい。
これは確かに、ある種の人たちに深く刺さる文学でした。椎名林檎好きな人なら好きそう。

ひたすらに、日当たりの悪いボロ貸家の一室で、臓物に串を打ち続ける主人公を愛しました。

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